Web Syllabus(講義概要)

平成30年度

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科目ナンバリング:EDU-213
教育評価 滝聞 一嘉
選択  2単位
【初等教育】 18-1-1334-0329-016A

1. 授業の概要(ねらい)

 教育評価とは「テストやレポートで成績をつけること」というイメージをもつ者が多いが、これは教育評価の一部にすぎない。
 教育評価には以下のような目的と内容が含まれている。
 ① 指導目的
  教師が、単元ごとの目標(「~について~できる」)を子どもがどの程度達成しているか調べ、自らの指導のあり方(指導計画、指導法)の適切さを検証し、その後の指導改善に活かす。
 ② 学習目的
  子どもが、単元ごとの目標(「~について~できる」こと)をどの程度達成できたかを知るための情報を提供し、自らの学習活動の適切さを反省し、学習活動改善に活かしてもらう。
 ③ 管理目的
  学校が、学級や学習グループの編成、成績の記録・通知(保護者、進学・就職先)に用いる。
 ④ 研究目的
  教師が、効果的な指導法や教材・教具の研究開発のために用いる。
  教育評価を行うことで、これらのことについて有用かつ必須の情報を得ることができる。
 本講義では、こうした教育評価の基礎的知識と具体的な評価技法について解説するとともに、実際の評価を模擬体験することで実践的な学びを行う。

2.
授業の到達目標

 教育評価についての基礎的内容を理解した上で、代表的な評価技法を実践できる。

3.
成績評価の方法および基準

 学期末テスト(50%)、課題(20%)、平常点(30%)を総合して評価します。
 課題は、客観テストの自作課題と、授業中に実施する評価演習課題によって評価します。
 平常点は、各回の授業内容を踏まえて自分なりに考えたことや感じたことをコメント用紙に書いてもらい、その内容と分量で評価します。

4.
教科書・参考書

 テキスト:なし。授業中にプリントを配布します。
 参 考 書:授業中に指示します。

5.
準備学修の内容

 受講後、復習を欠かさないこと。

6.
その他履修上の注意事項

 意欲をもって授業に参加する学生の受講を希望します。

7.
各回の授業内容
【第1回】
 授業ガイダンス
 教育評価の目的
 教育評価の種類(1)
 評価の機能による分類:診断的評価、形成的評価、総括的評価
【第2回】
 教育評価の種類(2)
 評価規準と評価基準
 評価基準による分類①:相対評価、絶対評価
【第3回】
 教育評価の種類(3)
 評価基準による分類②:個人内評価
 観点別学習状況の評価と評定
【第4回】
 評価技法(1)
 指導要録
 評価技法の分類:筆記表現型、作品演示型
【第5回】
 評価技法(2)
 筆記表現型評価
 教師自作のテスト(客観テスト、論文体テスト)
 評価に影響を及ぼす心理的要因①:ハロー効果、対比誤差
【第6回】
 評価技法(3)
 論文体以外の自由記述式テスト
 検査の妥当性と信頼性①
【第7回】
 評価技法(4)
 検査の妥当性と信頼性②
 標準学力検査①:CRT
【第8回】
 評価技法(5)
 標準学力検査②:NRT
 偏差値
【第9回】
 評価技法(6)
 知能検査
【第10回】
 評価技法(7)
 作品演示型評価
 評価演習A:作品の評価
【第11回】
 評価技法(8)
 評価演習B:演示の評価
【第12回】
 評価技法(9)
 評価演習C:面接・口頭試問
【第13回】
 評価技法(10)
 評価に影響を及ぼす心理的要因②:中心化傾向、寛容効果、ピグマリオン効果、逆算化傾向
【第14回】
 評価技法(11)
 ポートフォリオ評価
【第15回】
 補足とまとめ