心理学研究演習Ⅰ
担当者 大江 朋子
単位・開講先 必修  2単位 [心理学科 2018年度以降]
科目ナンバリング SEM-301

授業の概要(ねらい)

自分と他者を含む社会的な世界に人は日々向き合い,その世界にかかわる情報をさまざまかたちで処理し,判断や行動につなげている。社会的な世界についての情報処理過程は社会的認知(social cognition)と呼ばれ,その研究領域では,人が社会的な情報をどのように解釈し,予測し,判断や行動につなげているかや,そこでの誤りやバイアスがなぜどのように生じるかを把握しながら,「人とはいかなる存在か」という問いが探求されている。この授業では,教員が用意するテーマに基づいて社会的認知を研究するための方法を学び,自ら設定したリサーチクエスチョンに基づいて研究計画を遂行していく力を身に着ける。具体的には,実験や調査の計画を立案し,それに基づいて方法を丁寧に練り,データを収集し,分析し,考察し、文章化するという一連の流れを体験的に理解する。これらを通して,科学的思考力,問題解決力,文章表現力,コミュニケーション力を総合的に高めていく。

授業の到達目標

①研究の目的と計画に応じた適切な方法を考案し,その方法を実行することができる。
②研究手続きに従って丁寧かつ積極的にデータを収集することができる。
③適切な方法でデータを分析し,妥当な考察をすることができる。
④科学的かつ論理的に考え,発表,議論,レポートにおいてそれを効果的に伝えることができる。
⑤先行研究を踏まえたうえで独自性のある研究計画を立案することができる。

成績評価の方法および基準

「授業の到達目標」にある①~⑤を積極的かつ丁寧に行っているかを,実験や調査への取り組み,発表,レポートから総合的に評価する。

教科書・参考文献

種別 書名 著者・編者 発行所
教科書
参考文献
参考文献
参考文献

準備学修の内容

・研究は個人で進めていくこともあるが,関心が近い者どうしの少数名のグループで協力体制をとりながら進めていくことが多い。普段から研究実施に関わる課題を共有し,ミーティングをして話し合い,今後行っていくべき点をまとめておく。
・国内外で行われている先行研究をレビューする。研究の進行に応じて,分析や考察を行う。それらを発表資料やレポートにまとめる。
・研究で用いる材料(e.g., 画像,動画,物品)を用意する。研究実施に必要となる機材各種(e.g., 撮像機材,生体反応記録装置,VR用ヘッドセット)の使用方法を学ぶ。
・ソフトウェア(e.g., データ解析ソフト,実験課題作成用ソフト,生体反応記録用のソフト,モーフィングソフト,VR実行ソフト)の使用方法を学ぶ。
・「心理学研究法Ⅰ(実験計画法)」及び「心理データ応用解析法」を受講することが望ましい。

その他履修上の注意事項

・データ収集の際には,適切にデータを取得できるよう細心の注意を払うこと。
・時間割上の授業時間だけで行えるものではなく,それ以外の時間にもグループごとに時間を作って実習を行っていく必要があることに留意してほしい。
・グループ内で作業を分担する際には,一部のメンバーが一部の作業のみをするのではなく,全てのメンバーが同じ作業を体験できるように配慮してほしい。
・学内外での実験協力者あるいは調査協力者をつのる際には,倫理的問題や社会的責任を忘れないでほしい。

授業内容

授業内容
第1回 授業についての説明、研究テーマの紹介、研究グループの決定を行う。
第2回 研究実施にあたっての倫理的な配慮を学ぶ。グループごとに研究実施準備をする。
第3回 研究手続きの実行について学ぶ。グループごとに研究実施準備をする。
第4回 グループごとに研究を実施をする。研究計画を発表し議論する。レポート作成について学ぶ。
第5回 グループごとに研究を実施をする。研究計画を発表し議論する。レポート作成について学ぶ。
第6回 グループごとに研究を実施をする。研究計画を発表し議論する。レポート作成について学ぶ。
第7回 グループごとに研究を実施をする。研究計画を発表し議論する。レポート作成について学ぶ。
第8回 グループごとに研究を実施をする。研究計画を発表し議論する。レポート作成について学ぶ。
第9回 グループごとに研究を実施をする。研究計画を発表し議論する。レポート作成について学ぶ。
第10回 グループごとに研究を実施をする。研究計画を発表し議論する。レポート作成について学ぶ。
第11回 グループごとに研究を実施をする。研究計画を発表し議論する。レポート作成について学ぶ。
第12回 グループごとに研究を実施をする。研究計画を発表し議論する。レポート作成について学ぶ。
第13回 グループごとに研究を実施をする。研究計画を発表し議論する。レポート作成について学ぶ。
第14回 研究成果を発表し,今後の研究の方向性をまとめる。
第15回 研究成果を発表し,今後の研究の方向性をまとめる。(オンライン)