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授業の概要(ねらい) |
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本授業のテーマは「社会と文化の心理学」である。 我々はみな,社会的制度や文化的な慣習,家族や友人あるいはインターネットを介してつながるコミュニティ,そこでの価値観が複雑に絡まり合う中で生きている。例えばギターアンプから放たれる轟音に拳を突き上げ,SNS上での交流や雑誌などからロックスターの機材やファッションを丹念に調べ上げることに青春を捧げる少年・少女の熱意は,本人の意思や欲求だけで説明しつくせるものではない。彼らにとって音楽を聴くことが,憧れのミュージシャンと同じ指輪を探し求めることや,ある日突然SNSで知るバンドの解散宣言,そして解散ライブの終演後に皆で流す涙と切り離せないように,我々の行為は社会的・文化的なアレンジメントと不可分に成立している。 このような,時には社会から影響を受け,時には新たな文化を創造する,ダイナミックなプロセスのなかにヒトの精神の本質を見出す理論群は現在,文化心理学,あるいは社会・文化的アプローチと呼ばれる研究コミュニティを形成している。本授業では,文化心理学の方法論や過去の研究を概説しながら,特にインタビュー調査によってヒトの社会・文化性を記述するための方法論を学ぶ。
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2. |
授業の到達目標 |
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①学生は,インタビューの技法について,体験を通じて学ぶ。 ②学生は,「なにを調べたいのか」「何のために調べたいのか」「そのために必要なことは何か」について,具体的に説明できる。 ③学生は,必要な論点と調査結果をまとめ,発表することができる。
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成績評価の方法および基準 |
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中間レポート 40% プレゼンテーション 40% グループワークへの貢献度のピア評価 20%
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教科書・参考書 |
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木下康仁『グラウンデッド・セオリー・アプローチの実践-質的研究への誘い』弘文堂
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準備学修の内容 |
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本授業では,調査結果の分析に時間を要するため,授業外でのグループでの作業が生じる。グループ活動への貢献度はピア評価によって成績にも反映するため,積極的に参加すること。
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6. |
その他履修上の注意事項 |
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グループ活動への貢献度はピア評価によって成績にも反映するため,積極的に参加すること。
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各回の授業内容 |
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【第1回】 | オリエンテーション:自己紹介,授業目的,授業方法,成績評価,受講者決定 | 【第2回】 | 文化心理学とは何か | 【第3回】 | 文化心理学における研究事例の紹介 | 【第4回】 | インタビューによる研究事例の紹介 | 【第5回】 | 個人課題 インタビュー実践 計画 | 【第6回】 | 個人課題の振り返り インタビューの分析方法 | 【第7回】 | 個人課題 発表 | 【第8回】 | グループ課題 グループとテーマの決定 | 【第9回】 | 学内調査実習のための準備 研究設問の検討 | 【第10回】 | 学内調査実習① | 【第11回】 | 学内調査実習② | 【第12回】 | 分析・発表準備① | 【第13回】 | 分析・発表準備② | 【第14回】 | グループ発表① | 【第15回】 | グループ発表② 後期の予告 |
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