Web Syllabus(講義概要)

平成30年度

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科目ナンバリング:SOL-206
経済法B 徳力 徹也
選択  2単位
【法学】 18-1-1220-3867-016A

1. 授業の概要(ねらい)

 春期に引き続いて、経済法の中核である競争法(独占禁止法による事業者団体の活動規制・企業結合規制等)を考えます。また、最近の重要な課題である知的財産権の行使と独占禁止法の関係について考えます。これらを通じて競争法の基本思想・概要を理解してください。
 競争法は、市場経済システムが良い結果をもたらすことを前提としています。しかし、市場経済システムが常に良い結果をもたらすとは限りません。そこで、市場がうまく機能しないケース(市場の失敗)等に対処するための事業法規制(経済規制=参入規制・価格規制)等とその問題点を説明します(関連して政府の失敗についても説明します。)。
 また、我が国経済が国際経済の中にあることを踏まえて、国際経済法の概要を紹介します。

2.
授業の到達目標

 ①本講義は、独占禁止法・事業法について、「法律的な知識に基づき、社会で起きている法現象について、その問題点を的確に把握し、問題解決のための提言を行うことができる」ようになることを目標とします。
 ②特に、受講者が市場経済(競争)の意義を理解した上で、市場の失敗等への対処(経済規制)の必要性を理解できること(例えば、「○○との規制は、××との観点から必要とされる」と簡単な説明を行えること)を目標とします。

3.
成績評価の方法および基準

 基本的に試験結果(80%)、講義参加・課題対応状況(小テスト対応等)(20%)に基づき評価します。

4.
教科書・参考書

 参考書等については、適宜指示します。

5.
準備学修の内容

 各講義のレジメを事前配布・LMS掲載するので、当該レジメを事前に読み、問題を検討してください。
 なお、経済に係る新聞記事等を読むように努めてください(このことは、春期以上に必要とされます。)。

6.
その他履修上の注意事項

 みなさんの生活に密接に関連している市場経済の役割やその働きを補正するためのルールの必要性・問題点について関心を持ってください。
 経済に関する法律を取り上げるので、初歩的な経済学・経済理論に関連する話をします。できるだけ直感的に理解できるよう説明します。
 なお、授業中の私語は、厳禁です。

7.
各回の授業内容
【第1回】
 (春期の復習)市場経済システム(競争)のメリットは?
  競争を維持するルールとしての独占禁止法の必要性・その内容は?
【第2回】
 事業者団体って何?どのような活動をしているのか?
 独占禁止法は、どのような事業者団体の活動を・何故規制しているのか?
 最近の事業者団体規制に関する事例を検討しよう。
【第3回】
 新聞に「A社とB社の合併に関する独禁法の問題については・・・」と書いてあった。
 独占禁止法は、合併等を何故・どのように規制しているだろうか?
 最近の合併等規制事例を検討しよう。
【第4回】
 前回の続き・・・
 最近の合併等規制に関する事例を検討して理解を深めよう。。
【第5回】
 競争法に関する最近の話題性ある事例を考えよう
 (日本アマゾン事件、米国アップル事件、EUグーグル事件等)
【第6回】
 市場経済システムは、常に望ましいものだろうか?
 何故、政府は、市場経済システムでの企業活動に対する規制をするのだろうか?
 市場の失敗と経済規制の必要性を考えよう。
【第7回】
 市場の失敗と経済規制の必要性(続)
【第8回】
 所得格差是正のための経済規制の必要性を考えよう。
 規制の必要性の復習
 ・・・でも、政府だって失敗する(政府の失敗を考えよう)。
【第9回】
 経済規制の法的問題を考えよう。
 憲法(「営業の自由」)との関係・行政法との関係等に係る事例を検討しよう。
【第10回】
 経済規制の行政運用の法的問題を考えよう。
 (経済に関する違法な行政運用から、問題の所在を理解する)
【第11回】
 経済規制に関する最近の動きをみよう
 (どのような規制・その見直しがどのような理由から実施されたのか)
【第12回】
 国際経済ルールの基本を学ぶ(1):無差別原則・数量制限措置禁止とは?
【第13回】
 国際経済ルールの基本を学ぶ(2):補助金規制等
【第14回】
 国際経済ルールの基本を学ぶ(3):セーフガード措置・アンチダンピング措置等
【第15回】
 まとめと試験