Web Syllabus(講義概要)

平成30年度

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科目ナンバリング:EDU-214
アクティブ・ラーニング特論 I 宮原 俊之
選択  2単位
【教育文化】 18-1-3082-4419-001

1. 授業の概要(ねらい)

 この授業では、春期(Ⅰ)と秋期(Ⅱ)をとおして、初等・中等教育において、アクティブラーニングを実現するための授業設計(指導案の作成)を行うことができることを目標しますが、どんな仕事をしていても、どこかで必ず”教育”には関わります(学ぶ側としても教える側としても)。その時にも必ず役に立つでしょう。
 また、ICTを効果的に教育に活用することに興味がある方にも、役立つでしょう。
 これまでに受講した皆さんからは、
  ・アクティブ・ラーニングの見方が変わった
  ・自己満足や経験等に押しつぶされず、見つめ直して刷新してくことが必要であることを学んだ
  ・自分の中での授業の作り方を一度整理することができ、理論を用いて授業を計画しようとすることができるようになった
 という感想が多くありました。
 さて、みなさん、「アクティブラーニング」という言葉を聞いて何を思い浮かべますか?
 今度の学習指導要領改訂以降でこの「アクティブラーニング」が強く意識されていますが、その時、みなさんは、どのような授業方法をとる(授業設計を行う)べきでしょうか?
 教育方法の理論であるインストラクショナルデザインをとおしてこれを学びます。
 インストラクショナルデザインは、かみ砕いて言うと「学ぶ人たちが授業を楽しみ効率よく成果を出すための方法論(理論)」です。
 春期(Ⅰ)では、授業1回分(またはそれ以下)をターゲットに、アクティブ・ラーニングを実現するための授業設計(指導案)を作成します。
 秋期(Ⅱ)では、春期(Ⅰ)の成果について、理論から裏付けを行い、「良い」授業設計について考え作成します。
 ですから、できるだけⅠ・Ⅱの両方を受講をおススメします。
 受講者される学生の皆さんと一緒に授業を作り上げていきたいと思います。

2.
授業の到達目標

 ・学生は、授業1回分(またはそれ以下)について、アクティブラーニングを実現するための授業設計(指導案の作成)を行うことができます。
 ・学生は、「インストラクショナルデザイン」の概要について(人の言葉を使って)説明できます。
 ※本授業を受講される方は、できるだけ、I・II とも履修してください。
 (理由は、「1.授業の内容」を参照のこと)

3.
成績評価の方法および基準

 定期試験は行いません。授業への取り組み、課題、最終成果物を総合的に評価します。
 【出席】直接的な最終評価には影響しませんが、無断での欠席が4回を超えた場合は評価対象外とします。
 【授業での取り組み&課題】50%
 【最終成果物】50%

4.
教科書・参考書

 特に定めませんが、持っていて損にならない参考書籍については、授業の際に紹介します。

5.
準備学修の内容

 授業時間では演習を多く行うため、授業時間外に、課題への取り組みや、演習に関係する準備、作業が発生します。

6.
その他履修上の注意事項

 基本的なパソコンの操作ができること、「授業の概要・目的」に興味があることが受講の前提条件です。
 最後まであきらめずに新しいことに自ら挑戦できる自信も必要です。
 受講人数によって、授業内容・方法を変更する可能性があります。

7.
各回の授業内容
【第1回】
 オリエンテーション 
 自己紹介と具体的な授業の進め方と計画、評価方法などについて確認します。
【第2回】
 アクティブ・ラーニングを考えてみよう1
  皆さんが実施した、考えた、または経験した授業から「アクティブ・ラーニングを実現する」
  ことの意味を考えます。
【第3回】
 アクティブ・ラーニングを考えてみよう2
  現時点での自分自身の「アクティブ・ラーニング」に対する認識を整理し、共有することで確認します。
【第4回】
 アクティブ・ラーニングの実体について検討してみよう
  他者が整理した内容と自分の整理した内容を比較し、重要なポイントチェックします。
【第5回】
 「アクティブ・ラーニングとはなにか」に迫ろう
  一般的に言われている「アクティブ・ラーニング」についての基礎知識を学び、前回までに整理した認識や理解をチェックします。
【第6回】
 課題発表と指導案中間修正
 インストラクショナルデザインの基本の基本1
  アクティブ・ラーニングとインストラクショナルデザインの関係やインストラクショナルデザインの目的、実際どのようなものなのか?について学びます。
【第7回】
 インストラクショナルデザインの基本の基本2
  具体的にいくつかの理論を使ってみます。
  まずは、全体のプロセスをまとめた「ADDIEモデル」や、教え方を考えるときに使う
  「ガニエの9教授事象」などに対して、ゲーム感覚で触れてみることから始めます。
【第8回】
 インストラクショナルデザインの基本の基本3
  授業設計の最初に行う最重要の目標設定。
  これを3要素に基づいて設定することで明確化することを行います。
【第9回】
 インストラクショナルデザインの基本の基本4
  授業内容とは別の側面である「やる気」や「学習意欲」の問題。
  これを解決するための動機づけ設計。その代表的な「ARCSモデル」を使って実際にこれまでどの程度考えていたかをチェックします。
【第10回】
 インストラクショナルデザインの基本の基本5
 ここまで学んできたことを整理し、共有することで確認します。
【第11回】
 指導案のチェック
 ここまでに学んできたことを踏まえて、指導案をチェックします。
【第12回】
 指導案の見直し
 前回の指導案チェックを踏まえて、見直しを実施します。
【第13回】
 指導案の相互チェック
 他者(グループを予定)と見直し状況について相互にチェックします。
【第14回】
 改善点の報告
 改善点や気づいたことなどを報告(発表)し共有することで、自分の理解を深め、また他者からの新しい発見(気づき)を行います。
【第15回】
 まとめ