1. |
授業の概要(ねらい) |
|
多くのデータが日々生み出されている現代において、統計学は、その重要性・有用性が認識され、多くの分野で利用されるようになっています。それは、人文・社会科学の分野も例外ではありませんし、実務でも企業や国・地方公共団体において様々な業務に応用されています。その理由は、統計学が、データの整理・分析を行ってデータに潜む意味ある情報を引き出し、その結果に基づいて判断を行うための、有力な手段を提供しているからです。 この講義では、データを分かりやすい形にまとめてデータが表すものを読み取ったり、データから様々な推測を行ったりするための、基本的な方法を学習します。統計学において数学は重要な土台の一つですが、データの整理や分析を進める上で大事なのは統計的な考え方です。この講義でも、数学的なことよりは、各種の方法の考え方、結果の意味や利用上の注意点を理解することに重点を置いて進めていきます。
|
2. |
授業の到達目標 |
|
①データから因果関係を考えるさいの統計的方法を学ぶ。 ②回帰分析を含む多変量解析など、統計学の主要な方法についての考え方を修得する。 ③統計データの数値から推測できることを学ぶとともに、その誤解や誤用の可能性についても理解する。
|
3. |
成績評価の方法および基準 |
|
授業で何回か提出してもらう確認問題の解答状況が40%、試験が60%の割合で評価します。
|
4. |
教科書・参考書 |
|
教科書として、以下の本を使います。 ・盛山和夫『統計学入門』(ちくま学芸文庫) 秋期には、教科書の9章から15章の部分までを使います。
|
5. |
準備学修の内容 |
|
教科書の指定された部分を読んでおくなど、予習を行って授業に臨むようにしてください。また、授業で学んだ箇所の復習も行っておいてください。
|
6. |
その他履修上の注意事項 |
|
前の回の授業内容を理解していないと次の回の授業が分からなくなることがありますので、確実に出席するようにしてください。また、平方根を求めることのできる電卓も、毎回、必ず持参するようにして下さい。
|
7. |
各回の授業内容 |
|
【第1回】 | 授業の進め方、クロス表の読み方 | 【第2回】 | クロス表の検定と「関連がない」ことの意味 | 【第3回】 | 相関係数の計算と検定 | 【第4回】 | 単回帰分析 | 【第5回】 | 重回帰分析 | 【第6回】 | 回帰分析の検定 | 【第7回】 | 様々な多変量解析、モデルと対象世界 | 【第8回】 | 多変量解析の具体例 | 【第9回】 | 離婚のデータ | 【第10回】 | 平均寿命 | 【第11回】 | 生存時間分析の方法 | 【第12回】 | 量的変数の因果関係を考える | 【第13回】 | 質的変数の因果関係を考える | 【第14回】 | 統計のウソにだまされない | 【第15回】 | 秋期のまとめと試験 |
|