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授業の概要(ねらい) |
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よく耳にするサブカルチャーとは何でしょうか。それは、アニメやマンガ、ゲーム、ライトノベル、アイドル、テレビドラマ、音楽、ファッションなど、皆さん方が普段の日常生活で身近に感じるものたちのことを指しています。 一方で、サブカルチャーという言葉は、それが使われる国や地域、集団、時代に応じて指し示す意味内容が違ってくる、多義的な概念でもあります。特定の階級が担い手となる文化であったり、若者が大人に抗う文化であったり、消費行動と親和性の高い文化であったり、熱狂的な愛好家によって構成される文化であったりと様々です。一つ共通しているのは、それは、何らかの本流、主流、正統とみなされている文化とは異なって、メインではないもの=サブであることです。 ただし、日本においては、‘サブカル’という言葉の浸透とともに、もともとメインではないものであったはずのサブカルチャーが多くの人たちが享受するメジャーなものと見なされはじめています。同時に、広く国内外の人びとの心を魅了するという意味で大きなインパクトを持っていることから、今では、国家ブランド力の向上や地域活性化のために戦略的に活用しようという政策にまで結びつくようになっています。 本講義では、こうしたサブカルチャーの多義性について理解してもらうために、いくつかの視座からサブカルチャーをみつめます。そして、現代社会においてサブカルチャーとは何か、どんな役割や機能があるのかを再考していくとともに、社会的に意味あるものとして分析・考察する視点を育んでいくことを目指します。
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授業の到達目標 |
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サブカルチャーの多義性について理解する サブカルチャーの役割や機能について説明できるようになる サブカルチャーを分析・考察する視点を育む
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成績評価の方法および基準 |
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平常点30%:各回の授業で当該回に関連した小レポート課題を与え授業時間内で回答してもらいます。その回答をもってサブカルチャーについて理解度を深められているかを評価します。また、回によってはグループワークを実施し、積極的な授業への参加度もはかります。 小テスト30%:前半の授業を受けてサブカルチャーの多義性について理解できているか、その役割や機能を説明できるようになっているかどうかを評価します。小まとめの回に実施する予定です。 総合試験40%:授業の総まとめとして授業全体を踏まえた論述試験を実施し、サブカルチャーを分析・考察する独自の視点を持てているかどうかをはかります。
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教科書・参考書 |
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参考書 田島悠来(2017)『「アイドル」のメディア史:「明星」とヤングの70年代』森話社 各回に関連した資料を配布します。
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準備学修の内容 |
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日常にあふれるサブカルチャーに興味を持ち接すること。帝京大学図書館(MELIC)を積極的に活用すること。
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その他履修上の注意事項 |
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講義中、他の学生の学習する権利を侵害する行為、または受講態度に甚だしい問題があると判断した場合は退出を命じることがあるので注意すること。受講生の理解度、人数を考慮して授業内容、スケジュールを変更する場合がある。その場合は予め授業内で連絡する。
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各回の授業内容 |
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【第1回】 | ガイダンス サブカルチャーを学ぶうえでの心がまえ | 【第2回】 | サブカルチャーとは何か サブカルチャーの見取り図 | 【第3回】 | 対抗文化としてのサブカルチャー | 【第4回】 | 若者文化としてのサブカルチャー | 【第5回】 | 消費文化としてのサブカルチャー | 【第6回】 | ファン文化としてのサブカルチャー | 【第7回】 | 小まとめ | 【第8回】 | アイドル史からみる日本のサブカルチャー① スターからアイドルへ | 【第9回】 | サブカルチャーがつくる社会関係資本 | 【第10回】 | サブカルチャーからサブカルへ | 【第11回】 | サブカルチャーを活用した観光、地域振興 | 【第12回】 | 地域文化としてのサブカルチャー | 【第13回】 | サブカルチャーに関する政策 | 【第14回】 | アイドル史からみる日本のサブカルチャー② 越境・多層化するアイドル | 【第15回】 | 総まとめ |
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