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授業の概要(ねらい) |
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私たちが生きる社会は、人と人との、人とモノとの、モノとモノとの相互作用のもとに成り立っています。特に現代社会では、コミュニケーション力が問われたり、文脈や状況を読む(空気を読む)ことが求められたり、人と人との関係性を良好に保つことが過剰とも言えるほど意識されます。よくわかりあうことがコミュニケーションが「うまくいく」ことであり、相互に理解しあうための対話がなされるべきだと考える傾向にあります。しかし、よくわかりあうことだけが本当によいコミュニケーションなのでしょうか。そもそもよくわかりあうことなどできるのでしょうか。必要なのでしょうか。よくわかりあおうとすることにとらわれすぎて、コミュニケーションが窮屈なものになっていることもあるのではないでしょうか。 本授業では、人と人とのコミュニケーションに焦点を当て、コミュニケーションに関する様々な考え方の枠組み(理論)や、映像資料をまじえながら具体的なトピックをいくつか挙げるなかで、現在の日常生活において一般化されたり絶対視されてきたこうした「よいコミュニケーション」を問い直すこと、批判的な視点でみつめることを目指します。
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2. |
授業の到達目標 |
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コミュニケーションに関する考え方の枠組みを理解する 現在のコミュニケーションのあり方を相対化し、批判的に捉える能力を涵養する
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3. |
成績評価の方法および基準 |
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平常点50%:各回の授業で当該回に関連した小レポート課題を与え授業時間内で回答してもらいます。その回答をもって授業の理解度と積極的な参加度をはかります。コミュニケーションに関する考え方の枠組みを理解できているかを評価します。 課題発表50%:授業の総まとめとして授業全体を踏まえた課題を発表する時間を設け、現在のコミュニケーションのあり方を相対化し、批判的に捉える能力を養えているかどうかをはかります。
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4. |
教科書・参考書 |
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参考書 長谷正人・奥村隆編(2009)『コミュニケーションの社会学』有斐閣 西村大志・松浦雄介編(2016)『映画は社会学する』法律文化社 各回に関連した資料を配布します。
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5. |
準備学修の内容 |
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日々のコミュニケーションの「あたりまえ」を批判的に捉える習慣を持つこと。帝京大学図書館(MELIC)を積極的に活用すること。
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その他履修上の注意事項 |
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講義中、他の学生の学習する権利を侵害する行為、または受講態度に甚だしい問題があると判断した場合は退出を命じることがあるので注意すること。初回に詳しく説明する。受講生の理解度、人数を考慮して授業内容、スケジュールを変更する場合がある。その場合は予め授業内で連絡する。
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7. |
各回の授業内容 |
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【第1回】 | 良いコミュニケーションとは何か | 【第2回】 | コミュニケーションの社会学 | 【第3回】 | 対話、権力 | 【第4回】 | メディア | 【第5回】 | 演技 | 【第6回】 | ジェンダー | 【第7回】 | 親密性 | 【第8回】 | 教育、労働 | 【第9回】 | 観光、地域振興 | 【第10回】 | アイデンティティ | 【第11回】 | 他者 | 【第12回】 | 多元的現実 | 【第13回】 | 課題発表① | 【第14回】 | 課題発表② | 【第15回】 | 総まとめ |
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