Web Syllabus(講義概要)

平成30年度

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科目ナンバリング:SEM-304
ECCP(論理的思考) IV 池村 俊郎
選択  2単位
【経営】 18-1-1120-3394-012A

1. 授業の概要(ねらい)

 ECCPの必修科目A(論理的思考)Ⅲの継続として行います。実社会で求められる論理的思考力をつけることを目指します。人に読ませられる小論作成を通じ、その力を養成します。学生諸君がこれまで国語として読み書きできて当たり前と考えてきた「日本語」を、英語など外国語と同じようなものとしてとらえ直し、社会におけるコミュニケーションの道具として学び直してもらいます。「日本語」を母国語としてしかとらえていなかった過去から離れ、客観的な視点をもって再学習します。ただし、クラスは作文教室ではないことを明確に理解しておいてください。基本的な作文能力は前提条件です。
 春季に引き続き現代日本が直面する経済・政治・社会・外交など諸問題を材料として知識を増やし、小論にまとめます。英語学習をした時と同じ気持ちで日本語に取り組んでもらいます。
 上記の目標を達成するために、日経、朝日、読売など全国紙の社説を基本モデルとして活用します。各社説の主張を学ぶためでもなければ、その賛否を議論するためでもありません。ある社会事象を説明し、あるいは小論文にまとめると、日本語の組み立てがどうなっているか、的確に情報を文章に込めるコツとは何か、を習得する素材として利用します。また、長い記事を読んで内容を理解し、レジュメを作成します。現代事象に関する知識を深めることは、きちんとした議論や小論作成に不可欠です。
 自分の論理思考のあとをたどるには書くことが一番の道。そこから自己点検と進歩への第一歩が始まる。「おしゃべり」で養成はできません。

2.
授業の到達目標

 論理的思考力の基本は数学です。ただし、私たちが直面する日常の諸問題を数学の問題を解くように理解したり、解決したりできるわけがありません。そこが論理思考の難しい点なのです。それでもできるだけ情報を整理し、自分の考え方を他人に理解してもらう技術を磨く必要があります。それがこのクラスでいう論理思考力です。そのために、テーマについて一定のスペースで簡潔にまとめていく練習をたくさん重ねる必要があります。関連する分野の知識を確かなものとし、きちんと駆使して自分の意見や小論に反映できるようになることを目指します。的確に日本語を使えるようになることが何よりも必要です。また、そうした訓練は社会人になってからも継続を求められるものです。

3.
成績評価の方法および基準

 春季に準じます。途中で数回行う小論作成、レジュメ作成、意見発表(以上50%)、最終小論文(50%)で総合評価します。

4.
教科書・参考書

 全国紙(日経、朝日、読売が主)社説や長文記事コピーを用意する。そのほか、時事的問題点の長文解説記事のコピーなど適宜使用します。DVD映像記録なども資料として見て討論します。

5.
準備学修の内容

 自分の発言や小論を良いものにするには調査と確認作業が不可欠です。学生諸君は常に知識量をあらゆる分野で増やすことが大切です。不確かな知識をもとに議論したり、持論を展開するのはもっとも評価されません。インターネットの活用はもちろん、図書資料活用を奨励します。

6.
その他履修上の注意事項

 春季で行う指示された社説を分析し、内容を手書きでうつす作業を随時継続します。手書き用の専用ノートを引き続き用意すること。国語辞書あるいは電子辞書も必携です。講義中でも不明なことばを辞書でどしどし調べてください。また、教室へ来ないと、訓練のプロセスに参加しないことになるので、出席して訓練に参加することが自分のためになると思って臨んでください。逆に過去、出席と訓練をこなしさえすれば、良い評価を得られると勘違いした学生が少なくありませんでした。自分に何が身につくか、それが一番大切なポイントです。
 テレビニュースや新聞等で社会で問題となったり、話題となったりしていることに目を向けること。関連したことを調べること。日頃の努力を怠らないように。

7.
各回の授業内容
【第1回】
 講義ガイダンス、春季講義の総評を行い、もう一度クラス目標を確認する。
【第2回】
 東京オリンピック1964年開会式を見る(DVD)64年五輪を見た有識者の感想をどう読むか。(2017年度の例)
【第3回】
 マランソンランナーはなぜ自死したか。64年五輪を背負った国の名誉、個人の栄誉
 資料検討 討論(同)
【第4回】
 1944年神宮外苑競技場から出陣した学徒兵たち(DVD)戦争と若者、五輪を考える。討論(同)
【第5回】
 小論作成課題「五輪が国にもつ意味」(同)
【第6回】
 象牙の国際規制と印鑑文化の行方。国際社会の流れと国の伝統文化の対立
 主張レジュメ作成(同)
【第7回】
 英社会学者の意見「ラーメンが教える日中間の深い歴史的関係」レジュメ作成(同)
【第8回】
 英コラムニスト論評「地球温暖化防止策 パリ協定の悲観論」レジュメ作成 討論(同)
【第9回】
 文化とビジネス 伝統はどうビジネスとなるのか 論説を議論(同)
【第10回】
 TVレクチャー「エマニュエル・トッドとグローバリゼーションを考える」討論(同)
【第11回】
 大震災と津波・大川小学校事件を考えるTVドキュメント 何が問題だったのか。(同)
【第12回】
 日本の愛国を考える。愛国は民主主義と相反するのか。討論と論評レジュメ(同)
【第13回】
 討論①(昨年)
【第14回】
 討論②(同)
【第15回】
 まとめと最終小論テスト実施。