ヨーロッパ型スポーツ経営Ⅰ
担当者 大山  高
単位・開講先 選択必修  2単位 [経営学科]
科目ナンバリング SPS-203

授業の概要(ねらい)

本講義は「サッカー」という競技がどのように誕生して欧州から世界へ広がり、今日のような(プロサッカービジネスの)経済的発展までに至ったのかを習得することが目的である。ヨーロッパのプロサッカー界は、W杯での代表チームの成功と各クラブや選手の競争力によって世界をリードしている。しかし、その一方で、ヨーロッパ全体に通ずる「経済不況」により各国のリーグとクラブに格差や「国際化(欧州各国の移民政策など)」が広がっている現状も理解することが必要となる。イングランド、ドイツ、スペイン、イタリア、フランスの欧州五大国トップリーグ経営を概観し、欧州プロサッカークラブの構造と特徴を習得していく中で、本講義ではクラブの資産価値世界一の「マンチェスター・ユナイテッド」と観客動員数世界一の「ボルシア・ドルトムント」を中心に取り上げていく。この二つのクラブが所属する「イングランド・プレミアリーグ」と「ドイツ・ブンデスリーガ」のマーケティングを題材に講義していくが、本講義はヨーロッパ型スポーツ経営(サッカー)の学習に留まらず、日本のJリーグに関するリーグ&クラブマネジメントの基礎知識を各講義で比較研究していくことを(授業の)狙いとする。

授業の到達目標

・ヨーロッパ五大国プロサッカーリーグの概要とリーグ構造の理解
・独ブンデスリーガなどの海外主要クラブのマーケティングの理解
・Jリーグの経営戦略とマネジメントの基礎知識を習得

成績評価の方法および基準

出席:7割以上の出席を前提とする。平常点として30点
試験:期中に授業中テスト(教科書持ち込み可)14点×5回 計70点
※公欠、病欠は証明書があれば認める
以上を総合的に評価する

準備学修の内容

準備学修の内容として、本講義中に使用する『海外のサッカーはなぜ巨大化したのか』ー欧州サッカーの歴史とクラブ経営に学ぶスポーツマネジメントー教科書を授業前に各自熟読しておくこと。また、期中に同著内第6章の「レポート」を提出する。

その他履修上の注意事項

講義を通じて紹介していくスポーツマネジメントの理論と実務をバランス良く習得するための大学プログラムには積極的に参加してほしい。授業中の積極的な発言等で本講義担当教員とのコミュニケーションをとることはできるが、特別に提供される実習プログラムの参加により、学生個々のポテンシャルを教員が理解する良い機会となる。特に、本学では2018年よりドイツのブンデスリーガ古豪クラブ「ボルシア・ドルトムント」と「VfLボーフム」との学術研究パートナーシップを締結して開講するプログラムも多くなるため、積極的な参加を期待している。

授業内容

授業内容
第1回 ガイダンス(帝京大学とボルシア・ドルトムント&VfLボーフムのパートナーシップ契約に関するヴィジョン)
ーなぜ、ヨーロッパ型スポーツ経営を学ぶのかー
スポーツという概念の成立
第2回 欧州発祥「サッカー」の源流と歴史的背景
第3回 近代サッカーの歩みとオリンピックの誕生
ースポーツの近代化を推進した産業革命ー
第4回 スポーツのプロ化が生まれた歴史的背景
ーアマチュアリズムの世界輸出と日本に与えた影響ー
第5回 ニューメディアの台頭とスポーツのグローバル化
ーメディアの発達とスポーツのプロ化ー
第6回 スポーツのグローバル化がもたらしたもの
ー衛星放送がもたらしたサッカーのビッグビジネス(イングランド・プレミアリーグ)ー
第7回 欧州で誕生した「サッカーマーケティング」の試み
ースポーツビジネスも顧客満足度重視の時代にー
第8回 FIFA創設と欧州サッカーの変遷
ー世界最古のサッカー協会設立とFIFA・ワールドカップー
第9回 欧州五大国トップリーグの実情と課題
ーイングランドのプレミアリーグ、ドイツのブンデスリーガ、スペインのリーガ・エスパニョーラー
第10回 欧州五大国トップリーグの実情と課題
ーイタリアのセリエA、フランスのリーグ・アン、+日本のJリーグ
第11回 実務者による講義
『欧州サッカークラブとビジネスをする日本人 オランダ&ドイツ篇』
第12回 サッカーというスポーツの市場規模(欧州とアジアの比較)
第13回 欧州ビッグクラブの事例
ボルシア・ドルトムント/マンチェスター・ユナイテッドの経営戦略
第14回 欧州プロサッカーリーグと日本のJリーグの比較研究
第15回 国際情勢とサッカー/まとめ