Web Syllabus(講義概要)

2019年度

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生化学(Biochemistry) 内野 茂夫
2年 前期 専門科目選択 2単位
【バイオ・前期】 19-1-0381-3732

1.
授業の概要(ねらい)・ディプロマポリシーとの関連

「生体を構成する基本的な物質」が機能する場としての「細胞」、ならびにその細胞の機能的な集合体である「組織・器官」について、「構成する生体分子」から学習します。また、生命を維持する「遺伝情報の発現」、情報伝達に関わる「酵素」「受容体」について学習します。講義は、演習問題を取り入れ理解度を確認しながら進めます。この講義ではDP1およびDP2に関する知識の習得ならびに総合的思考力の養成を行います。
本科目は、実務経験のある教員による授業です。担当教員は企業において創薬研究に携わっており、授業では、基礎研究からの創薬シーズを薬の開発につなげる応用研究の実例を紹介するとともに、基礎知識の実践的活用への思考を学びます。

2.
授業の到達目標

「生化学」とは生命現象を生物学的・化学的側面から理解する学問です。本授業では、生体を構成する多種多様な生体高分子・有機化学物質(核酸や蛋白質)の理解と、それらの物質の相互の連携からなる生命現象(酵素や受容体を介した情報伝達機構)を理解することを到達目標とします。学生は、各講義で解説した専門用語について内容を記述できる。また、それらの知識を総合し、各講義で行う演習問題を解くことができる。

3.
成績評価の方法および基準・フィードバック方法

定期試験の成績で評価します。6割以上の得点を「可」とします。定期試験は出席率によらず受けられますが、出席率が6割未満(9講未満)の学生には再試験を受ける資格を与えません。試験終了後、試験の解答について解説します。

4.
教科書・参考書

教科書:『基礎からしっかり学ぶ生化学』山口雄輝編著、成田央著(羊土社)(ISBN 978-4-7581-2050-0)を中心として、必要に応じてプリントを配布します。各授業終了後、LMSに講義内容を掲載します。
参考書:深い内容の学習:『理系総合のための生命科学(第4版)』東京大学生命科学教科書編集委員会篇(羊土社)(ISBN 978-4-7581-2086-9)

5.
準備学修の内容・必要な時間

高校で学んだ「生物」「生物基礎」、大学1年で学んだ「生物学」「細胞生物学」を事前に復習しておいて下さい。各講義については、下記の各回に示した教科書のページを事前に読んでおいて下さい。
予習学習として1時間程度。シラバスに記述した次回講義範囲の教科書を読み、理解できた点と理解できなかった点をノートにまとめておいてください。復習として1時間程度。LMSとプリントを中心に、特に予習時に理解できなかった点を復習し、理解できたかどうかノートにまとめておいてください。また、講義中に行った演習問題(LMSに掲載)も復習してください。理解できなかった点は、再度教科書を読む、LMSで講義内容を復習する、教員に質問するなど各自の対応が必要になります。

6.
その他履修上の注意事項

7.
授業内容

【第1回】
生化学入門:エネルギー代謝、細胞の生化学
教科書:5章 糖代謝1(P90-98)、6章 糖代謝2(P109-123)
【第2回】
遺伝情報の発現1:核酸の構造、合成
教科書:2章 核酸の構造と機能(P43-57)
【第3回】
遺伝情報の発現2:核酸の複製
教科書:10章 DNAの複製、修復、組換え(P171-186)
【第4回】
遺伝情報の発現3:遺伝情報の転写
教科書:11章 転写とRNAプロセシング(P187-202)
【第5回】
蛋白質の生化学:蛋白質の合成、高次構造
教科書:1章 蛋白質の構造と機能(P23-35)
     12章 翻訳と翻訳後修飾(P206-214)
【第6回】
演習とまとめ:
第1回〜第5回までの講義内容について、演習問題を解きながら復習します。
【第7回】
情報伝達の生化学1:受容体
教科書:3章 単糖と多糖、脂質と膜(P70-75)
【第8回】
情報伝達の生化学2:酵素の分類、機能
教科書:4章 酵素の反応速度論(P76-83)
【第9回】
情報伝達の生化学3:酵素の反応機構と活性調節
教科書:4章 酵素の反応速度論(P83-88)
【第10回】
演習とまとめ:
第1回〜第9回までの講義内容について、演習問題を解きながら復習します。
【第11回】
代謝の生化学1:情報伝達と細胞応答
教科書:13章 シグナル伝達(P224-235)
【第12回】
代謝の生化学2:ホルモンと生体調節
プリントを中心とした講義を行います。血糖濃度の調節機構など。
【第13回】
代謝の生化学3:代謝の異常、疾患
プリントを中心とした講義を行います。オートファジーやエピジェネティクスと発達障害など。
【第14回】
生化学と生命科学:遺伝子工学、細胞工学、染色体工学技術の応用
プリントを中心とした講義を行います。PCRや電気泳動の実例、遺伝子組換え、遺伝子改変技術の応用例など。
【第15回】
試験とまとめ:
試験とその解説講義を行います。