Web Syllabus(講義概要)

平成30年度

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科目ナンバリング:AMS-201
ラテンアメリカの社会と文化 I 千代 勇一
選択  2単位
【外国語(英)】 18-1-1410-4732-011A

1. 授業の概要(ねらい)

 「ラテンアメリカの社会と文化Ⅰ~Ⅳ」はラテンアメリカ地域の文化と社会を総合的に理解することを目的としており、この「ラテンアメリカの社会と文化Ⅰ」では開発と格差の問題からアプローチします。ラテンアメリカは資源に恵まれた地域ですが、貧困、格差、暴力の問題が深刻です。これらは一見すると矛盾しているように思われるかもしれませんが、実際には緊密に結びついており、スペイン植民地期以降の人々の欲望とそれを満たすための資源開発がその背景にあります。
 そこで講義では、主にキューバ、エクアドル、ボリビアを舞台として行われてきた様々な開発を事例として、環境破壊、人権抑圧、貧困と格差、社会変容について詳しく解説をします。

2.
授業の到達目標

 (1)ラテンアメリカにおける開発の歴史に関する基礎知識を身につける。
 (2)ラテンアメリカの開発と格差の関係を説明できる。
 (3)ラテンアメリカにおける今後の開発のあり方を提案できる。

3.
成績評価の方法および基準

 評価の方法:(1)小レポートなど授業参加50%、(2)試験50%
 評価の基準:(1)ラテンアメリカ諸国の社会問題や開発の基本事項を説明できる。
       (2)格差など社会問題と開発の因果関係を論理的に説明できる。
       (3)今後の開発のあり方や社会問題の解決方法について自らの考えを根拠とともに提言する。
 ※規定回数以上の授業への出席は成績評価を受けるための条件ですが、それだけでは評価されません。
  授業内で出される課題の小レポートの内容、授業におけるマナーや学ぶ姿勢などが授業参加として評価されます。

4.
教科書・参考書

 テキストは使用せず、プリントを配布します

5.
準備学修の内容

 (1)レジュメやノートを見返して授業の復習を行うだけでなく、テレビ、新聞、インターネットなどを活用して積極的に授業で扱ったラテンアメリカ諸国について調べてください。
 (2)授業後またはオフィスアワーには授業の内容に関する質問、コメントをどんどんしてください。

6.
その他履修上の注意事項

 (1)ラテンアメリカの地図を見て、どこにどのような国があるのかを調べてきてください。
 (2)ラテンアメリカに関して何らかの興味、関心、問題意識を必ず持って受講してください。

7.
各回の授業内容
【第1回】
 オリエンテーション:授業の進め方、評価方法、予定などの説明
【第2回】
 ラテンアメリカの格差:映画『モーターサイクル・ダイアリーズ』におけるチェ・ゲバラのまなざし
【第3回】
 キューバと米国(1)キューバ革命の背景
【第4回】
 キューバと米国(2)米国人カメラマンの視点から見た革命後の50年
【第5回】
 エクアドル・アマゾンにおける石油開発(1)アマゾンの自然と開発の歴史
【第6回】
 エクアドル・アマゾンにおける石油開発(2)大企業に対する先住民の挑戦
【第7回】
 エクアドル・アマゾンにおける石油開発(3)政府をしのぐ巨大企業
【第8回】
 エクアドル・アマゾンにおける石油開発(4)狩猟採集民ワオラニの変容
【第9回】
 エクアドル・アマゾンにおける石油開発(5)ヤスニITTイニシアティブ:石油を掘らない!
【第10回】
 「気候債務」という考え:資源開発と気候変動問題に関する途上国の視点
【第11回】
 資源開発を巡る自由な競争(新自由主義)に対する資源ナショナリズム
【第12回】
 ボリビアにおける資源を巡る争い(1)映画『ザ・ウォーター・ウォー』から水戦争を考える。
【第13回】
 ボリビアにおける資源を巡る争い(2)映画『ザ・ウォーター・ウォー』からガス戦争を考える。
【第14回】
 ムヒカ元パラグアイ大統領の提案
【第15回】
 総括:ラテンアメリカにおける格差問題の本質