Web Syllabus(講義概要)

平成30年度

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科目ナンバリング:PSY-101
心理学基礎論 I 新谷 和代
必修  2単位
【心理学科】 18-1-1360-0290-010A

1. 授業の概要(ねらい)

 人の発達は,いわゆる「ヒト」としての遺伝子の仕組みにより,定まった方向に自然に成長し成熟していくが,それはある程度の環境が整っていなければ発現しない。そしてその環境も,親からの愛情やしつけ,きょうだい関係などのミクロな面から,教育制度や国の文化などマクロな面まで様々であり,それらが,個人の発達に豊かな個人差を生じさせている。以上のことから本講義では,人の成長に与える様々な要因に焦点を当てながら,人の誕生から死までの発達を説明していく。扱う領域は以下の通りである。
  ① 認知機能の発達及び感情・社会性の発達
  ② 自己と他者の関係の在り方と心理的発達
  ③ 誕生から死に至るまでの生涯における心身の発達
  ④ 発達障害等非定型発達についての基礎的な知識及び考え方
  ⑤ 高齢者の心理
 なおこの授業では,動画を見たり関連する新聞記事なども配布して,生活に密着した理解しやすい授業をめざす。また授業は,1回で教科書1章分を扱う。授業前半は教科書の内容の説明,後半は配布資料の説明である。授業中にはLMSにて小テストを行い,次回授業内容の宿題をLMSで課す。

2.
授業の到達目標

 ・発達心理学についての基礎的な知識の獲得をめざす。

3.
成績評価の方法および基準

 期末テスト60点,小テスト40点で評価する。期末試験は,選択肢問題と論述問題である。

4.
教科書・参考書

 概ね以下の教科書により授業を進めるが,随時他の文献を紹介する。
 『問いからはじめる発達心理学 -生涯にわたる育ちの科学』坂上裕子 山口智子 林 創 中間玲子【著】
有斐閣 2014
 参考書:『ベーシック発達心理学』開 一夫 齋藤 滋子【編】東京大学出版会 2018

5.
準備学修の内容

 教科書や配布プリントを見直しておくこと。特に授業で行う小テストや宿題の課題は,期末テストの準備にもあるので,しっかり取り組むこと。

6.
その他履修上の注意事項

 授業中の小テストはLMSで行う予定である。スマホまたはWi-Fi対応のノートPCなどを持参すること。

7.
各回の授業内容
【第1回】
 誕生から死までの発達/発達段階と発達課題
【第2回】
 発達の多次元性・多方向性/進化/遺伝と環境
【第3回】
 胎児期・新生児期/五感の発達
【第4回】
 ピアジェの発達段階/社会性の萌芽
【第5回】
 アタッチメントの発達と個人差/発達の可塑性
【第6回】
 表象と象徴/言語の発達/読み書きへの関心/共同注意と遊びの発達
【第7回】
 主体としての自己/感情と自己制御の発達
【第8回】
 心の理論/道徳/仲間関係
【第9回】
 記憶の発達/動機づけ/メタ認知
【第10回】
 自己理解/時間的展望/青年期の友人関係/恋愛
【第11回】
 アイデンティティの発達/キャリア選択/結婚
【第12回】
 メンターの役割/親としての発達/介護
【第13回】
 認知機能の加齢変化/パーソナリティの発達/高齢者の死生観
【第14回】
 非定型発達/児童虐待の影響/つまづきの背景にある時代と文化
【第15回】
 まとめ・テスト