Web Syllabus(講義概要)

2019年度

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航空機工作法(Aircraft Manufacturing) 井上 智洋
2年 後期 専門科目選択 2単位
【航空・後期】 19-1-0297-4693

1.
授業の概要(ねらい)・ディプロマポリシーとの関連

 航空機の構造およびその部品に使用される材料や熱処理に関する基本知識、代表的な工作法である組立、機械加工、板金加工、接着組立、複合材加工及び表面処理、塗装、ならびに、検査法概要などについて広く解説します。
また、実際の機体(T-2、T-3)をとおして、使われている部品の形状、材質、加工方法等を考えます。
 この講義では、DP1、DP2に関する知識習得等を目指します。

2.
授業の到達目標

以下を理解することを目標とします。
(1) 航空機工作の特徴
(2) 航空機構造部品に適用される主な材料、工作法、検査法や加工設備の概要
(3) 基本的航空機部材についての工作法の推察

3.
成績評価の方法および基準・フィードバック方法

 成績は、実機部品の工作法に関する実習レポート(30%)と定期試験の結果(70%)を合わせて評価する予定です。

4.
教科書・参考書

 教材はLMS上に提示します。

(参考書)
 半田邦夫著 『航空機生産工学』 (オフィスHANDS)
 『航空機の基本技術』 (日本航空技術協会)

5.
準備学修の内容・必要な時間

 自分の身の回りにあるさまざまな製品がどのように製造されているのか、世の中にどのような加工方法があるのかについて普段から興味を持ち、さらに、航空機(あるいは、輸送機器全般)の部品がどのように加工されたのかを、自分なりに調査し考える習慣をつけてください。具体的には、講義内容に合わせて、格納庫の機体の部品を見るようにしてください。(約30分/回)

6.
その他履修上の注意事項

 講義内容は進捗状況に応じて変更する場合があります。
提示した参考書は、講義・教材の学習および理解を深める助けになります。必要に応じて参考にしてください。

7.
授業内容

【第1回】
航空機製造の特色:
輸送機器としての航空機の構造、生産形態、製造・加工方法などの特徴について概略を学ぶ。
【第2回】
検査法:
 製造品の品質を保証するための検査の手法に関して、寸法公差, 測定と検査, 非破壊検査などについて学ぶ。
【第3回】
構造組立:
 部品どうしを結合,組立てる工作法について学ぶ。
【第4回】
航空機構造材料(1):
 航空機構造に用いられる材料について、各種の素材および構造部品加工の特徴について学ぶ。
(1)では構造材料全般とアルミニウム合金、マグネシウム合金をとりあげる。
【第5回】
航空機構造材料(2):
 前回につづき、チタン合金、鋼、ステンレス鋼、非金属材料をとりあげる。
【第6回】
板金加工(1):
 航空機構造の部品加工法のひとつである板金加工についての概説と、曲げ,成形他の各種加工法を学ぶ。
【第7回】
板金加工(2):
 前回に続き曲げ,成形,特殊加工法を学ぶ。
【第8回】
機械加工(1):
 航空機構造の部品加工法のひとつである機械加工についての概説と、切削加工,数値制御加工などの各種加工法を学ぶ。
【第9回】
機械加工(2):
 前回に続き、研削加工,他の機械加工法を学ぶ。
【第10回】
金属接着、複合材加工(1):
 接着技術を用いた部品製造,組立を学ぶ。
【第11回】
金属接着、複合材加工(2):
 複合材を用いた構造の加工,組立法を学ぶ。
【第12回】
溶接、特殊加工:
 溶接およびその他の特殊な加工法について学ぶ。
【第13回】
表面処理、塗装:
 航空機構造およびその製造工程に用いられる表面処理技術や塗装に関して、その目的や適用方法について学ぶ。
【第14回】
まとめ、および、格納庫の実機による実習(構造部材と工作法の考察)(1):
 ここまでに学んだ内容について復習する。また、格納庫の実機の構造に使われている工作法について考察を行ないレポートを作成する。
【第15回】
格納庫の実機による実習(構造部材と工作法の考察)(2):
 前回に続き実習を行ないレポートを仕上げる。