Web Syllabus(講義概要)

平成30年度

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科目ナンバリング:STS-102
統計学入門 II 大川内 隆朗
【Ⅵ】  2単位
【Ⅵ 自然法則と数理科学を学ぶ】 18-1-3082-4217-004

1. 授業の概要(ねらい)

 データ分析や意思決定の際には、2つのものを比較して、どちらが良いのか/どちらを取るべきなのか、といった判断が迫られることが頻繁に起こります。本講義では、検定という考え方と、いくつかの代表的な手法を理解し、2つのものの比較について確率を含めて正しく判断できるための知識の習得を行います。

2.
授業の到達目標

 ・記述統計や基本統計量に関して復習を行い、理解を深める
 ・統計検定および棄却値の概念を理解する
 ・F値やt値など、各種検定統計量を計算できる
 ・比較を行いたい内容に応じて、適切な検定手法を選択することができる

3.
成績評価の方法および基準

 各回の小テスト:80%、
 レポート課題:20%
 を目安として総合的に評価します。

4.
教科書・参考書

 教科書は特に指定しません。資料やレジュメについては、毎回の講義の中で配布します。
 参考書は下記に挙げておきますが、受講の際に必須とはしませんので、各自必要に応じて準備してください。
  ・『完全独習 統計学入門』(小島寛之 著)
  ・『よくわかる心理統計』(山田剛史、村井潤一郎 著)
  ・『統計学がわかる』(向後千春、冨永敦子 著)

5.
準備学修の内容

 授業の中で理解できなかった部分はよく復習し、次の授業までにはしっかり理解しておくことを心掛けてください。また授業内で学習する理論と並行して、Excelなどを利用してデータ分析の練習を行うと、より理解が深まると思います。

6.
その他履修上の注意事項

 統計学入門Iの講義を履修し単位を修得しているか、あるいはそれと同等の知識を持っていないと授業に付いていくことは厳しいと考えられます。また、課題や演習問題を含め、授業内外を通じて手を動かしてもらう学習がある程度求められます。

7.
各回の授業内容
【第1回】
 ・イントロダクション
 ・2つのデータの比較
  サンプリングによって得られたデータで、どちらが良いのかを分析する際には、必ず不確実性が存在し、判断にはリスクが伴うことを理解します。
【第2回】
 ・基本統計量(1)
  基本統計量の復習を行い、ヒストグラムから各種値を読み取る方法を理解します。またデータ量によって母集団との差が生まれやすい統計量と、差が生まれにくい統計量について学習します。
【第3回】
 ・基本統計量(2)
  母分散、標本分散、不偏分散の違いについて学習し、次回以降に学習する分析の際に、使い方を間違えないように十分に理解します。
【第4回】
 ・仮説検定
  2種の過誤を含めた仮説検定の考え方について理解します。「差が無い」という仮説と、それを棄却するための分析という概念を習得します。
【第5回】
 ・独立性の検定(1)
  2つの割合の比較し、その割合の差に有意な意味があるのかどうかを検討する手法について学びます。またカイ二乗分布表の見方を習得します。
【第6回】
 ・独立性の検定(2)
  クロス集計表の復習を行い、期待値の算出方法を理解します。また期待値と実測値の差を統計量として分析する方法を理解します。さらに自由度についてもより詳しく紹介します。
【第7回】
 ・F検定
  2つの母集団のバラつき具合を判定する、F検定の考え方と、F値の求め方について学習を行います。
【第8回】
 ・まとめ1
  前回までの内容をすべて含めたまとめと総合演習、課題の出題を行います。
【第9回】
 ・点推定/区間推定
  正規分布を例に、区間推定を行う方法について復習を行います。また今後学習する、平均値の差の検定を含めた、確率に伴うリスクについて理解します。
【第10回】
 ・平均値の差の検定(1)
  対応の無いt検定について概念を説明し、t値の算出が行えるように学習を進めていきます。またt分布表の見方を習得します。
【第11回】
 ・平均値の差の検定(2)
  対応のあるt検定について、対応の無いt検定との差を中心に説明を行います。検定するべき対象(差)がどこにあるのかを理解しつつ、t値の算出を行うことができるように学習します。
【第12回】
 ・課題の発見
  統計学やデータ分析において、課題を発見する力、仮説の立て方、仮説に対するデータの収集方法などについて総合的に学習していきます。
【第13回】
 ・演習(1)
  記述統計の内容について、問題を解きながら、より実践的な力を身に付けていきます。
【第14回】
 ・演習(2)
  推測統計の内容について、問題を解きながら、より実践的な力を身に付けていきます。
【第15回】
 ・まとめ2
  講義全体の内容をすべて含めたまとめと総合演習を行います。