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授業の概要(ねらい) |
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この授業では、会社法の解説を行う予定である。だが、これまでとは授業スタイル・内容・評価方法を変更することにした。これまでの授業スタイルは、会社法の教科書を指定した法学部と同じスタイルである。この方法は、本来、経済学部生には不向きである。そもそも法学系の科目をほとんど履修していないにもかかわらず、いきなり会社法を履修しても、さっぱり意味がわからないだろう。それでも、今までに履修してくれた学生たちは議論に参加してくれたので、私は、大いに感謝している。 さて、それでは、どのような授業にするか。簡単に言うと、新書・文庫を通読するというスタイルである。前期は、以下の教科書に指定した本を読む。 会社法Ⅰでは、①コーポレートガバナンスと②コーポレートファイナンスに関する本を読む。①では、いわゆる「エージェンシー問題」について学んだ後、アメリカ型ガバナンス・日本型ガバナンス・東アジア企業のガバナンスについて学ぶ。②では、資本コスト、CAPM、WACC、DCF法、NPV等について基本的な知識を得ることとしたい。
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授業の到達目標 |
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①会社法の各分野におけるある程度応用的な知識を有し、様々な法現象やその問題点を理解することができる。 ②コーポレートガバナンスについての問題意識をもつ。 ③コーポレートファイナンスの基礎的知識を得る。
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成績評価の方法および基準 |
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レポート(100%) レポート提出要件:出席10回以上 評価基準:①参考文献が表示されていること、②テーマに沿った内容になっていること、③構成等を総合評価するが、①ができていない者は、D評価とする。
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教科書・参考書 |
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【教科書】 ①花崎正晴『コーポレート・ガバナンス』(岩波書店、2014年) ②砂川伸幸『コーポレートファイナンス入門』(日経新聞出版社、第2版、2017年)
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準備学修の内容 |
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教科書を予め読んでおくもよし、教科書に掲げられた文献を読んでより深めるもよし。 また、ニュースと教科書の記載を関連付けて考えるのもよいだろう。
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その他履修上の注意事項 |
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第1回の授業から教科書を使用する(①から読み始めるが、①でもファイナンス用語が出てくるので、②も併せて買っておくとよいかもしれない。)。なお、教科書を持っていない人を想定せずに授業を行う。
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各回の授業内容 |
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【第1回】 | 第1章 コーポレート・ガバナンスとは何か | 【第2回】 | 第2章 アメリカ型ガバナンスの特徴と限界 | 【第3回】 | 第3章 日本型ガバナンスを再検討する | 【第4回】 | 第4章 日本の銀行のガバナンス | 【第5回】 | 第5章 東アジア企業のガバナンス構造 | 【第6回】 | 第6章 コーポレート・ガバナンスの将来展望 | 【第7回】 | コーポレート・ガバナンス編 予備 | 【第8回】 | 第1章 コーポレートファイナンスへの招待 | 【第9回】 | 第2章 リスク・リターンと資本コスト | 【第10回】 | 第3章 キャッシュフローの割引現在価値 | 【第11回】 | 第4章 企業の投資決定 | 【第12回】 | 第5章 資金調達と資本構成 | 【第13回】 | 第6章 利益還元とペイアウト政策 | 【第14回】 | コーポレートファイナンス編 予備 | 【第15回】 | 前期のまとめ |
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