Web Syllabus(講義概要)

2019年度

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航空宇宙電気・電子工学(Electric and Electronic Engineering for Aerospace) 芳谷 直治
2年 前期 専門科目選択 2単位
【航空・前期】 19-1-0278-2016

1.
授業の概要(ねらい)・ディプロマポリシーとの関連

電気技術や電子技術は、あらゆる技術分野で利用されており、航空宇宙分野でも重要性を増しています。現代の航空機や宇宙船の運用には、種々のセンサーで状況を把握しながら適切な制御を行なうことが不可欠であり、電気・電子技術はその基礎になっています。
この授業のねらいはDP2に関する知識,技法,態度を習得することであり、電気・電子工学や電気機器の基礎を理解するとともに、実際の回路や電気機器への応用力を身につけることです。

2.
授業の到達目標

1年次の授業「電気・電子工学要論」の基本事項を復習して、電気の基礎をしっかりと身につける。
電子回路の基礎として、ダイオードやトランジスタの特性、各種電子回路の動作原理について理解し,簡単な回路について電圧や電流を計算できる。
電動機や計測・制御用電子機器の原理を学び、実際の航空機やラジコン飛行機・無人機に用いられている電動機・電子装置・計測制御装置について理解を深める。

3.
成績評価の方法および基準・フィードバック方法

授業では、説明の後適宜問題を出し、受講者はその答案の提出が必要とされます。授業への質問や要望があれば,答案とともに出してください。問題の解答や質問への答は、次の授業で説明するとともに、受講者の反応や理解度を把握して、授業を進めます。
問題を正解できなかった場合は、できなかった理由を必ず把握してください。
成績評価では期末試験を80%、授業中に出した問題の答案内容を20%として評価します。

4.
教科書・参考書

教科書:加藤昭英(著),「航空工学講座[9] 航空電子・電気の基礎(Avionics Basic) 第4版」,(社)日本航空技術協会, (2008),
ISBN-13: 978-4902151589

5.
準備学修の内容・必要な時間

電気回路や電子回路において、電圧・電流などの相互の関係やこれらの時間的変化を表わすには、微分・積分・三角関数・複素数などの基本を理解していることが必要であり、理解不十分な場合はこれらの分野を事前に勉強しておいてください。
授業ではほぼ毎回、復習に役立つ問題を出すので、その答案を必ず提出するとともに,授業で学んだ個所は必ず復習してください(1時間程度)。
また、次回の授業予定を知らせるので、次回授業までに教科書の該当部分に目を通し、わからない語句はできるだけ調べてノートに書いて、それを持参して授業に臨んでください(1時間程度)。
当該期間に30時間以上が,上記の予復習と問題解答に必要です.

6.
その他履修上の注意事項

電気・電子工学の知識は機械整備,生産管理,開発・設計などの技術系の業務に必要不可欠であり、この授業で基礎を身につけることができます。

7.
授業内容

【第1回】
電気の基礎の復習(1):直流回路,オームの法則とキルヒホッフの法則
【第2回】
電気の基礎の復習(2):交流回路,インダクタンス・キャパシタンス・インピーダンス
【第3回】
PN接合の原理,ダイオードの特性
【第4回】
接合トランジスタの特性と基本増幅回路
【第5回】
電源回路と整流方法
【第6回】
帰還増幅回路,増幅度,デシベル
【第7回】
共振現象と発振回路
【第8回】
振幅変調の原理,振幅変調回路と復調回路
【第9回】
周波数変調,パルス変調の原理
【第10回】
変圧器,直流電動機の原理と特性
【第11回】
交流電動機の原理と特性
【第12回】
電子機器を用いた計測と制御
【第13回】
航空機における電動機と電子機器
【第14回】
無人航空機における計測・制御装置
【第15回】
テスト,まとめ:授業内容をまとめた解説と試験