Web Syllabus(講義概要)

平成30年度

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科目ナンバリング:GGR-205
地理書講読1A- I 筒井  裕
教職  2単位
【教職】 18-1-1340-3834-028A

1. 授業の概要(ねらい)

 今和次郎(1888-1973)は考現学の創始者で、日本の民家研究の入門書ともいうべき名著『日本の民家』の作者として知られる人物です。伝統的な日本の民家には、各地域の風土・歴史・文化が凝縮されています。したがって、民家について深く学べば、地理学の研究にとって不可欠な「地域を観察する知識」を培うことができます。この講義では全受講者・教員間で『日本の民家』を読み進めていきます。毎回、発表担当者は指定された部分を事前に読み、その要旨をレジュメにまとめます。そして講義時に、担当箇所の内容をわかりやすく他の履修者・教員に説明することになります。さらに発表内容について質疑応答を行い、書籍の内容や専門用語などに関する理解を深めていきます。このような作業を経験することで、みなさんは近現代の日本の社会・生活の様子(つまり、記述された地域の特徴)を把握できるようになります。これに加え、文章を要約する能力やプレゼンテーションの技術も身につけることが可能になります。これらの技術・能力は卒業論文を作成するうえで不可欠なものとなります。

2.
授業の到達目標

 ・地理学に関する書籍を読み、その要旨をレジュメにまとめ、発表することができる。
 ・書籍で紹介されている地域の特徴を把握し、これを他者に説明できる。

3.
成績評価の方法および基準

 発表(80%)と受講態度(20%)をもとに総合的に評価を行います。
 ※受講態度とは、質疑応答にのぞむ態度のことを意味します。

4.
教科書・参考書

 ・テキスト:今和次郎『日本の民家』岩波書店(岩波文庫)、1989年。
 ・参考文献:特に指定しません。講義中に随時紹介していきます。

5.
準備学修の内容

 講義の前後にテキストを熟読し、予習・復習をして下さい。また、地理学とその隣接分野の書籍を読み、知識の獲得に励んで下さい。

6.
その他履修上の注意事項

 ・「地理書講読Ⅱ」とあわせて通年で受講することを望みます。
 ・毎回、リアクションペーパーを配布します。これに質問・意見・要望などを自由に書いて提出をして下さい(記載内容で減点することはありません)。
 ・出席回数が少ない、発表時に無断で欠席をしたなどの場合は、成績評価の対象とはしません。やむを得ない事情がある場合は、ご相談下さい。
 ・発表時にはパワーポイントを使用して下さい。これを機に、パソコン関連の知識・技術を磨いて下さい(使用方法は第1~2回目で学びます)。

7.
各回の授業内容
【第1回】
 ガイダンス(受講上の諸注意・発表の順番と分担箇所の確認)
【第2回】
 発表の準備・方法を確認しよう
【第3回】
 発表①(Ⅰ 田舎の人たちの家)
【第4回】
 発表②(Ⅱ 構造について)
【第5回】
 発表③(Ⅲ 間取りについて)
【第6回】
 発表④(間取りの由来考)
【第7回】
 発表⑤(採集 1 津軽の農家~11 南総の家)
【第8回】
 発表⑥(採集 12 同、漁村の家の間取り~19 同、山人足の小屋と樵夫の家)
【第9回】
 発表⑦(採集 20 相模の山間の家~30 「寿」の字のくらずまい)
【第10回】
 発表⑧(採集 31 木曾街道の豪農の家~40 遠州御前崎の砂丘の村の家) 
【第11回】
 発表⑨(採集 41 三河渥美湾の塩焼小屋~51 奈良法蓮の家)
【第12回】
 発表⑩(採集 52 奈良法華寺村の家~63 土佐の農家)
【第13回】
 発表⑪(採集 64 伊予の農家~68 薩摩揖宿の農家)
【第14回】
 発表⑫(調査 Ⅰ 相模国津久井郡内郷村~Ⅱ 武蔵国秩父郡浦山村)
【第15回】
 発表⑬(調査 Ⅲ 武蔵国南多摩郡恩方村)、まとめ