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授業の概要(ねらい) |
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我々の社会には,心理学のコトバが溢れている。学校では「学び」や「理解」を求められ,足し算から四則演算,九九,鶴亀算と,徐々に難しくなっていく「発達段階」に合わせられたカリキュラムを受ける。喧嘩をすると,先生たちはお友達の「気持ち」を「考える」ことの重要性を説く。「思春期」を迎えると,私たちは「恋」に落ち,その「思い」を伝えるか伝えないかに頭を「悩ま」せる。就職活動では,会社は私たちがどのような「スキル」を持っているのか,仕事にどのような「モチベーション」を持っているのかを問う。そして大学でも社会でも,あるいは家庭でも,私たちは「空気を読む」ことを求められる。このように我々の生活は,心理学のコトバなしではもはや成り立たない。社会が「心理学化」されていると言ってもよいだろう。 この授業では,心理学の基礎知識だけでなく,我々の日常生活のなかにあふれる様々な事象から,心理学と我々の関係について考える。具体的には,近年様々な企業研修などで取り入れられている「インプロ(即興劇)」の体験によって「創造性」について考えること,実験によって「記憶」について考えること,コスプレや暴走族などのサブカルチャーを題材に「学習」について考えること,ヘビーメタルの楽曲を題材に音楽の「知覚」について考えることに取り組む。
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2. |
授業の到達目標 |
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①学生は,精神と人工物,社会,文化とのかかわりについて,授業の内容を踏まえながら説明することができる。 ②学生は,自らの日常生活と心理学との関係について説明することができる。
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成績評価の方法および基準 |
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中間レポート 40% 期末テスト 50% グループワークやプレゼンテーションへの取組 10%
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教科書・参考書 |
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授業内で適宜提示する。
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5. |
準備学修の内容 |
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準備学習については,適宜授業内で指示を行う。
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6. |
その他履修上の注意事項 |
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本授業では毎回,「インプロ」と呼ばれるグループワークに取り組む。また回によっては,グループによる討論やプレゼンテーションに取り組むことがある。これらの活動への取組の様子は成績にも反映するので,積極的に参加すること。
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各回の授業内容 |
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【第1回】 | オリエンテーション | 【第2回】 | 記憶① 記憶と人工物 | 【第3回】 | 記憶② フラッシュバルブ記憶 | 【第4回】 | 学習① 学習の転移 | 【第5回】 | 学習② コスプレイヤーの学習 | 【第6回】 | 学習③ 暴走族の学習 | 【第7回】 | 学習④ 状況的学習論とは | 【第8回】 | 知覚・認知① ヘビーメタルを聞き分ける | 【第9回】 | 知覚・認知② アフォーダンスとは | 【第10回】 | 知覚・認知③ 「デザイン」を見つける | 【第11回】 | 知覚・認知④ 「デザイン」発見発表会 | 【第12回】 | 創造性① 写真で語る私の人生 | 【第13回】 | 創造性② 皆で演じる〇〇の人生 | 【第14回】 | 創造性③ インプロと「発達の最近接領域」 | 【第15回】 | 総括 |
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