Web Syllabus(講義概要)

平成30年度

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科目ナンバリング:ECP-313
医療経済学 I 福田 直人
選択  2単位
【経済】 18-1-1120-4962-034

1. 授業の概要(ねらい)

 医療はほぼすべての先進諸国において、何らかの形で公的に保障されています。それは何故でしょうか。本講義では、先ず医療制度に関する基礎的な知識を学んだ上で、医療サービスに関する経済学的な論点を学びます。
 医療はすべての市民にとって、時には命すら左右する極めて重要なサービスです。それにも関わらず、その仕組みを学ぶ機会はそれほど多くはありません。現在、日本の医療は大きな転換期にあります。10~20年後の制度が現在とは大きく変わっている可能性がありますが、そうした情報共有も十分に行われているとは言い難い状況です。
 こうした認識は経済学的な観点から医療と市場の関係を学ぶことによって、より深く問題を掘り下げることが可能です。加えて、現場で働いている医療に携わる人々の視点も看過してはいけません。
 医療と市場の関係(具体的な例を一つ挙げれば、社会保険と民間保険の関係等)を学びつつ、みなさんを取り巻く医療の現状と将来について、共に理解を深めていきたいと思います。

2.
授業の到達目標

 ①医療が何故、公的な保障の対象となりうるかを理解する。
 ②日本の医療に関する論点、課題を、歴史的経緯や他国との比較を踏まえて理解する。
 ③生活に密接する医療に関する情報に対し、リテラシーを身に着ける。つまり、情報が洪水のように溢れる社会において、何が自分や社会にとって価値のある情報なのか、加えてその情報の妥当性を判断できるようになる。

3.
成績評価の方法および基準

 リアクション・ペーパー 20%
 期末試験        80%
 *本基準は小テストを行わなかった場合の「予定」である。
  ①小テストは出席率によって予告せず「抜き打ち」で行う可能性がある。
   その場合は成績評価に大きく影響するので注意すること。
  (上記の評価基準は、あくまで「予定」であることに留意されたい。)
  ②講義の3分の1を欠席した場合、単位認定の対象とならないので注意すること。
  ③欠席理由の「事後申告」は基本的には認めない。部活動等、やむを得ない理由がある場合は事前に必ず申告すること。
  ④他の学生の受講を妨げる行為を行ったものは単位認定の対象とならない。
   私語を含め講義の妨害行為は「厳禁」とする。

4.
教科書・参考書

 毎回レジュメ(講義資料)が配布される。
 事後配布は行わないので注意すること。
 本講義において教科書の指定はないが、授業内容に関連する参考書として以下のものを挙げておく。
  ①池上直己・J.C.キャンベル(1999)『日本の医療 統制とバランス感覚』中公新書
  ②OECD,Health at a Glance,OECD Indicators.
   =邦訳は『図表で見る世界の保健医療』明石書店(各年版)
  *ご興味があれば購入してもよいが、必須ではない。
  *要望によっては、映像資料等を使用する場合がある。

5.
準備学修の内容

 医療制度について、自分の興味のある論点を深く掘り下げることをお勧めします。日本の医療制度は現在転換期にあり、新聞を読むだけでもある程度の時事的な情報を得ることができます。ご興味があれば日本に限らず、諸外国の医療制度について調べていただいても構いません。テスト前はレジュメ(講義資料)を見直し、講義の内容を踏まえた上で自分の意見を一つでも述べられるように準備することを推奨致します。講義の内容が踏まえられていなければ、単位認定の対象にならないことに十分留意してください。

6.
その他履修上の注意事項

 ①講義内において、他の学生の受講の妨げとなる行為が認められた時点で不合格とする。特に私語は本講義では「厳禁」とする。
 ②履修している学生に対して事前に説明、もしくは希望を聞いた上で授業スケジュール及び内容が変更される可能性がある。
 ③授業スケジュールはあくまで「計画」なので、毎回の講義に出席しないと講義の内容を把握することはできない。講義内容は要望があれば適宜変更する。レジュメ(講義内資料)の丸暗記のみでは単位の取得は難しいと考えること。
 ④毎回の講義で配布される講義資料の事後配布は、基本的に行わない。
 ⑤講義の3分の1を欠席した場合、単位認定の対象とならないので注意すること。
 ⑥欠席理由の「事後申告」は原則的に認めない。部活動等、やむを得ない理由がある場合は事前に必ず申告すること。
 ⑦期末試験は「持ち込み不可」で実施する。

7.
各回の授業内容
【第1回】
 イントロダクション 医療経済学について(導入)
【第2回】
 「市場」と「医療」 -医療は市場において何故特殊な扱いを受けるのか-
【第3回】
 ①日本における医療制度の基礎知識 -国民皆保険について-
【第4回】
 ②日本における医療制度の基礎知識 -分立構造とその成立経緯について-
【第5回】
 ③日本における医療制度の基礎知識 -窓口負担と診療報酬-
【第6回】
 ①日本の医療制度における論点
【第7回】
 ②日本の医療制度における論点
【第8回】
 ①諸外国の医療制度 -税による医療保障-
【第9回】
 ②諸外国の医療制度 -社会保険による医療保障-
【第10回】
 ③諸外国の医療制度 -民間保険を中心とした医療保障-
【第11回】
 ①医療の経済学的論点
【第12回】
 ②医療の経済学的論点
【第13回】
 ③医療の経済学的論点
【第14回】
 医療経済学Ⅰの総復習
【第15回】
 まとめ・試験
 ※各回の講義の内容は変更される場合がある。