1. |
授業の概要(ねらい)・ディプロマポリシーとの関連 |
|
航空機も宇宙航行機でも高温の燃焼ガスを噴出して推進力を得ています。また、宇宙船が地球に戻るとき大気との衝突で高温になった空気の流れに晒されます。宇宙では強い太陽光によって宇宙船は加熱されるので、特別な真空断熱手法が必要です。この真空断熱法は宇宙ロケットの液体燃料である液体水素や液体酸素の蒸発損失を抑制するために用いられます。このように、航空宇宙工学で直面する諸課題には伝熱工学の知識が無くてはならないのです。この講義では設計者や研究者に必要な工学知識を身に付け実際に使えるように学ぶことを目指してください。 序論、熱伝導と熱伝導方程式、定常熱伝導、非定常熱伝導、強制対流熱伝達、自然対流熱伝達、熱放射、放射伝熱について解説します。 この科目は、ディプロマポリシーDP2に関連する科目です。
|
2. |
授業の到達目標 |
|
機械工学において伝熱学は基本の一つであり、熱を効率的に伝達したり、あるいは逆に熱伝達を抑制するために重要な役割を担っています。航空宇宙工学においても、高速飛行に伴う空力加熱、ジェットエンジン燃焼器やタービン翼・ディスクの冷却、ロケットエンジンにおける燃焼熱負荷と冷却、衛星本体の熱環境制御等伝熱学に関わる分野は数多くあります。本講義では伝熱の基本形態である、熱伝導、熱伝達、熱放射について取り扱いますが、伝熱に関する基本的な概念の把握に努めましょう。
|
3. |
成績評価の方法および基準・フィードバック方法 |
|
中間試験と定期試験の結果により評価します。それぞれの評価割合は 中間試験 25% 定期試験 75% となります。 またフィードバックとして中間テスト、期末試験後に問題解説を行います。 中間テスト結果は各自に返却し、別途配布する練習問題などを使って理解を深めるようにしてください。また、中間試験前後にこの科目全体を概観し学習の要点を説明します。
|
4. |
教科書・参考書 |
|
相原利雄著、『エスプレッソ 伝熱工学』、裳華房ISBN-13: 978-4785360238
|
5. |
準備学修の内容・必要な時間 |
|
伝熱工学の内容で対流熱伝達に関する部分は、流体力学の粘性流れや境界層流れが基礎になっています。 予習、復習をそれぞれ1.5時間ほどかけ教科書をよく読み要点をノートにまとめましょう。中間テスト後に配布する練習問題を繰り返し解くことにより知識を身に付けてください。 当該期間に36時間以上が上記の予復習に必要です。
|
6. |
その他履修上の注意事項 |
|
ノートを取るだけでなく、物理的イメージが持てるまで教科書を繰り返し読んでください。何がわからないかをはっきりさせ、参考書の利用や質問などにより、分からないところを減らしていく努力をしてください。 参考書:日本機械学会偏、JSMEテキストシリーズ 「伝熱工学」
|
7. |
授業内容 |
|
【第1回】 | 伝熱学の基礎(熱と温度、内部エネルギー、熱力学の第2法則、伝熱の基本形態) | 【第2回】 | 熱伝導(フーリエの法則、熱伝導率) | 【第3回】 | 熱伝導方程式、熱伝導率、温度伝導率、熱伝導率測定法 | 【第4回】 | 定常熱伝導(一次元熱伝導、多層平板、円筒および球の半径流熱伝導) | 【第5回】 | 定常熱伝導(熱抵抗、熱通過率) | 【第6回】 | 定常熱伝導(拡大伝熱面、フィン) | 【第7回】 | 定常熱伝導(二次元熱伝導、フーリエ級数、形状係数) | 【第8回】 | 非定常熱伝達(一次元非定常熱伝導、ハイスラー線図) | 【第9回】 | 強制対流熱伝達(層流強制対流熱伝達、乱流強制対流熱伝達) | 【第10回】 | 自然対流熱伝達(層流自然対流熱伝達) | 【第11回】 | 中間試験 問題の解説 | 【第12回】 | 放射熱伝達(黒体放射、放射強度) | 【第13回】 | 放射熱伝達(実在物体の熱放射、灰色体) | 【第14回】 | 放射熱伝達(黒体系の放射伝熱) | 【第15回】 | 放射熱伝達(灰色体系の放射伝熱) |
|