Web Syllabus(講義概要)

2019年度

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航空宇宙工学実験1(Experiments in Aerospace Engineering1) 平本 隆
3年 前期 専門基礎科目必修 3単位
【航空・前期】 19-1-0309-3035

1.
授業の概要(ねらい)・ディプロマポリシーとの関連

流体・空気力学分野、原動機・燃焼分野、シミュレーション分野、材料・構造特性分野の4分野から、航空宇宙工学に必要な基礎的な実験手法とその解析方法を実習します。実験レポートの書き方、プレゼンテーションの方法についても個別指導を行います。少人数のグループ単位で行う実験は教員と密に議論して、理論に基づいて現象の理解を深めることができる非常に貴重な経験です。技術者としての自覚を持って、各自がオリジナリティの高い実験レポートに仕上げるよう努力してください。図書館を利用して、実験に関連する文献の調査を行い、講義で学修した様々な理論と実験を結びつけ、実学として理解することが重要です。コミニュケーション能力、問題発見・問題解決能力を養うことができます。この授業はDP1,DP2,DP3そしてDP4に関する知識、技法、態度を修得します。

2.
授業の到達目標

これまで講義で学んだ航空宇宙工学に関する内容を、実験およびシミュレーションによって,体験的に学修します。さらに実験内容を正確に報告するために実験レポートのまとめ方について学びます。航空技術者として必要な様々な内容の基礎的な実験をグループで行い、実験結果を整理し、グループ内で活発な議論を行い、内容をより深く考察します。各実験テーマについて、目的、原理、実験方法、実験結果、考察、結論の順で詳しく記述した実験レポートを提出し、レポートが合格することが必要です。卒業研究につながる計画、実験、考察、実験報告書の作成ができるようになることを到達目標としています。

3.
成績評価の方法および基準・フィードバック方法

1~10の各テーマの実験について、毎週欠かさず出席し、実験およびその解析を行います(平常点)。さらに,すべての実験についてレポートを提出し,各担当教員から合格判定を得ることが必要です(レポート点)。成績は各実験テーマの平常点とレポート点を合計した点数て評価します。前期は前期中に行った5テーマの得点を集計して,その平均点が評価点となります。ただし,5テーマのうち1テーマでも合格点(60点)に達していない場合は,航空宇宙工学実験1の成績が不合格となります。レポート提出後、教員が評価し、個別にレポート指導を行います。

4.
教科書・参考書

航空宇宙工学実験1,2解説書(平成31年度版)を配布します。
関数電卓,定規,コンパス,グラフ用紙は必ず持参してください。その他必要なものについては,各実験テーマの担当教員の指示に従ってください。

5.
準備学修の内容・必要な時間

配布された実験指導書には原理および実験内容が詳細に書かれています。事前にしっかりと指導書を読み、予習しておいてください。疑問点を質問できるように準備してください(1時間)。実験が終了したら、ただちに実験の内容と結果を実験ノートを参照し、レポートにまとめてください。実験テーマごとに参考文献が載っていますから、レポートを書くときは図書館等で調べたり、時間中にグループ内で議論した内容を自分の言葉でしっかり考察することが重要です(3時間)。レポートは他人に実験について報告するための文章ですから、形式に従って、図・表を用いながら自分の考えをわかりやすい文章で表現することが大切です。

6.
その他履修上の注意事項

遅刻,欠席をしないようにしてください。やむを得ない理由で欠席する場合は,スケジュールを確認し,予定の担当教員に届けを出すことが必要です。

7.
授業内容

航空宇宙工学実験1は全員を7班に班分けし、スケジュール表にしたがって2週間かけて1つの実験テーマをおこないます。2週目実験終了後、6日以内にレポートを所定の場所に提出します。レポート提出日から1週間後に前回の実験テーマについてのレポート指導を受けます。

【第1回】(全員一斉)
 実験ガイダンス 航空宇宙工学実験実施要項および実験についての一般的注意事項の説明

【第2回】~ 【第3回】
(班別、全員一斉)
実験 8. 宇宙科学実験(彗星の軌道計算を行い、地球接近の時期を予測する。国立天文台の画像データから、宇宙の膨張速度をもとめる。)

【第4回】~ 【第11回】
班別実験(第1週目、第2週目)
 実験テーマ(1~7)
 実験 1.エッフェル風洞を用いた翼型の空力特性試験(風洞を使った流れの可視化実験と解析をおこなう)
 実験 2.ジェットエンジンの性能実験(ジェットエンジンの運転とジェットエンジン性能の解析をおこなう)
 実験 3.航空宇宙材料の機械的特性評価試験(航空宇宙材料の引張試験、時効熱処理したジュラルミンの組織観察と硬度試験をおこなう)
 実験 4.燃焼工学実験(予混合火炎を用いた燃焼の実験と解析,航空宇宙材料の非破壊検査をおこなう)
 実験 5.ヘリコプタの計測・飛行制御実験(タンデム・ロータ・ヘリコプタ等を使った制御実験と解析をおこなう)
 実験 6.有限要素法による主翼平面形解析(汎用プログラムANSYSによる構造解析をおこなう)
 実験 7.航空機の桁構造設計と強度試験(航空機に用いられる構造の設計と強度評価をおこなう)
 
【第12回】~ 【第15回】
(班別)
 実験 10.Project Base Learning (PBL):特別実験①
 機体製作プロジェクト:テーマ「軽量かつ滑空性能に優れた機体」

航空機の図面を参考に航空機の平面図を作成します。次にグループ全員で協力して,実機からさまざまなヒントを得て、航空機について調査を行います。全長50cm程度の滑空機を設計し,設計審査を受けます。設計審査に合格した班は設計した機体を調達した素材(発泡スチロール,バルサ材等)から製作します。製作した機体は9月に飛行試験を行います。後期の第2週目に機体を披露し、全班員によって機体諸元と飛行試験結果について教員の前でプレゼンテーションを行います。