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授業の概要(ねらい) |
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心理学的支援の実践では,①クライエントが抱える,あるいはもちこむ問題やニーズを見立て(アセスメント),②それに基づいた具体的なアプローチや介入につなぐことが求められる。心理的支援は主に,②の具体的なアプローチや介入として取り上げられることが多いが,クライエントが持ち込んでくる問題やニーズをどう見立てるかという①にもかかわってくる。さらには,その問題とは何か,治療や援助とは何か,そもそも人の存在をどうとらえているか,といった基本的な認識論にも深くかかわっている。 この講義では,①代表的な心理療法並びにカウンセリングの歴史,概念,意義,適応及び限界,②危機介入やコンサルテーションといった訪問による支援や地域支援の意義、③心理に関する支援を要する者の関係者に対する支援,④心の健康教育、といったさまざまな心理学的支援について学ぶ。さらに、⑤良好な人間関係を築くためのコミュニケーションの方法と基本姿勢、⑥心理学的支援を実施するに際してのプライバシーへの配慮,といった心理学的支援の実践に通底する基礎を身につける。
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2. |
授業の到達目標 |
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1)心理学的支援における基本的な姿勢やコミュニケーション、倫理的配慮を理解する。 2)心理療法の諸理論を理解し,その有効性と限界について説明できる。 3)現代社会のニーズに合わせた心理学的支援の様々なやり方を理解する。 4)心理療法をどのように学び,とらえていけばいいかについて自分なりの考えをもつ。
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成績評価の方法および基準 |
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試験60% 小レポート・リアクションペーパー40%
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教科書・参考書 |
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テキストは使用しない。 参考書:平木典子著『統合的介入法』、村瀬嘉代子著『子どもと大人の心の架け橋-心理療法の原則と過程』、乾・亀口・東山・氏原・成田・山中編著『心理療法ハンドブック』、他
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準備学修の内容 |
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LMSにてレジュメ、資料を印刷して事前に目を通してから、授業に臨むこと
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その他履修上の注意事項 |
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この講義ではさまざまな「心理療法」が紹介されるが、興味本位でながめ、安易に実行しようとすることは慎むこと。心理臨床における介入、技法の習得には相当な量のトレーニングを要する。まず心理療法全体の概略をきちんと理解すること、そして、主体的、意欲的に文献にあたり、さまざまな療法や技法にかんする理解を広げ、現時点における心理療法全体の流れとそれらに関する自らの考えをまとめてほしい。
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7. |
各回の授業内容 |
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【第1回】 | 講義ガイダンス・スケジュールと評価方法 | 【第2回】 | 心理療法の位相とつなぎ手としてのセラピスト -その歴史と発展から | 【第3回】 | 個人心理療法1:精神分析,力動的心理療法 | 【第4回】 | 個人心理療法2:クライエント中心療法 | 【第5回】 | 個人心理療法3:行動療法,認知行動療法 | 【第6回】 | 個人心理療法4:日本独自の心理療法,他 | 【第7回】 | 家族・集団への心理療法1:家族療法 | 【第8回】 | 家族・集団への心理療法2:グループカウンセリング | 【第9回】 | 現代社会における心理援助の展開1:コミュニティアプローチ・危機介入 | 【第10回】 | 現代社会における心理援助の展開2:関係者に対する支援・コンサルテーション | 【第11回】 | 現代社会における心理援助の展開3:心の健康教育 | 【第12回】 | 心理学的支援を実施するに際してのプライバシーへの配慮・倫理 | 【第13回】 | 良好な人間関係を築くためのコミュニケーションの基本姿勢とその方法1 | 【第14回】 | 良好な人間関係を築くためのコミュニケーションの基本姿勢とその方法2 | 【第15回】 | まとめ |
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