1. |
授業の概要(ねらい) |
|
教育学部選択必修科目(教育学系科目)である本科目は、〈教育の歴史〉という視座から、日本の社会的・文化的特色を理解することをねらいとしている。 〈教育〉は、社会や歴史によって大きく影響を受ける事象である一方、社会や歴史に働きかけて時代を切り拓く意図的な試みでもある。その時代の社会的・文化的状況、そして、その時代に生きた人々の意識や行動の背景を知るうえで、〈教育の歴史〉は有効な視座として機能する。 本科目では、とくに近現代の教育の歴史に焦点を当て、現代に至る各時期を象徴する教育の制度や実践、慣行等について取り上げることで、これまでに学んできた歴史へのさらなる肉付けを行い、受講生の歴史認識の充実化をはかっていく。
|
2. |
授業の到達目標 |
|
(1)各時代における教育的事象の歴史的特質について、自分なりの補助線をひきながら理解、表現することができる。 (2)学校教育などに関わる教育的事象の史的展開を、歴史の連環の中に位置づけなおすことができる。
|
3. |
成績評価の方法および基準 |
|
授業参加度(30%)~毎回のリアクション・ペーパーの提出状況、発言・発表~、テスト(30%)、および最終課題の成績(40%)から総合的に判断する。
|
4. |
教科書・参考書 |
|
テキスト:片桐芳雄・木村元編著『教育から見る日本の社会と歴史』(第2版)八千代出版、2017年。 参考文献:木村元『学校の戦後史』岩波新書、2015年。 山田恵吾編著『日本の教育文化史を学ぶ―時代・生活・学校―』ミネルヴァ書房、2014年。
|
5. |
準備学修の内容 |
|
(1)指定のテキストを各自読み進め、不明な点、もっと知りたい箇所などをチェックしておくこと。リアクション・ペーパーや授業を活用して、積極的に担当教員に質問してほしい。 (2)近代以降の教育のようすを伝える格好の素材として、小説が挙げられる。以下の例が代表的である。安価で購入できるので読んでもらいたい。 夏目漱石『坊っちゃん』、島崎藤村『破戒』、壺井栄『二十四の瞳』、 黒柳徹子『窓ぎわのトットちゃん』、黒井千次『春の道標』、 庄司薫『赤頭巾ちゃん気をつけて』、灰谷健次郎『兎の眼』
|
6. |
その他履修上の注意事項 |
|
(1)“自分にとって教育の歴史を学ぶ意味とは何か”、“自分の住む地域・出身地域にはどんな独自の教育の歴史があるのか”など、自分なりの問題意識を持って受講すること。 (2)リアクション・ペーパー、レポートなど課題の提出が頻繁に求められる。学生には主体的に参加する姿勢が求められる。
|
7. |
各回の授業内容 |
|
【第1回】 | イントロダクション―教育の歴史を学ぶ意味― | 【第2回】 | 歴史を身近に感じるには―教育史研究のきっかけを探る― | 【第3回】 | 近世の子どもと教育 | 【第4回】 | 日本における「学校」の成立と受容―基本事項をおさえる― | 【第5回】 | 国家の規範と教職の理念 | 【第6回】 | 授業・カリキュラムをつくる試み(1)―教科書制度に着目して― | 【第7回】 | 授業・カリキュラムをつくる試み(2)―大正新教育の展開― | 【第8回】 | 生活者・労働者としての教師 | 【第9回】 | 戦争のための教職 | 【第10回】 | 戦後教育改革―基本事項をおさえる― | 【第11回】 | 教師像の模索と再生・創造―敗戦と民主化への転換― | 【第12回】 | 高度経済成長の中の教職 | 【第13回】 | 多様化の時代と教育 | 【第14回】 | 教師としての成長とその契機 | 【第15回】 | まとめの議論と評価 (※受講者の関心に応じて、内容を柔軟に変更することがある。) |
|