Web Syllabus(講義概要)

平成30年度

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科目ナンバリング:SOC-203
観光文化論 I 権 赫麟
選択必修  2単位
【観光経営】 18-1-1130-4971-027A

1. 授業の概要(ねらい)

 国際観光による文化交流が一般化されている今日、観光はグローバル社会の文化的状況をもっとも顕著に反映する社会現象の一つであります。そのため、現代観光を文化の観点から考察することは、現代社会における文化の特徴を理解する上で有効な方法であるといえます。本講義では、現代文化の諸相を把握する上で学習が要求される基礎的な社会文化理論を解説し、それらの理論に基づき、多様な観光現象の事例を通して現代観光にみられる今日の文化のあり方を検討します。

2.
授業の到達目標

・現代社会における文化のあり方を把握するための理論的知識を習得すること
・事例研究を通して社会・文化現象としての観光の意義を把握すること
・「観光客」としてではなく、「研究者」の視座から観光現象を理解できること

3.
成績評価の方法および基準

 平常点20%、課題発表30%、期末試験50%を原則とします。
 授業への積極的な参加は平常点として成績に反映されます。

4.
教科書・参考書

 参考書
 ブーアスティン、D.(後藤和彦・星野郁美訳)、1964、『幻影の時代―マスコミが製造する事実』.東京創元社.
 マキァーネル、D.(安村克己他訳)、2012、『ザ・ツーリスト ―高度近代社会の構造分析』.学文社.
 ゴフマン、E.(石黒毅訳)、1974、『行為と演技――日常生活における自己呈示』.誠信書房.
 ボブズボウム、E.&レンジャー、T.編(前川啓治訳)、1992、『創られた伝統』.紀伊国屋書店.
 リップマン、W.(掛川トミ子訳)、1987、『世論上・下』.岩波文庫.
 サイード、E.(今沢紀子訳)、1986、『オリエンタリズム』.平凡社.
 山中速人、1992、『イメージの楽園―観光ハワイの文化史』.筑摩書房.

5.
準備学修の内容

 可能であれば参考書の内容を事前に把握して授業に参加することを推奨します。
 前回の講義内容は必ず復習してくる必要があります。

6.
その他履修上の注意事項

 観光文化論Iと観光文化論II両方の履修が望ましいです。
 授業中の私語及び雑談は禁止とします。

7.
各回の授業内容
【第1回】
 オリエンテーション:「学際的学問」としての観光学
【第2回】
 観光メディア論―理論編①:メディア社会の成立と「ステレオタイプ」
【第3回】
 観光メディア論―理論編②:「疑似イベント」論からみる現代観光の本質
【第4回】
 観光メディア論―事例編:メディアが作り出した「イメージの楽園」ハワイ
【第5回】
 ディスカッション・観光メディア論に関する課題発表
【第6回】
 観光と文化的真正性―理論編①:日常生活の「ドラマツルギー」とは
【第7回】
 観光と文化的真正性―理論編②:「演出された真正性」論と現代観光客
【第8回】
 観光と文化的真正性―事例編:ワオラニ族のエスニック・ツーリズム
【第9回】
 ディスカッション・観光と文化的真正性に関する課題発表
【第10回】
 文化構築主義と観光―理論編①:「想像の共同体」としての国民国家
【第11回】
 文化構築主義と観光―理論編②:「オリエンタリズム」と民族イメージの政治性
【第12回】
 文化構築主義と観光―理論編③:「創られた伝統」論からみる観光文化の意味
【第13回】
 文化構築主義と観光―事例編:ディズニー作品から読み解くオリエンタリズム
【第14回】
 ディスカッション・文化構築主義と観光に関する課題発表
【第15回】
 講義のまとめとテスト