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授業の概要(ねらい) |
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日本における書道文化・文字文化を理解することで、関連する学術分野(国文学や歴史学、美術史学など)を視野に入れた、多様な研究の方法論について理解し、実践できる能力を身に付けることを目的とする。日本文化としての書は、さまざまな視点からアプローチすることが可能である。各研究領域へとつながる可能性を持つ、日本の書道文化・文字文化について理解を深め、より深い検討や批判が可能となる。 春期に開講した「日本文化研究(書論・鑑賞)I」の授業内容を踏まえ、近代以前に毛筆で記録された古典籍や古文書を実際に解読する基礎知識を学び、独力で文献資料を解読できる技能の習得を目指す。資料内容の解読を通して、日本における書文化の奥深さと広がりについて学習し、広い視野から日本文化を考えられる能力を修得することを目標に講義を行う。
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授業の到達目標 |
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・授業で取り上げた崩し字、変体仮名が正しく読める。 ・授業で取り上げた文献資料と実物の書跡資料との関係性を説明できる。
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成績評価の方法および基準 |
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・レポートの提出(4割)と、授業時間内の小テストおよび、授業への積極的な参加状況等を合計した平常点(6割)で評価する。
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教科書・参考書 |
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参考書:福井淳哉『和様の美 かな古筆名跡便覧』(淡交社) 参考書:波多野幸彦監修『くずし字辞典』(思文閣出版)
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準備学修の内容 |
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博物館、美術館などの常設展や特別展を利用して、実物鑑賞の機会を多く持つように心がける。また、参考文献と配布プリントを活用して、毎時間の予習・復習を行う。
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その他履修上の注意事項 |
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・第1回目の授業の冒頭で、本科目の到達目標やレポート課題、成績判定方法について説明を実施する。履修希望者は例外なく必ず出席し、履修希望票(第1回目の授業時間内に配布)を提出すること。 ・レポートは、美術館・博物館の見学が必須となる。授業内容に関連する書の作例を実際に見学し、書写年代や筆者、書風の特徴などを自分で調べ、レポートにまとめる。 ・春期開講の「日本文化研究(書論・鑑賞)I」を履修していることが望ましいが、たとえ未履修者であっても予習と復習で授業内容を理解できる授業計画となっている。
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各回の授業内容 |
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【第1回】 | 授業の目的と内容、授業の進め方、評価方法について | 【第2回】 | 『本朝能書伝』について | 【第3回】 | 『本朝能書伝』・聖武天皇(即位までの事績) | 【第4回】 | 『本朝能書伝』・聖武天皇(書に関連する事績) | 【第5回】 | 『本朝能書伝』・聖武天皇(自筆資料と伝承作品の比較) | 【第6回】 | 『本朝能書伝』・光明皇后(立后までの事績) | 【第7回】 | 『本朝能書伝』・光明皇后(書に関連する事績) | 【第8回】 | 『本朝能書伝』・光明皇后(自筆資料と伝承作品の比較) | 【第9回】 | 『本朝能書伝』・魚養(出自と伝説) | 【第10回】 | 『本朝能書伝』・魚養(書に関連する事績) | 【第11回】 | 『本朝能書伝』・魚養(自筆資料と伝承作品の比較) | 【第12回】 | 『本朝能書伝』・中将姫(出自と伝説) | 【第13回】 | 『本朝能書伝』・中将姫(書に関連する事績) | 【第14回】 | 『本朝能書伝』・中将姫(自筆資料と伝承作品の比較) | 【第15回】 | 日本の書論・書の評価と近世における価値観 |
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