宗教学Ⅱ
担当者 高橋 裕史
単位・開講先 選択  2単位 [社会学科]
科目ナンバリング RES-102

授業の概要(ねらい)

現在の私たちの日常生活において、宗教を強く意識する機会や局面は、少ないかもしれない。しかし、よく注意してみると、私たちが宗教と接する、あるいは接している場面は意外に多い。例えば、パレスチナ問題の淵源は、旧約聖書の記述に端を発していることを、どれだけの人が知っているだろうか。国際化の激流に飲まれている日本/日本人にとって、宗教の知識は重要なリテラシーの一つとなっている。そこでこの授業では、宗教の持つ様々な側面や役割について、歴史の文脈を中心に、じっくりと見つめ直し、宗教に関する歴史的知見の涵養に努めることにする。

授業の到達目標

・宗教に対する客観的な知識と把握の仕方を習得する。
・上記の方法を身につけることで、宗教への偏見や誤解を無くし、宗教と理知的に接する姿勢を習得する。

成績評価の方法および基準

・日本の大学の単位修得が容易過ぎるとの批判を受けて久しいが、この授業では、成績評価を厳格に実施する。
・そのための具体的な方法は、以下の通りである。
①複数回の講義内試験40% 中間試験30% 最終試験30%を基準とする。
②レポートを課した場合、レポートの期限までの提出が、平常点に加味される。
*レポートの課題は、インターネットでのコピーによる安易な作成を防ぐために、高橋が配布した文献の内容に関する解答を中心としたものとなる。レポートは指定した講義日の開始時に回収する。
③出席は単位認定を担保するものではない。つまり、皆勤であっても試験等の成績が悪ければ単位の認定は難しい。
④講義時の態度も、単位認定および成績評価に反映される。

教科書・参考文献

種別 書名 著者・編者 発行所
教科書 ・特定の教科書は無いが、講義の際に必要に応じて紹介する「参考文献」が、教科書に準じる教材となる。
参考文献 各回において、必要に応じて紹介する。

準備学修の内容

・高度に専門的な著作物を読む必要はないが、新聞、テレビのニュースなどで、宗教問題が取り上げられているかどうかを確認し、取り上げられていた場合は目を通しておくこと。
・少なくとも、この授業では、私語を慎み、分からない部分が多くても、将来の自分への自己投資と思って我慢強く講義に望むことを、自分に言い聞かせること。

その他履修上の注意事項

*なお、このシラバスの記載内容とは、多少異なる形やテーマで、実際の講義が進む可能性もあることを、了解されたい。
①「おしゃべり」「電話」は厳禁とする。した場合この講義の履修を事実上「放棄」したものとみなし、即座に教室から退室してもらう。
②受講態度=遅刻、私語、内職、講義の途中退室、やる気のない態度や姿勢(イヤホンやヘッドホンを着用し、椅子にだらしなく腰掛けるなどその他)の悪い学生、真面目に事業を受けようとしている学生諸君の気力に水を差すような言動をする学生については、受講を認めない。
③試験は講義内容を踏まえ、じっくり考え、論理的に論述するような問題となるので、遅刻や欠席が多いと単位は不可能なので、この点も考えて受講を決めて貰いたい。因み三昨年度の本科目の単位非認定率はおおよそ50%で、「落単」科目である。
④インターネット上で本学の評価を調べ、そこに書かれている内容を自分なりに考えて貰いたい。受講学生である諸君一人一人の態度や姿勢が、帝京大学の「今と将来」の社会的「評価」を決定することを肝に銘じてほしい。
⑤大学の授業は高校の授業の延長では無いので、その積もりのレベルと内容の講義をするので、心得ていて貰いたい。

授業内容

授業内容
第1回 ガイダンス(講義内容の説明、守るべき規範事項の説明、講義の進め方その他)
第2回 なぜ宗教史は必要なのか
第3回 代表的宗教に関する「誤解」「無知」
第4回 宗教史に無知であるとどうなるか
第5回 ユダヤ民族の歴史
第6回 ユダヤ教の成立
第7回 ユダヤ教の特色と「律法」
第8回 講義内試験(持ち込み不可)
第9回 イエス・キリストについて
第10回 キリスト教の成立
第11回 聖書をめぐる諸問題
第12回 鎮護国家と仏教
第13回 中近世日本の神道とキリスト教禁令
第14回 日本ではなぜキリスト教は根付かなかったのか
第15回 まとめと「試験」
注意:試験は定期試験期間での実施もあり得る