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授業の概要(ねらい)・ディプロマポリシーとの関連 |
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中学理科や高校生物での生物学実験は、可能な限り生き物に直接触れ観察力を養うことが大切です。身近な材料や題材を用いた基本的な実験を通して観察力を身につけると共に、受講生が将来教壇に立ち指導する立場になることも考え、実験の指導法も学んでもらいます。また、近年、生物学分野においても生き物を直接は扱わない「ドライラボ」実験が注目されていますので、その例を体験する機会も設けています。 なお、この実習では、学科DP1およびDP3に主に、全DPに関する知識と技法、態度を修得します。
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2. |
授業の到達目標 |
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受講生諸君が将来、教育現場で実験授業を企画・運営する力を身につけることができることを目指す。
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3. |
成績評価の方法および基準・フィードバック方法 |
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(1)レポートを毎回提出してもらい、その評価の積算で総合評価を行います。 (2)実験レポートは、実験内容とその結果の報告、そこから導かれる考察を記述することが最低限の要素です。さらに、当科目は教職課程の生物学実験であることも意識し、「自分が指導者だったら何をした(何をする)」という視点での考察も求め評価します。
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4. |
教科書・参考書 |
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(1)独自の実習書を配付します。 (2)「ドライラボ:カエルの模擬解剖」(後述の「7.授業内容」参照)では、下記小冊子を予め購入して実験に臨んでください。一般の店頭販売はなく、教材としてのみ入手可能ですので、教科書販売期間中に必ず購入しておいてください。 鈴木誠(著)「フォトサイエンス生物図録 カエルの模擬解剖」数研出版
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5. |
準備学修の内容・必要な時間 |
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(1)1年次に開講している生物学概論(篠村担当「生物学1」と梶谷担当「生物学2」)を復習し、一般生物学の基礎知識を再確認しておいてください。 (2)中学理科や高校生物で用いた教科書を読み直し、どういう単元でどのような実験が用意され、何をどのように教育しようとしていたのか、「指導する側」の視点で実験系を見直しておいてください。受講生同士でも議論し、新しい発見を見い出し合う機会を持つことを勧めます。 (3)事前に(遅くとも実験日の1週間前には)次回の実験書を配付します。まずは予習をし、実験をシミュレートし、期待される実験成果を得るために重要なポイントや危険が潜むポイントなどを理解した上で実験に臨んでください。この予習に約1.5時間は必要です。実験が終われば、実験レポートをまとめてもらいますが、単に結果をまとめ考察するだけでなく、さらに自分が指導者だったらどう指導するか、どう改善するか等々も考えてください。この復習にも約1.5時間は必要です。
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その他履修上の注意事項 |
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(1)当科目は教職課程登録者のための実験科目です。また、時間割上、同じ時間帯に設定されている「化学実験」は別科目なので、履修登録は別々にしてください。なお、実験日は日程調整をするので、2科目ともに履修登録しても受講可能です。 (2)当科目は「中学1種(理科)」免許取得のためには必修科目となっています。「高校1種(理科)」のみの免許を希望する場合には、選択必修科目となります。詳細は履修要項に掲載されている「各種資格等」の該当ページで確認しておいてください。 (3)「オリガミバードで考える進化のシミュレーション」は、日本進化学会と日本生物教育学会から表彰された教育プログラムです。考案者である山野井先生に直接ご指導いただき、教材開発に関する話題も提供していただきます。 (4)7月下旬(または8月上旬)に「科学の祭典」見学会を実施します(下記「7.授業内容」参照)。会場は科学技術館(東京・北の丸公園内)です。詳細は別途案内します。
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7. |
授業内容 |
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第1回:光合成を身近に感じる実験系〜光合成ペンダント、葉緑素の蛍光 第2回:煮干しを用いた観察系〜チリモン探しから考える海の生態系、煮干しの解剖 第3回:生ま物を使わないドライラボ系〜カエルの紙模型の作成とその模擬解剖 第4回:光学顕微鏡を用いた観察の基本 第5回:微細藻類の採取と観察 第6回:進化の教材〜オリガミバードとそのシミュレーター(または分子系統樹作成ソフトMEGAを用いた生物進化) 第7回:青少年のための科学の祭典全国大会の見学〜新しい実験系、観察系を体験する 第8回:まとめと総合討論
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