1. |
授業の概要(ねらい) |
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本講義は、近代日本の政治思想を扱う。近代日本の思想家は、どのような課題に取り組みんだのか。その取り組みは、どのような意味を持っていたのか。とりわけ開国以降には、外来的な刺激としての西洋が及ぼした影響は大きかった。そこで本講義は、幕末維新の変革をもたらした思想的背景、および日本の近代化・対外観などを論じた諸思想家を取り上げ、その歴史的展開を中心に示していく。
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2. |
授業の到達目標 |
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幕末・近代日本における思想家の生涯と、残したテキストを手がかりとした政治思想の探究に興味を抱くこと。また、幕末・近代政治思想の概要を理解し、幾人かの人物の思想について説明できるようになること。
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3. |
成績評価の方法および基準 |
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試験の成績を重視して、授業の理解度を総合的に評価する。
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4. |
教科書・参考書 |
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【参考書】 鹿野政直『近代日本思想案内』(岩波文庫、1999) 米原謙『日本政治思想 増補版』(ミネルヴァ書房、2007) その他、授業中に適宜指示する。
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5. |
準備学修の内容 |
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授業中に指示された文献などを参照し、知識と思考を深めること。
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6. |
その他履修上の注意事項 |
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本講義は、細かい年代や事象の暗記を目的とするものではない。 講義内容をもとに思考を重ね、自分自身の感想を持つようにしてほしい。
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7. |
各回の授業内容 |
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【第1回】 | ガイダンス・講義の概要 | 【第2回】 | 国学の発達と展開―平田篤胤/幕末思想の形成(1) | 【第3回】 | 洋学の系譜と思想―高野長英・渡辺崋山/幕末思想の形成(2) | 【第4回】 | 水戸学とナショナリズムの高揚―会沢正史斎・藤田東湖/幕末思想の形成(3) | 【第5回】 | 兵学のリアリズム―佐久間象山/幕末思想の形成(4) | 【第6回】 | 尊王討幕への道―吉田松陰/幕末思想の形成(5) | 【第7回】 | 明治啓蒙思想―福沢諭吉/近代思想の導入(1) | 【第8回】 | 天賦人権論―中江兆民/近代思想の導入(2) | 【第9回】 | 欧化政策と国粋主義―徳富蘇峰/民権・国権・アジア主義(1) | 【第10回】 | アジア連帯の夢想―宮崎滔天・岡倉天心/民権・国権・アジア主義(2) | 【第11回】 | 帝国主義批判―幸徳秋水/初期社会主義 | 【第12回】 | 大正デモクラシー―吉野作造・美濃部達吉/民本主義 | 【第13回】 | 昭和超国家主義―北一輝・大川周明/国家改造運動の展開 | 【第14回】 | 近代の超克―京都学派/国家総力戦下の日本思想 | 【第15回】 | 日本近代の政治思想・最終講試験 |
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