Web Syllabus(講義概要)

平成30年度

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科目ナンバリング:EDU-215
アクティブ・ラーニング特論 II 宮原 俊之
選択  2単位
【初等教育】 18-1-3082-4419-004A

1. 授業の概要(ねらい)

 この授業では、春期(Ⅰ)と秋期(Ⅱ)をとおして、初等・中等教育において、アクティブラーニングを実現するための授業設計(指導案の作成)を行うことができることを目標しますが、どんな仕事をしていても、どこかで必ず”教育”には関わります(学ぶ側としても教える側としても)。その時にも必ず役に立つでしょう。
 また、ICTを効果的に教育に活用することに興味がある方にも、役立つでしょう。
 これまでに受講した皆さんからは、
  ・アクティブ・ラーニングの見方が変わった
  ・自己満足や経験等に押しつぶされず、見つめ直して刷新してくことが必要であることを学んだ
  ・自分の中での授業の作り方を一度整理することができ、理論を用いて授業を計画しようとすることができるようになった
 という感想が多くありました。
 さて、みなさん、「アクティブラーニング」という言葉を聞いて何を思い浮かべますか?
 今度の学習指導要領改訂以降でこの「アクティブラーニング」が強く意識されていますが、その時、みなさんは、どのような授業方法をとる(授業設計を行う)べきでしょうか?
 教育方法の理論であるインストラクショナルデザインをとおしてこれを学びます。
 インストラクショナルデザインは、かみ砕いて言うと「学ぶ人たちが授業を楽しみ効率よく成果を出すための方法論(理論)」です。
 春期(Ⅰ)では、授業1回分(またはそれ以下)をターゲットに、アクティブ・ラーニングを実現するための授業設計(指導案)を作成します。
 秋期(Ⅱ)では、春期(Ⅰ)の成果について、理論から裏付けを行い、「良い」授業設計について考え作成します。
 ですから、できるだけⅠ・Ⅱの両方を受講をおススメします。
 受講者される学生の皆さんと一緒に授業を作り上げていきたいと思います。

2.
授業の到達目標

 ・学生は、「良い」授業設計(指導案の作成)を行うことができます。
 ・学生は、「インストラクショナルデザイン」の概要について(自分の言葉を使って)説明できます。
 ※本授業を受講される方は、できるだけ、I・II とも履修してください。
 (理由は、「1.授業の内容」を参照のこと)

3.
成績評価の方法および基準

 定期試験は行いません。授業への取り組み、課題、最終成果物を総合的に評価します。
 【出席】直接的な最終評価には影響しませんが、無断での欠席が4回を超えた場合は評価対象外とします。
 【授業での取り組み&課題】50%
 【最終成果物】50%

4.
教科書・参考書

 特に定めませんが、持っていて損にならない参考書籍については、授業の際に紹介します。

5.
準備学修の内容

 授業時間では演習を多く行うため、授業時間外に、課題への取り組みや、演習に関係する準備、作業が発生します。

6.
その他履修上の注意事項

 基本的なパソコンの操作ができること、「授業の概要・目的」に興味があることが受講の前提条件です。
 最後まであきらめずに新しいことに自ら挑戦できる自信も必要です。
 受講人数によって、授業内容・方法を変更する可能性があります。

7.
各回の授業内容
【第1回】
 オリエンテーション
 自己紹介と具体的な授業の進め方と計画、評価方法などについて確認します。
【第2回】
 春期の復習1
 春期に学んだことを事例を使って復習します。以下の中から2~3程度。
 新指導要領におけるアクティブ・ラーニング、ADDIEモデルからのシステム的な授業設計手順、目標の明確化、ガニエの9教授事象、動機づけモデル(ARCSモデル)
【第3回】
 春期の復習2
 第2回で復習できなかった内容について復習します。
【第4回】
 学習者評価
 アクティブ・ラーニングを実現した授業において、学習者評価をどのように行うかを学びます。
  学習者評価の場面と評価の目的も考えながら、ルーブルリックについても学びます。
【第5回】
 形成的評価
 授業を設計している途中で、その効果を確かめて、悪いところを直すために行う評価である形成的評価を学びます。
【第6回】
 授業設計に必要なこと(その他)
 インストラクショナルデザインについて、ここまで取り上げることができていない内容の中で重要なことを、トピックス的に学びます。
【第7回】
 「アクティブ・ラーニング教室でアクティブ・ラーニングを実現しよう!」の準備
 TNecというアクティブ・ラーニングの実現を助ける教室を用いて実際に授業を行うための準備をします。全員が行うわけではありませんが、全員が準備します。目的は次の3つです。
  ・学んだことを踏まえて(必ずしも使用する必要はない)アクティブ・ラーニングを実現するための授業を設計し実施するという経験をする
  ・ICTを使用した授業を実践することをとおして、ICTをどのように授業に利用できるか、イメージを持つことができるようにする
  ・他の仲間からのコメントや他の仲間の授業を受けることをとおして、必ず新しい発見をする
【第8回】
 アクティブ・ラーニング教室でアクティブ・ラーニングを実現しよう!1
 教師、学習者、観察者に分かれて、第7回の準備に基づいて授業を実施します。
  それぞれの役割にあった、評価を行い、フィードバックを受けます。
【第9回】
 アクティブ・ラーニング教室でアクティブ・ラーニングを実現しよう!2
 教師、学習者、観察者に分かれて、第7回の準備に基づいて授業を実施します。
  それぞれの役割にあった、評価を行い、フィードバックを受けます。
【第10回】
 アクティブ・ラーニング教室でアクティブ・ラーニングを実現しよう!3
 教師、学習者、観察者に分かれて、第7回の準備に基づいて授業を実施します。
  それぞれの役割にあった、評価を行い、フィードバックを受けます。
【第11回】
 アクティブ・ラーニング教室でアクティブ・ラーニングを実現しよう!4
 教師、学習者、観察者に分かれて、第7回の準備に基づいて授業を実施します。
  それぞれの役割にあった、評価を行い、フィードバックを受けます。
【第12回】
 アクティブ・ラーニング教室でアクティブ・ラーニングを実現しよう!5
 教師、学習者、観察者に分かれて、第7回の準備に基づいて授業を実施します。
  それぞれの役割にあった、評価を行い、フィードバックを受けます。
 評価用のルーブリックも作成し、発表準備を行います。
【第13回】
 アクティブ・ラーニング教室でアクティブ・ラーニングを実現しよう!6
 教師、学習者、観察者に分かれて、第7回の準備に基づいて授業を実施します。
  それぞれの役割にあった、評価を行い、フィードバックを受けます。
【第14回】
 今後の展望
 ここまでの授業において気づいたことなどを報告(発表)し共有することで、
  自分の理解を深め、また他者からの新しい発見(気づき)を行います。
【第15回】
 まとめ