Web Syllabus(講義概要)

平成30年度

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科目ナンバリング:CLI-303
臨床アセスメント法 II 稲垣 綾子
選択  2単位
【心理学科】 18-1-1360-4952-017

1. 授業の概要(ねらい)

 心理臨床の実践では、①クライエントが抱える、あるいはもちこむ問題やニーズを見立て(アセスメント)、②それに基づいた具体的なアプローチや介入につなぐことが求められる。臨床アセスメントは主に①にかかわるものだが、②での具体的なアプローチや介入を方向づける下地や導入部分にあたり、その後の援助の道筋に少なからず影響を及ぼしていく。また、援助経過中も参与しながらの観察を通してその機能は発揮される。臨床アセスメントは心理援助において欠かせない、大きな柱のひとつである。
 臨床アセスメントⅡでは、前期のⅠで身につけた基本的な視点、姿勢、知識を土台に、各種心理テストの概要、観察のしかたなど、より実践的なアセスメント方法を学んでいく。Ⅰに引き続き、心理テストなどの初歩的技能を体験的に学ぶため、ワークやロールプレイなどのアクティビティへの参加、内的体験を省み、言葉で表現するためのリアクションペーパーの提出が求められる。終盤は、Ⅰ・Ⅱで学んだことを生かし、架空事例についてケース会議をグループで行い、レポートを作成する。全人的に(whole personとして)アセスメントする基本的な視点、姿勢を身につける。

2.
授業の到達目標

 1)臨床アセスメントの具体的な方法論にかんする基本知識、体験的な理解を深める
 2)当事者やクライエントを複眼的、総合的に理解し、言葉でまとめていく力を身につける
 3)自らを含む人のこころを理解するための態度・志向性を身につける

3.
成績評価の方法および基準

 レポート60%、リアクションペーパー40%

4.
教科書・参考書

 テキストは使用しない。
 参考書:近藤直司著『アセスメント技術を高めるハンドブック』、熊倉伸宏著『面接法』、他

5.
準備学修の内容

 LMSにてレジュメ,資料を印刷して事前に目を通してから、授業に臨むこと

6.
その他履修上の注意事項

 授業内で行われる心理テストやワーク、ロールプレイでは、自分や周囲の事柄をテーマにする。当事者やクライエントを理解する上では、自分自身の特性,課題について客観的に理解する視点は欠かせない。受講の際は、この点を了承ください。
 また、この講義は前期に行われる臨床アセスメントⅠの実習編となる。この講義を履修予定の場合には、臨床アセスメントⅠを受講すること。

7.
各回の授業内容
【第1回】
 講義ガイダンス・スケジュールと評価方法
【第2回】
 臨床アセスメントⅠの復習:生物―心理―社会モデルの複眼的・総合的視点
【第3回】
 心理テスト概論
【第4回】
 知能・神経心理学的アセスメント1
【第5回】
 知能・神経心理学的アセスメント2
【第6回】
 パーソナリティのアセスメント1
【第7回】
 パーソナリティのアセスメント2
【第8回】
 状態・症状のアセスメント
【第9回】
 家族・関係性のアセスメント1
【第10回】
 家族・関係性のアセスメント2
【第11回】
 生活環境・社会資源のアセスメント、他
【第12回】
 参与しながらの観察:非言語面のコミュニケーション・転移/逆転移
【第13回】
 グループワーク:ケース会議とレポート作成1
【第14回】
 グループワーク:ケース会議とレポート作成2
【第15回】
 まとめ