Web Syllabus(講義概要)

平成30年度

ひとつ前のページへ戻る 教授名で検索

科目ナンバリング:ESS-214
小学校・英語活動概論 竹内 朋子
選択  2単位
【初等教育】 18-1-1500-1652-001

1. 授業の概要(ねらい)

 2020年度から小学校5、6年生では英語が教科化される。3、4年生では現在5、6年生で行われている活動型授業が必修科目となる。ここ数年、1、2年生でも英語による活動が行われる傾向が強くなっている。小学校教員にとって、このような状況に対応するために、外国語活動の指導方法を身に付けることが急務といえる。
 本授業では、小学校での今後の授業展開を考える上で必要なポイントを数多く見ていく。
 ①まず、日本の小学校での「外国語(英語)活動」の背景と現状を考察する。とりわけ、2020年度までの移行期間における取り組み方、そして20年度以降の「外国語(英語)活動」について理解する。
 ②次に、実際の現場で指導する際に役立つ基本的なノウハウを身につけ、特に活動型の授業で使える応用範囲の広い活動を数多く学ぶ。具体的には、英語の歌、チャンツやコミュニケーションゲームなどの材料とそれらの指導技術を習得し、外国語活動を通して英語を学ぶ楽しさを子供の視点から考え小学校教員としての役割を理解する。英語による様々な活動を学生同士で行うことにより、実体験による英語の楽しい側面を共有し指導に生かしていく。
 ③本授業のまとめとして、模擬授業を行う。
 これら①から③を通じて、子供を引きつける「外国語(英語)活動」を行うには、指導者としてどんな資質が必要なのかを考え、初めて英語に触れる子供の気持ちを理解し、自信を持って英語で指導できるようになることを目指す。また、子供たちの小学校での英語経験が中学校でも生かせるような「外国語(英語)活動」を目標として取り組んでいく。

2.
授業の到達目標

 ・主に英語を通して「外国語(英語)活動」の授業が展開できるように指導力のみならず、英語による指示語などを身につける。
 ・英語を基本とした指導案を作成し、模擬授業を行うことで実践的な経験を積む。
 ・小学校での英語体験が中学校の英語学習へとつながるよう、児童に英語学習に向けてのモテイベーションを与えるような活動内容を理解し、指導できるようにする。
 ・簡単な英語の歌、チャンツやゲームを身に付け、それらを指導できるようにする。

3.
成績評価の方法および基準

 英語の小テスト(30%)、模擬授業に向けての指導案及び模擬授業(30%)、確認テスト(30%)、その他提出物(10%)

4.
教科書・参考書

 テキスト:『Bright and Early』 Junko Matsuzaki Carreira 南雲堂
 参考文献:『[小学校]英語活動ネタのタネ』 小泉清裕 アルク
      『テーマで学ぶ英語活動』 町田淳子 三友社出版
      『ダメな英語活動・よい英語活動』 渋谷徹 明治図書

5.
準備学修の内容

 ・日常生活で目にするもの(文具類、生活用品、動物、食品、スポーツ、遊び、など)や日常的な行動(走る、配る、集める、記入する、など)などを英語で表現できることが必須である。日々の生活において英語を意識し、自ら単語力や表現力をつけておくこと。
 ・英語での正確な指示や指導案作成のため、中学レベルの基礎的な文法事項を復習すること。
 ・授業で指定された英語表現・英単語は必ず暗記し、小テストや模擬授業に備え英語力をあげること。
 ・配布資料は必ず読み、理解を深めること。

6.
その他履修上の注意事項

 有意義な「外国語(英語)活動」を作り上げるのは、学生諸君である。授業では、多くの場面でグループワークを課すので、個人の取組みのみならず仲間との協同作業も必要である。受け身にならず、積極的に授業に参加することを強く望む。身体も心もフル活用し、子供を引き付ける術を身につけ、指導力もあり、かつ英語力もある指導者となることを目標に励んでもらいたい。この授業を機に、自分の英語に磨きをかける心構えは必要である。
 実践的な場面に応じた練習も行うため、履修人数は最大30名とする。履修希望者が多い場合は初回授業で英語の小テスト(基本的な文法)を行い、履修の可否を決める。(履修者は即日に掲示発表)
 また、「小学校・英語活動指導法」を履修することにより、本授業で培ったものがより確かなものとして身につくはずである。「英語活動指導法」と合わせて履修することを強く勧める。尚、教材研究として、2020年度までの移行期間中に小学校で使われる新教材の購入を別途指示する可能性もある。(おそらく、一冊数百円程度)

7.
各回の授業内容
【第1回】
 オリエンテーション
【第2回】
 ・世界の外国語学習事情・日本の小学校外国語活動の背景と現状
 ・外国語活動指導のポイント(児童の心理の観点から)
【第3回】
 ・外国語活動の留意点・MI(多重知能)理論とは?
 ・MIを使った活動の実践
 ・Classroom Englishを学ぶ
 ・文字指導、読みの指導について(音法や第二言語習得の観点から)
【第4回】
 ・TPRとは?・知っておきたい様々な教授法
 ・TPRを使った活動の実践
 ・Classroom English 小テスト①
【第5回】
 ・基本的な指導手順・ゲームなどのactivities①
 ・「歌・チャンツ」指導のポイント
 ・「歌・チャンツ」の指導練習
【第6回】
 ・基本的な指導手順・ゲームなどのactivities②
 ・「コミュニケーションゲーム」指導のポイント
 ・「コミュニケーションゲーム」の指導練習
 ・Classroom English 小テスト②
【第7回】
 ・基本的な指導手順・ゲームなどのactivities③
 ・「ウオーミングアップ」に何をすれば?授業開始のポイント
 *確認テスト
【第8回】
 ・基本的な指導手順・ゲームなどのactivities④
 ・「ウオーミングアップ」を実践
【第9回】
 ・ゲーム、チャンツ、歌を取り込んだ授業展開を考える
 ・Classroom English 小テスト③
【第10回】
 ・模擬授業の準備・練習
【第11回】
 ・模擬授業の準備・練習
 ・Classroom English 小テスト④
【第12回】
 ・模擬授業 発表1
 ・フィードバック
【第13回】
 ・模擬授業 発表2
 ・フィードバック
【第14回】
 ・模擬授業 発表3
 ・フィードバック
 ・Classroom English 小テスト⑤
【第15回】
 まとめ