1. |
授業の概要(ねらい) |
|
博物館は、多種多様な資料を収集・保管している。そこに収蔵される「もの」資料自体が情報をもち、そこから派生する二次資料もまた多彩な情報を内包していることから、博物館は多種多様な情報をもつ社会教育施設であるといえる。博物館における情報の提供は、近代的な博物館設立当初からの主要な目的の一つでもあったが、デジタル技術やインターネットなど情報伝達手段の急速な発展にともない、その方法も常に進化、多様化している。 また、近年の市民による生涯学習意欲の向上もあり、博物館資料に関する情報提供の意義はますます重要性を増している。 本講義では、博物館が有する情報の内容を学習するとともに、その管理・活用を適正に行うため、以下の内容について学ぶ。 ・情報の概念と情報教育 ・情報の記録化と実践 ・情報発信機関としての博物館のあり方 ・博物館活動と知的財産権
|
2. |
授業の到達目標 |
|
学芸員として、博物館が保有する情報をいかに適正に管理しながら発信していくのか、博物館が置かれた現状を学習するとともに、インタラクティブな情報社会において、どのような方法を用いて情報を社会に還元することが有効なのかを理解し、博物館情報の意義と提供・活用方法を学ぶことに主眼に置く。
|
3. |
成績評価の方法および基準 |
|
授業中のレポート、期末試験ないしレポート、出席状況を総合して評価する。
|
4. |
教科書・参考書 |
|
テキストは使用せず、講義毎にレジュメを配布する。 講義内容に関する参考文献はその都度示す。 受講にあたり、参考文献として下記の書籍を挙げておく。 加藤有次ほか 1999『博物館情報論』新版博物館学講座11 雄山閣出版 大堀 哲ほか 2012『博物館学Ⅲ 博物館情報・メディア論*博物館経営論』 学文社 日本教育メディア学会 2013『博物館情報・メディア論』 ぎょうせい
|
5. |
準備学修の内容 |
|
自ら多くの博物館を積極的に見学し、情報機器の活用事例、情報をどのように扱っているかを体験すること。また、インターネット検索などにより、博物館がどのような情報をどのように発信しているのかを調べておくこと。
|
6. |
その他履修上の注意事項 |
|
科目の性格上、内容が多岐にわたるため、本講義をイントロダクションとして自ら学ぶ態度を養うことを望む。博物館が有する情報の整理・保管・活用は、博物館および学芸員にとってますます重要な業務となっている。学芸員として業務に従事するためには必要な課目であり、意識をもって授業に臨んで欲しい。
|
7. |
各回の授業内容 |
|
【第1回】 | オリエンテーション | 【第2回】 | 情報とメディア | 【第3回】 | ICT社会と博物館 | 【第4回】 | 情報教育と情報倫理 | 【第5回】 | ドキュメンテーションとアーカイブ | 【第6回】 | デジタルアーカイブの論理 | 【第7回】 | デジタルアーカイブの技術 | 【第8回】 | デジタルアーカイブの実例(1) | 【第9回】 | デジタルアーカイブの実例(2) | 【第10回】 | 情報機器の活用 | 【第11回】 | デジタルミュージアム | 【第12回】 | 情報発信とインターネットの活用(1) | 【第13回】 | 情報発信とインターネットの活用(2) | 【第14回】 | 博物館活動と知的財産権 | 【第15回】 | 博物館情報・メディア論の展望 |
|