Web Syllabus(講義概要)

平成30年度

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科目ナンバリング:PFP-202
財政学 II 福田 直人
選択  2単位
【観光経営】 18-1-1120-4962-046A

1. 授業の概要(ねらい)

 財政の基礎的な枠組みを理解した上で、日本における同制度の現状と課題を理解することが本講義の目的となります。税金、財政、予算に関連する様々な報道が日々なされています。財政の概略を理解していたとしても、こうした情報の中身をきちんと理解することは容易ではありません。
 財政に関わる諸問題を理解する上で難しいのは、それが人間を相手とした制度であるが故に、単純な数学的結論に至るとは限らないという点です。諸外国を見渡せば、福祉支出をできる限り抑制している国が財政的にも健全であるのかといえば、そうでもありません。財政支出の多くを占める社会保障や福祉と呼ばれるものが市場を阻害するのか、それとも市場をより円滑に機能させるための補助エンジンになるのか、こうした見解も国や時代によって大きく変わりつつあります。
 本講義では先ず財政の基本的な理念を説明し、日本における税財政、社会保障の特徴、そしてその現状と論点を概説していきます。財政に関する見解は政府や企業、専門家においても様々に分かれています。それらを理解し判断する材料となる基礎的な知識、論点を講義致します。
 財政学Ⅱでは財政学Ⅰの応用科目として、特に日本財政の論点を、みなさんにとって身近なものに引き付けつつ、その概要を講義致します。

2.
授業の到達目標

 ①社会生活における財政の重要性を理解する。
 ②日本の財政に関する論点、課題を、歴史的経緯や他国との比較を踏まえて理解する。
 ③生活に密接する税金や国の予算、社会保障制度並びに社会保険制度に関する情報に対しリテラシーを身に着ける。つまり、情報が洪水のように溢れる社会において、何が自分や社会にとって価値のある情報なのか、加えてその情報の妥当性を判断できるようになる。

3.
成績評価の方法および基準

 リアクション・ペーパー 20%
 期末試験        80%
 *本基準は小テストを行わなかった場合の「予定」である。
  ①小テストは出席率によって予告せず「抜き打ち」で行う可能性がある。
   その場合は成績評価に大きく影響するので注意すること。
  (上記の評価基準は、あくまで「予定」であることに留意されたい。)
  ②講義の3分の1を欠席した場合、単位認定の対象とならないので注意すること。
  ③欠席理由の「事後申告」は基本的には認めない。部活動等、やむを得ない理由がある場合は事前に必ず申告すること。
  ④他の学生の受講を妨げる行為を行ったものは単位認定の対象とならない。
   私語を含め講義の妨害行為は「厳禁」とする。

4.
教科書・参考書

 毎回レジュメ(講義資料)が配布される。
 事後配布は行わないので注意すること。
 教科書の指定はないが、講義内容に関連する参考書として以下のものを挙げておく。
  ①大沢真里(2013)『生活保障のガバナンス』有斐閣
  ②神野直彦(2007)『財政学(改訂版)』有斐閣
  ③井手英策(2013)『日本財政 転換の指針』岩波書店
  *ご興味があれば購入してもよいが、必須ではない。
  *要望によっては、映像資料等を使用する場合がある。

5.
準備学修の内容

 財政は様々な分野にわかれています。すべてを網羅するのは難しいので、自分の興味のある論点を深く掘り下げることをお勧めします。新聞を読むのはもちろん、ご両親が育児(または介護)をしていれば、そのことについてお話を聞いてみるなど、方法はいろいろあると思います。テスト前はレジュメ(講義資料)を見直し、講義の内容を踏まえた上で自分の意見を一つでも述べられるように準備することを推奨致します。講義の内容が踏まえられていなければ、単位認定の対象にならないことに十分留意してください。

6.
その他履修上の注意事項

 ①講義内において、他の学生の受講の妨げとなる行為が認められた時点で不合格とする。特に私語は本講義では「厳禁」とする。
 ②履修している学生に対して事前に説明、もしくは希望を聞いた上で授業スケジュール及び内容が変更される可能性がある。
 ③授業スケジュールはあくまで「計画」なので、毎回の講義に出席しないと講義の内容を把握することはできない。講義内容は要望があれば適宜変更する。レジュメ(講義内資料)の丸暗記のみでは単位の取得は難しいと考えること。
 ④毎回の講義で配布される講義資料の事後配布は、基本的に行わない。
 ⑤講義の3分の1を欠席した場合、単位認定の対象とならないので注意すること。
 ⑥欠席理由の「事後申告」は原則的に認めない。部活動等、やむを得ない理由がある場合は事前に必ず申告すること。
 ⑦期末試験は「持ち込み不可」で実施する。

7.
各回の授業内容
【第1回】
 イントロダクション 財政学Ⅱについて(導入)
【第2回】
 財政学Ⅰにおける要点確認
【第3回】
 「財政」の諸論点 -社会問題との関連-
【第4回】
 「財政」と社会の「階層化」
【第5回】
 財政の役割 -近年の再検討-
【第6回】
 財政支出削減の意味を考える
【第7回】
 財政危機に何故陥るのか
【第8回】
 ①社会保障の充実と財政再建の両立は可能か
【第9回】
 ②社会保障の充実と財政再建の両立は可能か
【第10回】
 ③社会保障の充実と財政再建の両立は可能か
【第11回】
 ④社会保障の充実と財政再建の両立は可能か
【第12回】
 ⑤社会保障の充実と財政再建の両立は可能か
【第13回】
 「財政」と「市場」-人々の暮らしについて-
【第14回】
 財政学Ⅱ(及びⅠ)の総復習
【第15回】
 まとめ・試験
 ※各回の講義の内容は変更される場合がある。