Web Syllabus(講義概要)

平成30年度

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科目ナンバリング:ARS-202
アジアの社会と文化 II 三輪 博樹
選択  2単位
【日本文化】 18-1-1220-4909-032A

1. 授業の概要(ねらい)

 南アジア各国はそれぞれ、宗教や民族などの面で多様かつ複雑な社会を有しており、さらに、それぞれの国ごとに有力な宗教や民族が異なっています。その結果、南アジア各国は国内に多くの紛争を抱えており、また、国家間の対立も見られます。アジア地域の社会と文化IIでは、こうした紛争や対立の現状について理解し、その解決策について考察できるようになることを目指します。
 授業では、カシミール地方をめぐるインドとパキスタンの対立、インド北東部地域における分離主義勢力の活動、インドにおける極左武装集団の活動、スリランカの民族紛争、ネパール、ブータン、ミャンマーにおける民族問題について説明します。その上で、紛争の解決のための方法(武力による解決か、話し合いによる平和的な解決か)について考えていきたいと思います。

2.
授業の到達目標

 以下の2つを到達目標とします。(1)南アジア地域における紛争や対立の現状について理解する。(2)紛争の解決のためにはどのような方法が適切なのか、現状の分析にもとづいて自分なりの考えを持つ。

3.
成績評価の方法および基準

 授業への参加度および貢献度(不定期に行う小テストの結果も含む)(30%)と、期末試験の結果(70%)を合わせて評価します。

4.
教科書・参考書

 教科書は指定しません。各回の授業ごとに、講義内容をまとめたレジュメや関連資料などを配布します。また、さらに学習を深めたい方に向けて、参考文献を授業の中で紹介します。

5.
準備学修の内容

 第1回目の授業のときに、各回の授業内容の詳細について説明します。また、各回のレジュメや関連資料は当該回の前の週に配布しますので、事前にこれらのレジュメや資料を読み、疑問点などを明らかにしておいてください。

6.
その他履修上の注意事項

 特になし。

7.
各回の授業内容
【第1回】
 イントロダクション:授業の概要と進め方、南アジアにおける紛争や民族問題の概観
【第2回】
 カシミール問題(1):カシミール問題の発端と3回にわたる印パ戦争
【第3回】
 カシミール問題(2):インドにおける中央=州関係との関わり、テロとの戦い
【第4回】
 カシミール問題(3):インド、パキスタン、中国3カ国の思惑
【第5回】
 インド北東部地域(1):インド北東部7州の特徴、州設立の経緯
【第6回】
 インド北東部地域(2):アッサム州における反政府ゲリラの活動
【第7回】
 インド北東部地域(3):ナガランド州における独立運動
【第8回】
 インドにおける極左武装集団:マオイスト(ナクサライト)の活動、インド政府の治安対策
【第9回】
 スリランカの民族紛争(1):民族紛争の背景、政治的思惑による民族対立の激化
【第10回】
 スリランカの民族紛争(2):内戦の勃発から終結まで
【第11回】
 スリランカの民族紛争(3):内戦終結後の人権問題と外交問題、インドと中国の思惑
【第12回】
 ネパール:南部タライ地域における反政府運動、インドとの関わり
【第13回】
 ブータン:ネパール系ブータン難民問題、インド北東部地域の反政府勢力との関わり
【第14回】
 ミャンマー:少数民族ロヒンギャをめぐる問題、バングラデシュおよびインドの対応
【第15回】
 授業のまとめと試験