担当者 | 神山 英紀 | |
---|---|---|
単位・開講先 |
必修 2単位 [社会学科]
|
|
科目ナンバリング | STS-201 |
社会調査の意義と諸類型に関する基本的事項を解説する。すなわち,社会調査史,社会調査の目的,調査倫理,量的調査と質的調査の解説と例示等である。また,これらを学ぶ意義を理解し,さらに知識を深めていけるよう方向づける観点から,現在多用される分析技法の1つとして,クロス集計についてもその要点を講義する。
・社会調査の意義と諸類型に関する基本的事項,すなわち,社会調査史,社会調査の目的,調査倫理,量的調査と質的調査について知り,それにより,現代社会で実際に行われている社会調査の意味や結果が理解できるようになること。
・とくに現在多用される分析技法の1つとして,クロス集計についてもその要点を理解できるようになること。
・他の社会調査関連科目の授業を正確に理解できるよう,これらの科目で学ぶ内容の基礎を身に付けること。
15回の講義の後半に行われる4回程度のテスト(あるいは課題)の点数を基本にして評価する予定。ただし、今般の予想しがたい環境変化に応じ柔軟に対応する必要もある。早め早めの告示を心がけるので、履修者は、講義初回の詳細な説明はもとより、LMS等を通じた情報収集を怠らないでほしい。
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
---|---|---|---|
教科書 | 『社会調査演習 第2版』 | 原 純輔・海野 道郎 | 東京大学出版会 |
参考文献 | 『社会調査 しくみと考えかた』 | 原純輔 | 放送大学叢書 |
参考文献 | 『社会調査法入門』 | 盛山 和夫 | 有斐閣ブックス |
テキストや開講時に配布される冊子『社会調査法I・IIワークブック』を使って予習・復習を行うとともに、テストの結果から学修の足らぬ点を自分で把握し、次回テストで同じ問題が出題されたとき必ず正解できるようにしておくこと。
毎回聴講し、指示に従ってLMSなどを通じた簡単な課題の提出など作業を行い、作業環境に早めに慣れるようにしてください。
社会調査法IIとともに,毎回出席して作業を積極的に行ってください。電卓などの用具の持参を求めることがあります。社会調査関連科目を同時にあるいは今後履修することが望ましい。
回 | 授業内容 |
---|---|
第1回 | 実際の調査例(1):小規模に行われた実際の社会調査(「文京区住民を対象とする社会的公正観についての調査」)について,企画,ワーディング,サンプリング,実査といった一連の流れを追体験し,社会調査について,そしてこれから何を学ぶべきかについて,大まかなイメージを持つ。 |
第2回 | 実際の調査例(2):前回に引き続き,コーディングや分析,報告書作成といった一連の流れを追体験し,社会調査について,そしてこれから何を学ぶべきかについて,大まかなイメージを持つ。 |
第3回 | 社会調査の目的と意義(1):現代社会を特徴づける活動としての社会調査,そして,世論調査・市場調査・学術調査等として実施される社会調査について知る。 |
第4回 | 社会調査の目的と意義(2):社会調査のデータが実際にどう使われるのか,記述と説明の単純な例をみる。また,社会調査の定義を知り,そこから社会調査の意義を把握する。 |
第5回 | 調査倫理:ASA社会調査倫理綱領や,実際の社会調査の「調査員の手引」などを素材に,調査倫理について学ぶ。いわゆる「調査公害」について,調査者の社会的責任についても講義する。 |
第6回 | 量的調査:量的調査と質的調査の区分について,統計的研究と事例研究という区分と関連付けながら考察を述べる。量的調査とよばれる社会調査の例を示す。あわせて,ネット上で公的統計などのデータを容易に入手できることを教える。 |
第7回 | 質的調査:質的調査の例をいくつか示す。ネットによる新聞記事検索などを行ってみせ,質的と思われるデータが量的に扱える場合もあることを示す。 |
第8回 | クロス集計(1):例えば社会調査史における分析技法の発達を理解するには,現代のデータ分析法の一端は知っておく必要がある。そのような観点等からクロス集計について学ぶ。まず,作業を行いながら,クロス集計を単純集計と比較して理解する。 |
第9回 | クロス集計(2):仮説を確かめる方法としてのクロス集計を知り,クロス表に比率(%)を示すときの原則を理解する。「変数間の独立」の意味や関連の測度を学ぶ。 |
第10回 | クロス集計(3):エラボレーションについて概略を知る。 |
第11回 | クロス集計(4):χ2値について学ぶ。χ2検定についてその考え方を知る。 |
第12回 | 社会調査史(1):世界および日本における社会調査史を学ぶ。とくに,大きな足跡を残した,ブース・ラザースフェルド・安田三郎の3名については,その業績も概観する。まず,ブースの「ロンドン調査」に焦点をあて,その前後の出来事についても時代背景とともに知る。 |
第13回 | 社会調査史(2):ラザースフェルドの「アメリカ大統領選挙についての意見形成プロセスの研究」に焦点をあて,その前後の出来事―たとえば,ギャラップによる割当抽出法の導入など―含め紹介する。 |
第14回 | 社会調査史(3):安田三郎の社会移動に関する業績に注目して紹介し,さらに,その前後の調査史もみる。すなわち,村落調査やいわゆる「安田=見田論争」等。 |
第15回 | 「社会調査の基本的事項」についての補足とまとめ |