Web Syllabus(講義概要)

平成30年度

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科目ナンバリング:ILA-307
国際私法 I 小梁 吉章
選択  2単位
【法学】 18-1-1210-5133-006

1. 授業の概要(ねらい)

 たとえば、外国に留学したときに部屋を借りたが、窓が壊れた、雨漏りがしたという場合、家主にどう言えばいいでしょうか。日本の民法606条を根拠に修繕を依頼しますか。
 また反対に、外国人が日本で部屋を借りて同じことが起きた時、どうするのでしょうか。
 これは契約の問題です。ビジネスの世界ではもっと大規模な契約があります。
 このように国際的な民事法律関係をどの国の法律で解決すべきか、ということの基準が「国際私法」と呼ばれる法分野です。
 また皆さんは「TPP」「環太平洋パートナーシップ協定」ということばを聞かれたことがあると思います。このような協定は、国際私法のなかに入るのでしょうか。
 この授業とその後の国際私法2では、国際的な契約や国際結婚・離婚などの家族を広く、身近な例を挙げて、説明する予定です。ところで、つい15年前の2003年に日本を訪問する外国人数は年間5百万人でした。これが
 2016年に2千4百万人と5倍近くに増えています。人の動きだけでなく、物の動きも活発で、同じ期間に、日本の輸出入総額は約100兆円から 4割近く増加しています。
 この授業でこうした時代の変遷を把握してください。

2.
授業の到達目標

 国際私法1ではとくに国際的な商取引・金融取引について、準拠法の判断基準、また紛争が生じた場合の裁判管轄の判断基準について、基本的な知識を得ることを目標とする。

3.
成績評価の方法および基準

 授業後の期末試験100%で評価します。
 なお、全体の授業の1/3欠席の場合にはいかなる理由があっても単位を認めません。

4.
教科書・参考書

 教科書:松岡博編『国際関係私法入門(第3版)』(2012年)有斐閣

5.
準備学修の内容

 初回を除き、授業で教科書の次回授業の該当箇所を言いますので、読んでおいてください。

6.
その他履修上の注意事項

 国際私法1でビジネスを中心に取り上げ、国際私法2では家族関係について取り上げますので、連続して受講されることを勧めます。また各回の授業内容は、事情によって変わり得ることを承知おきください。
 六法と教科書は必携です。
 また、出席日数が不足したことへの配慮は一切しません。
 試験日以外での試験の実施、期限後のレポートの提出も一切認めません。

7.
各回の授業内容
【第1回】
 国際私法の形成
【第2回】
 国際私法は国際法か
【第3回】
 人と会社の行為能力
【第4回】
 契約と当事者自治
【第5回】
 消費者の契約と労働契約
【第6回】
 担保物権
【第7回】
 盗難車の行方
【第8回】
 外国で起きた事故
【第9回】
 知的財産権と国際私法
【第10回】
 国際的な民事紛争の解決 その1
【第11回】
 国際的な民事紛争の解決 その2
【第12回】
 国際的な民事紛争と仲裁
【第13回】
 航空機の事故の場合
【第14回】
 海上運送の場合
【第15回】
 まとめと試験