Web Syllabus(講義概要)

平成30年度

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科目ナンバリング:POL-105
外国政治史 I 工藤 則光
【Ⅴ】  2単位
【Ⅴ 法律と政治のしくみを学ぶ】 18-1-1500-1570-005

1. 授業の概要(ねらい)

 本年度の外国政治史は古代から現在までのフランス政治史を概観する。外国政治史Ⅰでは、フランスの地理を理解することも目標とし、フランス革命を経たナポレオン帝国の崩壊までの時期の政治史を扱う予定である。時期によって異なるが、他国のこと、例えばイギリス(イングランド)、イタリア、ドイツ、スペインのこともできるだけ取り上げるようにする。
 なお、ここでいう政治史には高等学校の教科書にあるような19世紀的な実証主義史学の成果である事件史だけではなく、20世紀を代表し、現在も大きな影響力を有するフランスのアナール派の手法を取り入れた「政治文化史」のことも含まれる。さて、政治文化史とは何か。これは、簡単には初回の授業で説明するが、その具体的な内容・手法については、この講義全体で明らかにしていく。

2.
授業の到達目標

 1.フランスにおける19世紀初めまでの政治史について基本的知識を獲得すること。
 2.世の中の動きを歴史的に考えるための視点を身につけること。

3.
成績評価の方法および基準

 受講者数にもよるが、小リポート・小テストなど40%、期末テスト60%で評価する。
 ①小リポートは基本的に授業中のリアクション・ペーパー(原則毎回実施)のことである。
 ②期末テストは定期試験日となることもある。

4.
教科書・参考書

 1.テクストは使用しない。
 2.この分野の著作は多数あり、適宜参考文献を紹介するが、特に次の1冊を入門用の参考文献としてお勧めする。
   佐々木真『図説 フランスの歴史』増補新装版、河出書房新社、2016年。

5.
準備学修の内容

 授業内容の理解を深めることができる教材を紹介するので、事前に読んだり見たりするとよい。また、現在日本や世界で起きていることに関心を持つこと。最低限一日1回はニュースをチェックして動向なりを押さえておくこと。この授業とは直接関係しないかもしれないが、色々な意味で過去と現在はつながっているので、意外な接点に驚くこともあるだろう。

6.
その他履修上の注意事項

 高等学校で必修となっている世界史の教科書に記載されていない内容も多いので、世界史の理解程度は問わないが、その確認のようなことは講義するつもりである。ただし、高等学校の教科書の記述とは根本的に異なるので、その方面での教職を目指している学生で現在教職科目に苦戦している学生には履修を勧めない。

7.
各回の授業内容
【第1回】
 ガイダンス:①授業の進め方・評価方法などについて ②政治史とは何か(概論)
【第2回】
 はじめに:①現在のフランス地理、②古代のフランス
【第3回】
Ⅰ.フランク王国:フランス誕生序曲
【第4回】
Ⅱ.カペー朝①:通史
【第5回】
Ⅱ.カペー朝②:封建王政
【第6回】
Ⅲ.ヴァロワ朝①:ヴァロワ家断絶までの通史
【第7回】
Ⅲ.ヴァロワ朝②:前期ヴァロワ=アングレーム朝史とルネサンス王政
【第8回】
Ⅲ.ヴァロワ朝③:宗教戦争を中心に後期ヴァロワ=アングレーム朝史
【第9回】
Ⅳ.ブルボン朝①:アンリ4世即位からルイ14世未成年期までの通史
【第10回】
Ⅳ.ブルボン朝②:ルイ14世親政史
【第11回】
Ⅳ.ブルボン朝③:ルイ15世即位からフランス革命直前のルイ16世治世史
【第12回】
Ⅴ.フランス革命①:王政廃止(共和制成立)までの通史
【第13回】
Ⅴ.フランス革命②:統領政府樹立(ナポレオン政権掌握)までの通史
【第14回】
Ⅴ.フランス革命③とナポレオン:ナポレオン帝国史
【第15回】
 まとめとテスト
 ◎以上の予定に小テストや小リポートが加わるはずである。