Web Syllabus(講義概要)

2019年度

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機械工学要論(Introduction to Mechanical Engineering) 平本 隆
1年 前期 専門基礎科目選必 2単位
【航空・前期】 19-1-0235-3035

1.
授業の概要(ねらい)・ディプロマポリシーとの関連

高校までに学んできた理科や数学では扱われていなかった「もの創り」に直結することがらについて、機械工学の分野の基礎的、汎用的な項目を抽出して、基本的事項や原理を学びます。そして、これらの項目を理解することで機械工学の全体像を把握します。扱う範囲は広いものになりますが、どれも身近な機械とつながった事項ですので、具体的なイメージと結びつけながら学びます。
この講義では、DP1に関する知識を修得します。
本科目は、実務経験のある教員による授業です。担当教員は企業において、航空機設計、回転翼機統括業務に携わっており、授業では、企業における実例や実体験、現場での課題などを題材とした議論等を行います。

2.
授業の到達目標

機械工学の扱う分野は機械全般を対象としています。航空宇宙分野で扱う航空機やロケットもその一つに過ぎません。機械工学の広い領域を短期間ですべて理解することは困難ですが、講義では、これらの中で機械を作る(創る)ために必要な事項のうち、基本的な項目を学修します。これらは今後関わっていく専門講義や研究のベースとなる項目です。
具体的には、毎回の講義において、重要項目をKey Word として示すので、それらの意味、意義、使い方等を理解して説明できることを目標とします。

3.
成績評価の方法および基準・フィードバック方法

学期末の定期試験(80%)および、適宜実施する理解度テスト(20%)の結果で成績を評価します。
理解度テストでは、試験後に解答・解説を配布します。

4.
教科書・参考書

講義では、「わかりやすい機械工学、第3版」、松尾哲夫他著、森北出版社、ISBN 978-4627650336 をテキストにします。
また、毎講義では重要事項のまとめ(Key Word)を配布するので、学習に役立ててください。
講義で提示する説明資料はLMSで公開します。

参考書となる機械工学の概論を扱う文献は多くあります。代表例として以下を上げておきます。
 「新しい機械の教科書 第2版」、門田和雄著、オーム社、ISBN 978-4274214608
 「機械工学総論」、日本機械学会編、日本機械学会、ISBN 978-4888982160

5.
準備学修の内容・必要な時間

航空宇宙工学科のような機械系の学科に進学した人は、少なからず機械に興味があると思います。飛行機、ヘリコプター、人工衛星だけでなく、自動車やバイクが好きな人もいることでしょう。どんな機械でも構わないので、それらの構造や部品に興味を持ってください。そして、実機、書籍、博物館、ネットなどを活用して、知識の量と幅を増やしてください。また、講義では適宜、簡単な例題、課題を出しますので、ノートに回答を書いて復習に活用し、講義に持参してください。
通常の講義については、LMSに講義資料を示しますので、事前に見ておいてください。(30分~1時間)

6.
その他履修上の注意事項

講義で学ぶ内容は、すべてが今後学修する航空宇宙工学の専門科目と強く連動していますので、基本事項として、確実に理解することが大切です。
授業は基本的には講義形式ですが、意見交換や討議など対話形式も適宜取り入れます。

7.
授業内容

【第1回】
機械工学とは:機械の定義、歴史を知り、機械工学の体系を理解する
【第2回】
機械の仕組み:機械を動かす基本的な機構と動力学の基本について学ぶ
【第3回】
機械材料(1):機械に使用されている材料のうち、鉄鋼材料について学ぶ
【第4回】
機械材料(2):機械に使用されている材料鉄鋼以外の非鉄金属材料および複合材料について学ぶ
【第5回】
機械の強度(材料力学)(1):材料力学の基本である材料強度、応力とひずみについて学ぶ
【第6回】
機械の強度(材料力学)(2):機械構造を構成する基本的な要素である梁の曲げと柱の座屈について学ぶ
【第7回】
機械要素と機構学:機械を動かす基本的な機構、動力伝達に関わる機械要素について学ぶ
【第8回】
機械要素と設計:機械設計の考え方、許容応力と安全余裕、代表的な機械要素であるネジについて学ぶ
【第9回】
機械製図:設計結果の表現方法である製図のうち、投影法の基本である第三角法、はめあい公差について学ぶ
【第10回】
機械工作法:鍛造、鋳造、切削、研削、特殊加工等機械製造に関わる工作法について学ぶ
【第11回】
機械力学:機械が動く機構、往復機械、回転機械について学び、機械振動の基本を理解する
【第12回】
熱力学と熱機関:機械を動かすためのエネルギー変換装置である熱機関、原動機について理解する
【第13回】
流体力学と流体機械:機械に使われる流体の運動を流体機械を通じて理解する
【第14回】
制御:自動制御とシーケンス制御を中心に、機械における代表的な制御方式を学ぶ
【第15回】
情報処理とまとめ:機械設計に用いられるCAD/CAM/CAEなどコンピュータを使った技術について学ぶ