Web Syllabus(講義概要)

平成30年度

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科目ナンバリング:EPM-201
予防医学 小川 佳子
選択  2単位
【スポーツ医療】 18-1-3074-4448-004

1. 授業の概要(ねらい)

 予防医学とは、疾病(病気)の原因を取り除き、発病を未然に防ぐことを目的とした学問です。また、広い意味では、発病した後の疾病の悪化や再発を防ぐことも予防医学に含まれます。わが国では、生活習慣の変化や人口の高齢化、過剰なストレスなどを背景として、生活習慣病患者や要介護高齢者の増加、心の病や薬物依存など、さまざまな健康問題を抱えています。このような現代社会のなかですこやかに生きていくためには、わたしたちは自分自身の健康を自分で守る必要があります。
 そこで、本授業では、セルフケア(自己健康管理)を実践したり、あるいは指導したりするために必要な予防医学の基礎知識を学びます。また、予防医学を理解し実践する上で必要な研究手法と医用統計の基礎についても学びます。

2.
授業の到達目標

 ①健康と健康増進の概念、予防医学の重要性について説明できる。
 ②わが国の抱える健康問題とその予防法、健康づくり施策について説明できる。
 ③心身の健康を維持するためのセルフケアを実践できる。
 ④予防医学のための研究手法と統計学的解析手法の基礎知識を習得し、主要な指標を計算することができる。

3.
成績評価の方法および基準

 期末試験(80%)、課題あるいは小テスト(20%)で評価します。なお、授業にはすべて出席することが前提であり、出席点はありません。出席が3分の2に満たない場合と期末試験を受験しなかった場合は評価対象外となります。

4.
教科書・参考書

 教科書(購入が必須のもの)は指定しない。
 参考書:
 『NEW予防医学・公衆衛生学(改訂第3版)』岸玲子ほか編(南江堂)
 『病気にならない本 予防医学へのいざない』江藤敏治著(大学教育出版)
 『看護学生のための疫学・保健統計』浅野嘉延著(南山堂)
 『基礎から学ぶ 楽しい疫学(第3版)』中村好一(医学書院)

5.
準備学修の内容

 1回の授業あたり2時間程度の予習・復習が必要です。授業前には、インターネット(LMS)上にアップロードされた講義資料に目を通しておいてください。また、授業後には、講義資料や参考図書などを使って十分に復習をしてください。

6.
その他履修上の注意事項

 ①講義資料は各自でインターネット(LMS)上から事前にダウンロードし、講義に持参してください。講義時の紙媒体での資料の配布はおこないません。
 ②授業中の私語など授業の妨げとなるような行為、携帯電話やスマートフォンの使用、イヤフォンやヘッドフォンの着用は厳禁とします。
 ③わからないことは書籍などで調べたり、積極的に質問したりして、わからないままにしておかないようにしてください。
 ④日々の生活の中で自分や家族の健康問題について関心を持つように心掛けてください。

7.
各回の授業内容
【第1回】
 予防医学概論:予防医学の歴史と基本概念について学ぶ。
【第2回】
 健康とヘルスプロモーション:健康と健康増進の概念、生活習慣変容の重要性、わが国が抱える健康問題の現状と健康づくり施策について学ぶ。
【第3回】
 生活習慣病の予防:生活習慣病やメタボリックシンドロームの概念、運動による予防効果と運動実施のためのメディカルチェックについて学ぶ。
【第4回】
 高齢者の健康と介護予防:認知症やロコモティブシンドロームを中心に超高齢社会の抱える問題と介護予防について学ぶ。
【第5回】
 健康診査とスクリーニング:健康であることを確かめる健康診査と疾病の早期発見に用いられるスクリーニングについて学ぶ。
【第6回】
 感染症の予防(1):感染症の要因や感染経路について学ぶ。
【第7回】
 感染症の予防(2):予防接種や感染症に関連する法律など、感染症の予防について学ぶ。
【第8回】
 睡眠と健康:睡眠不足による健康障害と睡眠の重要性について学ぶ。
【第9回】
 タバコと健康:タバコによる健康障害と禁煙の重要性、禁煙指導について学ぶ。
【第10回】
 アルコールと健康:急性アルコール中毒とアルコール依存症、適切な飲酒について学ぶ。
【第11回】
 薬物と健康:急性薬物中毒と薬物依存症について学ぶ。
【第12回】
 ストレスとメンタルヘルス:ストレスによって引き起こされる病気やストレスへの対応について学ぶ。
【第13回】
 環境障害の予防:環境要因による健康障害とその予防について学ぶ。
【第14回】
 予防医学の研究手法と医用統計の基礎:予防医学の研究手法と医用統計の基礎知識を学ぶ。
【第15回】
 まとめ:予防医学の必要性と重要性について総括する。