Web Syllabus(講義概要)

平成30年度

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科目ナンバリング:ILA-308
国際私法 II 小梁 吉章
選択  2単位
【法学】 18-1-1210-5133-005

1. 授業の概要(ねらい)

 国際私法1で国際的な商取引・金融取引といったビジネスの世界での法律関係の基準と紛争が起きた時の解決について学習しました。国際私法2では、国際結婚や離婚、外国人との養子縁組など国際家族法の問題を取り上げます。
 ビジネス上の商慣行は、国によって異なりはしますが、現代のグローバル・エコノミーの時代にはだんだん各国のビジネス慣行は似通ってきました。
 これに対して国際家族法の分野は、各国の歴史・文化・宗教などを背景として、まだまだ大きな隔たりがあります。授業のなかではこうした違いもトピックとして取り上げる予定です。

2.
授業の到達目標

 国際私法2では国際家族法の準拠法の判断基準、また紛争が生じた場合の裁判管轄の判断基準について、基本的な知識を得ることを目標とする。

3.
成績評価の方法および基準

 授業後の期末試験100%で評価します。
 

4.
教科書・参考書

 参考書:松岡博編『国際関係私法入門(第3版)』(2012年)有斐閣

5.
準備学修の内容

 授業であらかじめ、次回の授業で扱う範囲が参考書のどのページにあるかお伝えします。
 読んでおいてください。

6.
その他履修上の注意事項

 国際私法1でビジネスを中心に取り上げ、国際私法2では家族関係について取り上げますので、連続して受講されることを勧めます。また各回の授業内容は、事情によって変わり得ることを承知おきください。
 六法は必携です。また参考書は理解を深めるために有益です。
 

7.
各回の授業内容
【第1回】
 高橋教授による代講(1)   
【第2回】
 高橋教授による代講(2)
【第3回】
 国際私法はなぜ形成されたのか
 国際財産法・国際取引法は、属地的であるが、なぜ国際家族法は属人的か
 国際私法と国際関係、その形成の歴史をたどる
【第4回】
 国際私法の「公序」とはなにか
 法の適用に関する通則法第42条が「公序」と規定するのは、なぜか
【第5回】
 国籍と戸籍
 法の適用に関する通則法が言う「本国法」とは、国籍のある国の法であるが、
 では国籍はどのように決まるのか
 また国籍と戸籍はどのような関係にあるのか
【第6回】
 戸籍について
 日本の戸籍制度、外国にも戸籍はあるのか 外国人は戸籍に載るのか
【第7回】
 婚姻
 日本の婚姻制度は外国とどの程度似ているのか、違うのか
 同性婚は認められるのか
【第8回】
 離婚と夫婦財産制
 日本の離婚制度は外国と似ているのか違うのか
 夫婦の財産は離婚の場合どうなるのか
【第9回】
 親子関係と親権
 嫡出・非嫡出の概念と今
【第10回】
 養子制度
 普通養子と特別養子
 セーフガード条項
【第11回】
 相続と遺言
 国によって大きく異なる相続制度
【第12回】
 家族関係の国際的な紛争はどう解決するか(1)
 国際離婚訴訟
【第13回】
 家族関係の国際的な紛争はどう解決するか(1)
 国際的な家事事件(成年被後見、失踪宣告、離婚時の親権者の指定など)
【第14回】
 ハーグ子の奪取条約とは
 わが国が1980年に採択された条約の批准に手間取ったのはなぜか
【第15回】
 まとめと試験