Web Syllabus(講義概要)

平成30年度

ひとつ前のページへ戻る 教授名で検索

 
科目ナンバリング:SEM-401
卒業セミナー I 上田 仁志
選択必修  2単位
【外国語】 18-1-1501-0078-001A

1. 授業の概要(ねらい)

 【比較文学・文化の観点から考える冠婚葬祭】
 参加者の研究発表を中心とする比較文学・文化のセミナーです。葬式などの〈冠婚葬祭〉をテーマに、国内外の儀式習慣とその背景にある精神風土を研究します。加えて小説や映画、コミック等において、〈冠婚葬祭〉がどのように表現されてきたかを調べます。たとえば、ネアンデルタール人(約40万年前~約2万年前)はすでに、花を手向けて死者を埋葬していたそうです。一般に、死者を弔い、埋葬し、墓をつくるのは人類共通の文化ですが、その形式や方法は驚くほど変化に富んでいます。墓地というと、暗く陰鬱なイメージがありますが、世界にはカラフルで陽気な墓地も多く存在します。国や地域、時代による比較を通して、人々の価値観のありようを考えます。冠婚葬祭にかかわるテーマを、個人またはグループ別に調査し、研究成果を発表してもらいます。春期セメスターでは、われわれ日本人の冠婚葬祭のしきたりをふりかえり、その歴史的背景や地域的な変化の調査に取り組んでもらいます。

2.
授業の到達目標

 1.研究テーマに見合った文献・資料にアクセスできる。
 2.文献・資料の内容を適切に整理・要約することができる。
 3.文献・資料に基づき、自分の意見・解釈を交えて、発表することができる。
 4.他人の意見・解釈を踏まえて、自分の意見・解釈を再検討できる。
 5.研究テーマを通して学んだものを文章にまとめることができる。

3.
成績評価の方法および基準

 1.全15回の授業中10回以上の出席を成績評価のための必要最低条件とします。出席はカードリーダーの記録となります。
 2.成績評価は、平常点(毎回の予習と授業内提出物、ならびに授業態度)50%、発表(プレゼンテーション)25%、レポート25%

4.
教科書・参考書

 テキストは指定しません。

5.
準備学修の内容

 授業のそれぞれの段階で、個人またはグループ単位で、次のような準備が必要です。
  1.指定された文献・資料を読み、内容を要約する。
  2.文献・資料の内容について、コメント文を作成する。
  3.指定されたテーマについて、MELICで参考文献を調査する。
  4.パワーポイントなどの発表資料を作成する。

6.
その他履修上の注意事項

 1.オリエンテーションを含む第1回目の授業は重要です。必ず第1回目の授業から出席してください。
 2.出席は「完全カードリーダー制」です。入室時と退室時に学生証をカードリーダーに当てて読み取らせてください。

7.
各回の授業内容
【第1回】
 イントロダクション:授業のテーマ、到達目標、進め方について説明を行う。自己紹介をとおしてお互いを知る。
【第2回】
 冠婚葬祭の基礎知識(1) 出産から卒業・成人までのさまざまなしきたりやマナーを学ぶ
【第3回】
 冠婚葬祭の基礎知識(2) 結婚に関連するさまざまなしきたりやマナーを学ぶ
【第4回】
 冠婚葬祭の基礎知識(3) 葬式に関連するさまざまなしきたりやマナーを学ぶ
【第5回】
 冠婚葬祭の基礎知識(4) 法事やお盆、年中行事などのさまざまなしきたりやマナーを学ぶ
【第6回】
 事例研究(1) 映画の事例から〈葬〉を考える 小津安二郎、山田洋次、伊丹十三
【第7回】
 事例研究(2) 小説の事例から〈葬〉を考える 中島京子『冠・婚・葬・祭』
【第8回】
 事例研究(3) 評論の事例から〈葬〉を考える 斎藤美奈子『冠婚葬祭のひみつ』
【第9回】
 事例研究(4) ノンフィクションの事例から〈葬〉を考える 井上理津子『葬送の仕事師たち』
【第10回】
 事例研究(5) 民俗学の事例から〈葬〉を考える 柳田國男『葬送習俗辞典』
【第11回】
 プレゼンテーションの準備 事例研究をふまえて、具体的なテーマを決め、独自の問題設定・調査を行う
【第12回】
 プレゼンテーション(1) 一人当たり10分で発表と質疑応答を行う
【第13回】
 プレゼンテーション(2) 一人当たり10分で発表と質疑応答を行う
【第14回】
 プレゼンテーション(3) 一人当たり10分で発表と質疑応答を行う
【第15回】
 セメスターのまとめ 研究成果をふりかえり、今後の課題を確認する