Web Syllabus(講義概要)

2019年度

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基礎製図(Introduction to Drawing) 平本 隆
2年 前期 専門基礎科目必修 2単位
【航空・前期】 19-1-0266-3035

1.
授業の概要(ねらい)・ディプロマポリシーとの関連

機械を設計するためには、それを構成する部品の材料選定、強度評価、製造・組立法の検討が必要になります。また、ネジ等の機械要素を要求仕様に合致するよう適切に選定する必要もあります。得られた設計情報は「図面」という手段を使って製造現場に伝達されます。この図面を作成する作業が「製図」です。情報を正しく伝えるために、製図に関する種々の規則が定められています。授業では、これらの規則を理解し、製図用具を使って実際に図面の作成を行います。
この講義では、DP1に関する知識とDP3に関する目標達成意志養成を狙います。
本科目は、実務経験のある教員による授業です。担当教員は企業において、航空機設計(特に固定翼機、回転翼機の構造設計)業務に携わっており、授業では、企業における実例や実体験、現場での課題などを題材とした議論等を行います。

2.
授業の到達目標

機械製図法と製図規則を修得し、課題実習を通して機械製図の基本を理解します。具体的には、下記項目を目標とします。
①投影法を理解し、三次元物体を二次元平面に変換して描くことができる
②寸法記入、公差等基本的な製図規則を理解し使うことができる
③ネジ、歯車等機械要素の働きと製図法を理解し図面に表現することができる

3.
成績評価の方法および基準・フィードバック方法

毎回の講義において出題する課題の提出を評価の前提とします。
提出された各課題により成績を評価します。
課題は、チェック後に返却するので、理解度、目標到達度の確認に使ってください。

4.
教科書・参考書

「機械設計・製図の基礎 第2版」、塚田忠夫著、数理工学社、ISBN 978-4901683685 を教科書とします。
また、「JISにもとづく標準製図法 第14全訂版」、大西清著、理工学社、ISBN 978-4274221187 も定評のある書籍であり、十分な内容です。
講義では、どちらでも対応できるように進めるので、いずれかを授業に必ず携行していつでも参照できるようにしてください。作図する場合も読図する場合でも必要です。

5.
準備学修の内容・必要な時間

基本的な製図用具(三角定規、コンパス等)が使いこなせるように練習しておくことが望ましいです。
毎講義に課題を出します。概ね講義時間内で完成できるようなレベルにしますが、間に合わない場合は次回講義提出でも可としますので、きちんと最後まで完成させてから提出してください。
また、毎回の講義内容は教科書およびLMSで資料でわかりますので、講義の前に読んでおいてください。(30分)

6.
その他履修上の注意事項

課題は図面作成が基本です。A4サイズの方眼紙、三角定規、コンパス等の製図用具を必ず持参してください。
4項でも記載しましたが、教科書を持参することも忘れないようにしてください。

7.
授業内容

【第1回】
機械製図の基礎:機械製図の意義、製図規則の目的、製図用具の使い方等図面の基本を学ぶ
【第2回】
投影法:基本図形の作図法と第三角法を中心とした投影法について学ぶ
【第3回】
図形の表し方(1):見えにくい部分を示す部分投影、断面図による表現を学ぶ
【第4回】
図形の表し方(2):形状を立体的に理解するための等角図、アイソメトリックについて学ぶ
【第5回】
寸法記入法(1):寸法記入の原則、寸法配置、数値記入等の原則を学ぶ
【第6回】
寸法記入法(2):直径・半径寸法、補助記号、アナ加工等基本的な加工方法指示の記入法を学ぶ
【第7回】
寸法公差とはめあい:公差の考え方、はめあいの種類と表記法について学ぶ
【第8回】
まとめ(1):これまで学修した項目を含むいくつかの機械部品の製図
【第9回】
幾何公差(1):軸の直線性等幾何学的な公差、幾何公差の意味について学ぶ
【第10回】
幾何公差(2):部品組立の際に重要となる位置度公差、加工の合理性を考慮した最大実体公差方式について学ぶ
【第11回】
表面性状:製品の仕上げ状態の要求の考え方と図示方法について学ぶ
【第12回】
主要な機械要素(1):ネジの規格と図示方法について学ぶ
【第13回】
主要な機械要素(2):歯車の種類と図示方法について学ぶ
【第14回】
主要な機械要素(3):転がり軸受の性能と図示方法について学ぶ
【第15回】
まとめ(2):幾何公差指示を含む機械部品の製図を行う