Web Syllabus(講義概要)

2019年度

ひとつ前のページへ戻る 教授名で検索

航空宇宙工学実験2(Experiments in Aerospace Engineering2) 越岡 康弘
3年 後期 専門基礎科目必修 3単位
【航空・後期】 19-1-0328-5283

1.
授業の概要(ねらい)・ディプロマポリシーとの関連

流体・空気力学分野、原動機・燃焼分野、シミュレーション分野、材料・構造特性分野の4分野から、航空宇宙工学に必要な基礎的な実験手法とその解析方法を実習します。実験レポートの書き方、プレゼンテーションの方法についても個別指導を行います。少人数のグループ単位で行う実験は教員と密に議論して、理論に基づいて現象の理解を深めることができる非常に貴重な経験です。技術者としての自覚を持って、各自がオリジナリティの高い実験レポートに仕上げるよう努力してください。図書館を利用して、実験に関連する文献の調査を行い、講義で学修した様々な理論と実験を結びつけ、実学として理解することが重要です。コミニュケーション能力、問題発見・問題解決能力を養うことができます。この授業はDP1,DP2,DP3そしてDP4に関する知識、技法、態度を修得します。

2.
授業の到達目標

これまで講義で学んだ航空宇宙工学に関する内容を、実験およびシミュレーションによって,体験的に学修します。さらに実験内容を正確に報告するために実験レポートのまとめ方について学びます。航空技術者として必要な様々な内容の基礎的な実験をグループで行い、実験結果を整理し、グループ内で活発な議論を行い、内容をより深く考察します。各実験テーマについて、目的、原理、実験方法、実験結果、考察、結論の順で詳しく記述した実験レポートを提出し、レポートが合格することが必要です。卒業研究につながる計画、実験、考察、実験報告書の作成ができるようになることを到達目標としています。

3.
成績評価の方法および基準・フィードバック方法

1~10の各テーマの実験について、毎週欠かさず出席し、実験およびその解析を行います(平常点)。さらに,すべての実験についてレポートを提出し,各担当教員から合格判定を得ることが必要です(レポート点)。成績は各実験テーマの平常点とレポート点を合計した点数て評価します。前期は前期中に行った5テーマの得点を集計して,その平均点が評価点となります。ただし,5テーマのうち1テーマでも合格点(60点)に達していない場合は,航空宇宙工学実験1の成績が不合格となります。レポート提出後、教員が評価し、個別にレポート指導を行います。

4.
教科書・参考書

航空宇宙工学実験1,2解説書(平成31年度版)を配布します。
関数電卓,定規,コンパス,グラフ用紙は必ず持参してください。その他必要なものについては,各実験テーマの担当教員の指示に従ってください。

5.
準備学修の内容・必要な時間

配布された実験指導書には原理および実験内容が詳細に書かれています。事前にしっかりと指導書を読み、予習しておいてください。疑問点を質問できるように準備してください(1時間)。実験が終了したら、ただちに実験の内容と結果を実験ノートを参照し、レポートにまとめてください。実験テーマごとに参考文献が載っていますから、レポートを書くときは図書館等で調べたり、時間中にグループ内で議論した内容を自分の言葉でしっかり考察することが重要です(3時間)。レポートは他人に実験について報告するための文章ですから、形式に従って、図・表を用いながら自分の考えをわかりやすい文章で表現することが大切です。

6.
その他履修上の注意事項

遅刻,欠席をしないようにしてください。やむを得ない理由で欠席する場合は,スケジュールを確認し,予定の担当教員に届けを出すことが必要です。

7.
授業内容

航空宇宙工学実験2は全員を7班に班分けし、スケジュール表にしたがって2週間かけて1つの実験テーマをおこないます。2週目実験終了後、6日以内にレポートを所定の場所に提出します。レポート提出日から1週間後に前回の実験テーマについてのレポート指導を受けます。

【第1回】(班別、全員一斉)
 特別実験② 製作した機体の飛行試験
【第2回】(班別、全員一斉)
 特別実験② 製作した機体の展示と機体諸元・製作過程・飛行試験結果のプレゼンテーション

【第3回】 【第4回】(班別、全員一斉)
実験 9. X線回折実験・SEM観察実験(X線回折実験のデータから結晶構造と格子定数を計算する。各種試料の走査型電子顕微鏡観察とEDS元素分析を行う。)

【第5回】~ 【第10回】
班別実験(第1週目、第2週目)
 実験テーマ(1~7)
 実験 1.エッフェル風洞を用いた翼型の空力特性試験(風洞を使った流れの可視化実験と解析をおこなう)
 実験 2.ジェットエンジンの性能実験(ジェットエンジンの運転とジェットエンジン性能の解析をおこなう)
 実験 3.航空宇宙材料の機械的特性評価試験(航空宇宙材料の引張試験、時効熱処理したジュラルミンの組織観察と硬度試験をおこなう)
 実験 4.燃焼工学実験(予混合火炎を用いた燃焼の実験と解析,航空宇宙材料の非破壊検査をおこなう)
 実験 5.ヘリコプタの計測・飛行制御実験(タンデム・ロータ・ヘリコプタ等を使った制御実験と解析をおこなう)
 実験 6.有限要素法による主翼平面形解析(汎用プログラムANSYSによる構造解析をおこなう)
 実験 7.航空機の桁構造設計と強度試験(航空機に用いられる構造の設計と強度評価をおこなう)
 
【第11回】【第12回】 (班別)
 最後に行った実験テーマについて発表資料(パワーポイント)の作成と発表練習

【第13回】】(班別、全員一斉)
 航空宇宙工学実験発表会

【第14回】【第15回】
 航空宇宙工学実験レポート指導