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授業の概要(ねらい) |
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ヨーロッパにおける活字本の歴史について解説します。 ヨーロッパでは15世紀半ばに活字印刷術が開発されてから、出版業が急速に進歩しました。これは、日本で木版印刷がたいへん発達したのと好対照と言えます。ヨーロッパにおける学問的知識の普及の大きな部分が活字本によって担われたということを考えるとき、その歴史を辿り直してみるのは、昨今急激な発展を遂げている電子出版の今後を占う意味でも、非常に重要と言えるでしょう。 この授業では、書物の歴史の検討に加えて、19世紀にイギリスで発達した分析書誌学について説明することや、西洋古版本に適用されている書誌記述の実際について説明することによって、書物のあれこれを多角的に検討します。
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授業の到達目標 |
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1)西洋における書物の歴史について説明できること 2)西洋古版本の書誌記述を理解できること
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成績評価の方法および基準 |
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原則として、小テスト(リアクション・ペーパー)・復習テスト40%、期末テスト(論述式)60%としますが、受講状況を見て決定します。
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教科書・参考書 |
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全体を通じての参考書: リュシアン・フェーブル、アンリ=ジャン・マルタン『書物の出現』上下、ちくま学芸文庫。 髙野彰『洋書の話 第二版』朗文堂。 各回のテーマについての参考文献は講義中に紹介します。
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準備学修の内容 |
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書物や出版業についてたくさんの本が出ています。どんな本があるか(小説を含む。また、西洋だけではなく日本や東洋が主題のものでも構いません)事前に調べておいてください。
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その他履修上の注意事項 |
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世界史や世界地理の知識は受講の前提としませんが、講義前後の予習復習を通じて学修する必要があります。
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各回の授業内容 |
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【第1回】 | 全体の概要 | 【第2回】 | 声の文化と文字の文化 | 【第3回】 | 活字印刷術の誕生 | 【第4回】 | 出版文化の発展 | 【第5回】 | 書物の構成要素について:紙、活字、製本 | 【第6回】 | 書物の生産、流通、受容、保存:書籍商、図書館そして読者 | 【第7回】 | ケーススタディ:風刺とジャーナリズム | 【第8回】 | ケーススタディ:版画と地図 | 【第9回】 | ケーススタディ:ホッブズ『リヴァイアサン』 | 【第10回】 | 分析書誌学の誕生 | 【第11回】 | 分析書誌学の展開 | 【第12回】 | 西洋における印刷慣行の多様性 | 【第13回】 | 西洋古版本の書誌を読んでみよう | 【第14回】 | 西洋古版本の書誌を書いてみよう | 【第15回】 | まとめと試験 |
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