Web Syllabus(講義概要)

平成30年度

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科目ナンバリング:ECP-103
国際経済入門 I 中西 俊裕
選択必修  2単位
【経済】 18-1-1150-4905-029A

1. 授業の概要(ねらい)

 この授業は、世界各国が抱えている経済面の問題、課題を多面的に取り上げ、理解を深めることを目的とします。世界経済は米国の金利引き上げのペース、中国の経済成長の行方など様々な要因によって左右されます。両国のほかインド、東南アジア諸国連合(ASEAN)など主立った国や地域の経済を動かすメカニズムを学ぶと同時に、経済が政治や社会の動きによってどんな影響を受けるかについても理解を深める。

2.
授業の到達目標

 各国経済の課題について理解したうえで、学んだ要素を組み合わせ、国際経済について自分なりの見通しを立ててわかりやすく説明できるようになることを目指します。

3.
成績評価の方法および基準

 平常点40%(講義への参加、議論での発言、レポート提出)、定期試験の成績60%

4.
教科書・参考書

 教科書は特に指定せずプリントを配布する。参考書は随時、授業中に紹介する。

5.
準備学修の内容

 新聞などで国際政治経済に関連する記事に目を通すよう心がけ、授業に使う材料を基に予習、復習を毎回行うこと。

6.
その他履修上の注意事項

 今後は国際経済入門Ⅱを履修することが望ましい。

7.
各回の授業内容
【第1回】
 イントロダクション(国際経済を学ぶことの意義と問題意識、授業の進め方、評価方法)
【第2回】
 【米国経済】秋の中間選挙をにらんだトランプ政権の金融、税制改革、規制緩和、エネルギーなど主要な政策について検討し、日本や中国との通商問題についても考える。
【第3回】
 【中国経済】技術革新など産業力強化へ向けた計画に加えシルクロード経済圏構想「一帯一路」について基本的な部分を理解する。
【第4回】
 【インド経済】中国に次ぐ人口規模をいかした成長路線と、経済力を軍事、外交にまで発展させ国力をアピールしようとするインドの総合戦略を専門家の論文を使い考える。
【第5回】
 【ASEAN経済(1)】東南アジアでは1980年代、日本などからの技術移転や資源価格低下を背景に製造業育成が進んだ。通貨危機を克服し経済共同体で発展を目指す現状を紹介。
【第6回】
 【ASEAN経済(2)】ASEAN各国の産業政策や企業活動について実例を示しつつ成果や課題を検証する。企業については製造業、不動産などで台頭してきたユニークな事例を紹介。
【第7回】
 【中東経済(1)】4回の中東戦争、湾岸戦争、イラク戦争を経験したアラブ諸国では2011年の民主化運動が皮肉にも混乱を生んだ。アラブ圏が抱える経済面の課題を考える。
【第8回】
 【中東経済(2)】情報技術(IT)、バイオテクノロジー分野で創造的なベンチャー企業が生まれるイスラエル、潜在性はあるが政情不安に悩むイラン、トルコの経済面の特徴を学ぶ。
【第9回】
 【欧州経済(1)】英国の欧州連合(EU)からの離脱表明に至る背景、EU発足の背景、理想と現実の間で引き起こされる矛盾について考える。
【第10回】
 【欧州経済(2)】ドイツ、フランスなどユーロ圏主要国の経済の現況を紹介するとともに今後の展望、各国の抱える課題、政治的な懸案が及ぼす影響について学ぶ。
【第11回】
 【ロシア経済】石油など資源価格によって大きく左右されるロシア経済の仕組みを紹介し、政府と企業の関係、欧米や中国などとの政治関係がもたらす影響について学ぶ。
【第12回】
 【韓国・台湾経済】北朝鮮や中国と対立要因を抱える韓国と、中国と緊張をはらみつつ技術力を軸に成長の機会を求める台湾。韓国・台湾の経済、外交を展望する。
【第13回】
 【中南米経済】豊富な資源を持ちながら安定成長が実現できない中南米諸国の経済について、発展へ向けた取り組みを点検する。
【第14回】
 【総論】政治が経済の逆風をおこす時代
【第15回】
 まとめとテスト