Web Syllabus(講義概要)

2019年度

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システム工学1(System Engineering1) 芳谷 直治
2年 後期 専門基礎科目選必 2単位
【航空・後期】 19-1-0291-2016

1.
授業の概要(ねらい)・ディプロマポリシーとの関連

「システム」とは、相互に関連する複数の要素で成立している「集合体」を意味します。具体例は、自然界の「生態システム」、世界全体の「経済システム」、工場の「生産システム」、企業や大学の「コンピュータシステム」など、多方面にわたります。「システム工学」とは、このようなシステムの性質の解析や、システムの計画・設計・運用を行なうための技術であり、種々の数学的手法を用います.システム工学は、本質的に複雑な自然現象の理解や、急速に複雑化している人工システム(機械システム、社会システムなど)の解析と最適化のために、重要性を増しています。この授業のねらいはDP1に関する知識・技法を習得することであり、システム工学の基本を理解するとともに、実際のシステムへの応用力を身につけることです。

2.
授業の到達目標

システムの変数間の関係やその挙動(動き)の表現方法,すなわち「モデル作成方法」について理解し,簡単なシステムについてモデルを作成できる。
動きの解析のために、モデルを用いてシステムの動きを「模擬(シミュレーション)」する方法を理解し,コンピュータを用いてシミュレーションができる。
システムの動きが最適となるように計画または運用する方法、すなわちシステムの「最適化法」を理解し,簡単なシステムについて,コンピュータを用いて最適化を実行できる。

3.
成績評価の方法および基準・フィードバック方法

授業では、説明の後適宜問題を出し、受講者はその答案の提出が必要です。授業への質問や要望があれば,答案とともに出してください。問題の解答や質問への答は、次の授業で説明するとともに、受講者の反応や理解度を把握して、授業を進めます。
問題を正解できなかった場合は、できなかった理由を必ず把握してください。
成績評価では期末試験を60%、授業中に出した問題の答案内容を15%、実習レポート内容を25%として評価します。

4.
教科書・参考書

教科書:田村 坦之(編著)「システム工学」(オーム社) ISBN-13: 978-4274131677, \1,824
実習で用いるソフトウェア:Microsoft Excel

5.
準備学修の内容・必要な時間

システム工学では,対象とするシステムの動きを通常、微分方程式を用いて表わします。したがって授業内容の理解のためには、微分と積分の基本を理解していることが必要であり、理解不十分な場合はこれらの分野の勉強をして,要点をノートにまとめて授業に臨んでください。
授業ではほぼ毎回、復習に役立つ問題を出すので、その答案を必ず提出するとともに,授業で学んだ内容は必ず復習してください(1時間程度)。 また、次回の授業予定を知らせるので、次回授業までに教科書の該当部分に目を通し、わからない語句はできるだけ調べて、ノートに記して授業に臨んでください(1時間程度)。
当該期間に30時間以上が,上記の予復習,問題解答,レポート作成に必要です.

6.
その他履修上の注意事項

システム工学の各種手法ではコンピュータを用いるので,CL教室におけるコンピュータ実習も数回行ないます。
システム工学の考え方はほとんどの技術分野で使われており、コンピュータの普及により実用性を増しています。この授業で基本を身につけましょう。

7.
授業内容

【第1回】
システム工学の特徴と重要性,システムの表現法,モデリングの目的・手順・注意事項
【第2回】
モデルの分類,数学モデルの種類:静的/動的,確定/確率,線形/非線形,連続時間/離散時間,ミクロ/マクロ
【第3回】
図的モデルの種類:信号モデル(ブロック線図,シグナルフロー線図),フローモデル(ネットワークモデル,フローチャート),離散事象モデル(状態遷移図と具体例)
【第4回】
数学モデルの作り方(1):微分方程式によるモデリング,ラプラス変換の概要,伝達関数によるモデリング
【第5回】
数学モデルの作り方(2):入出力データを用いたモデリング−−重回帰分析と最小二乗法
【第6回】
コンピュータ実習:重回帰分析(1)
【第7回】
コンピュータ実習:重回帰分析(2)
【第8回】
コンピュータシミュレーションの原理,生態系のモデリング(微分方程式表現)
【第9回】
微分方程式の数値解法:オイラー法の原理,生態系モデルへの適用
【第10回】
コンピュータ実習:生態系シミュレーション
【第11回】
システムの最適化:最適化問題の考え方と一般的表現,目的関数と制約条件,線形計画法と具体例(飼料配合問題)
【第12回】
非線形計画法における最適点探索(勾配法)
【第13回】
コンピュータ実習:線形・非線形最適化
【第14回】
制約付非線形最適化,ペナルティ法,
【第15回】
テスト,まとめ:授業内容をまとめた解説と試験