Web Syllabus(講義概要)

平成30年度

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科目ナンバリング:
授業づくりとメンタリング 西谷 晴美
選択  2単位
【教職大学院】 18-1-1331-4961-013

1. 授業の概要(ねらい)

 授業は、2名の教員によるティーム・ティーチングの形態で行う。
 下記の指導事項に留意しながら、授業づくりや授業実践に対する指導・助言を行うことを通して、メンターとしての指導力を身につける。
 メンタリングについての理論的な理解に基づいて、連携協力校などでの授業参観やメンタリング対象の教師・学生への指導・助言などを体験し、その方法や有効性等について大学院で振り返りを行う。
 研究の対象となる授業の指導以外に、学生は必要に応じて相談活動を行う。
 具体的には、メンタリング対象の教師・学生が、最も切実に感じているテーマで研究授業を行うまでを支援し、その過程で授業づくりや授業実践に対する指導・助言の力を獲得できるようにする。
 学生は、メンタリング対象の教師・学生の実践を支援していく視点で、知識、経験、考えを出し合い、グループ討議をしながら授業を進めていく。
 ※本科目は、大学院での授業のほか、連携協力校、近隣の小中学校等を積極的に活用して実施する予定である。

2.
授業の到達目標

 <A類学生>
  ・自分自身の授業づくりの能力を高めつつ、大学教員やB類学生の授業づくり、メンタリング実践等に参加していく中で、メンタリングの基本的理論・方法を理解し、実践力を高める。
 <B類学生>
  ・自分自身の授業づくりの能力を高めつつ、メンタリング対象の教師・学生の授業づくりを支援・指導したり、校内外の授業研究に参加したりするなどして、メンターとしての考え方、手法、実践力を身に付ける。

3.
成績評価の方法および基準

 期末テストの結果(30%)、レポートや成果物(30%)、メンタリング実践への参加状況(40%)を基本にして総合的に評価・判定する。

4.
教科書・参考書

 テキスト
  特定のテキストは使用しない。
 参考書
  秋田喜代美『教師教育における「省察」概念の展開― 反省的実践家を育てる教師教育をめぐって』(佐藤学・藤田英典他編『教育学年報5 教育と市場』世織書房1996)など、授業で必要に応じて紹介する。

5.
準備学修の内容

 教師の成長発達の契機について、実習校での観察や聞き取り調査を進めておくこと。

6.
その他履修上の注意事項

 実践的指導力や、メンタリングの力を高めることを目指して、実際に、メンターとして指導・助言を行うことを予定にしている。
 また、指導主事としての指導・助言の力量を高めることも目指している。
 ぜひ積極的に取り組んでほしい。

7.
各回の授業内容
【第1回】
 メンタリングとは①
 ・教師の成長・発達にとってのメンタリングの意義、可能性等について理解する。
【第2回】
 メンタリングとは② 
 ・メンタリングの手法、場面、対象等について理解し、演習を行う。
【第3回】
 メンタリング実践の計画
 ・メンタリング対象の教師・学生と打ち合わせ、メンティのテーマや課題等を明らかにする。
 ・ペアによるメンタリング実践の計画を立てる。
【第4回】
 <※4~8回はメンター・メンティーがペアになってメンタリング実践に取り組む>
 授業づくりとメンタリング①
 ・授業の目標設定・指導の展開・評価の視点について検討するなど、授業づくりを通じたメンタリング実践に取り組む。
【第5回】
 授業づくりとメンタリング②
 ・指導計画を再検討するとともに、教材を研究・検討する。必要に応じてメンター、メンティとで、地域を調査・見学する。
 ・A類学生は授業者の教材研究のための資料の探索・調査の助手として活動する。
【第6回】
 授業づくりとメンタリング③
 ・授業実践を通じたペアによるメンタリング実践を行う。
【第7回】
 ペアによるメンタリング実践の振り返り
 ・第6回までのメンタリング実践の記録を映像を通じて振り返り、成果・課題を検討する。
【第8回】
 学校におけるメンタリングの展開
 ・複数のメンタリング実践の記録を分析し、校内でメンタリングを継続的に実施する場合の場面や課題等について検討する。
【第9回】
 授業の参観と記録
 ・授業を参観・考察した記録を基に、日常の授業や教授行動等の記録のとり方について検討する。
【第10回】
 授業研究とグループメンタリング①
 ・5~6名のグループでのメンタリングを計画する(メンター、メンティ、授業実践者、記録の取り方等)。
【第11回】
 授業研究とグループメンタリング②
 ・授業実践に取り組むメンティの課題等を踏まえ、メンター、メンティが協働して、授業づくりを支援する。
【第12回】
 授業研究とグループメンタリング③
 ・授業実践に取り組むメンティの課題等を踏まえ、メンター、メンティが協働して、授業づくりを支援する。
【第13回】
 授業研究とグループメンタリング④
 ・メンティーによる授業実践、授業後のメンタリングをグループ協働で実施し、その成果・課題を検討する。
【第14回】
 指導資料の作成と活用
 ・メンタリングの際に活用する資料をA4用紙1枚程度で作成し、資料を活用した指導助言を行う。
【第15回】
 まとめと振り返り
 ・メンタリングの機能やメンターとしての成果・課題等についての振り返りを行う。