担当者 | 菊池 正 | |
---|---|---|
単位・開講先 |
選択 2単位 [国際経済学科]
|
|
科目ナンバリング | ECP-308 |
開発経済学は途上国を対象とし、経済成長論や発展論といった経済理論、投資・貿易の経済効果や貧困指数の計測といったデータ分析、そして一村一品運動や農村のコミュニティ調査といったフィールドワークを通じて、途上国の経済発展を研究し、先進国と途上国の調和(Win-Win“ウイン・ウイン”)がとれた共存の道を探求する学問である。
開発経済学で大切なことは、経済理論、データ分析、そしてフィールド調査等のどのようなアプローチを取るにせよ、現場をしっかり見て考えることである。地球の人口の約3/4以上が途上国の人々である。必然的に、これら途上国が直面している課題を知るには、読まなければならない文献の量も多くなる。本授業ではアメリカなどの海外の大学生に比較的よく読まれている「トダロとスミスの開発経済学」(マイケル・P. トダロ、ステファン・C. スミス著)の「後半」、そして外務省他の関連機関による開発経済学の情報を参照し講義する。
開発経済学で肝要なことは、持続可能な開発の在り方を、途上国の人々と一緒に考え、気候変動をはじめとする地球規模の課題に目を向けることである。地球上の全ての人々が豊かになればそれに越したことはないが、食糧供給量の制約の下で、果たして可能であるか否か。逆に、日本をはじめとする先進国で、食糧が無駄に消費されているとすれば、日本でも途上国の支援が出来る方法が見つかるかもしれない。諸君には、個々の立場から、途上国(地球上)の人々と共存できるには、何ができるかを考察し、自分の意見が言えるようになってもらいたい。本クラスを受講する学生には開発経済論Iの履修を勧める。
成績は平常点(授業貢献や提出物:40%)と期末評価(レポート/試験:60%)の結果により、総合的に評価する。詳細は、最初の講義で説明する。
日々から時事問題に目を通し、世界経済、開発途上国の事例に関する情報収集をしておくこと。その上で、授業では開発経済学分野の実学とは何かを考えてほしい。
授業前にしっかりと授業で指定する文献を読んでおくこと。訪れたい途上国が見つかれば、さらに開発経済学が好きになれると思う。一度も休まない意志を持つ学生の受講を期待する。
回 | 授業内容 |
---|---|
第1回 | はじめに:開発経済学へのいざない |
第2回 | 都市化及び農村から都市への人口移動(I) |
第3回 | 都市化及び農村から都市への人口移動(II) |
第4回 | 人的資本:経済開発にかかる教育と健康(I) |
第5回 | 人的資本:経済開発にかかる教育と健康(II) |
第6回 | 農業の変容と農村開発(I) |
第7回 | 農業の変容と農村開発(II) |
第8回 | 環境と開発(I) |
第9回 | 環境と開発(II) |
第10回 | 開発政策策定と市場、国家及び市民社会の役割(I) |
第11回 | 開発政策策定と市場、国家及び市民社会の役割(II) |
第12回 | 21世紀の重要課題(I) |
第13回 | 21世紀の重要課題(II) |
第14回 | 議論・意見交換: 開発経済の展望と課題 |
第15回 | まとめ |