1. |
授業の概要(ねらい)・ディプロマポリシーとの関連 |
|
ヒトゲノムをはじめとして多くの生物のゲノム解読が進み、膨大なデータが生み出されています。それらの生物情報はインターネット上に無償で公開されています。さらに、「情報科学者ではない人」も、「情報科学者」が提供している解析ツールを用いれば、膨大なデータから必要な情報を得ることができます。いつでも誰でも「インターネット」から「バイオインフォマティクス」の世界へ飛び込むことができるのです。 講義とともに、ウェブサイトを利用した演習課題とグループ討論を通して、バイオインフォマティクスで実際にわかること、できることを学びます。 この講義では、DP1,2,3に関する知識、経験、問題解決能力、応用力を習得します。
|
2. |
授業の到達目標 |
|
バイオインフォマティクスは、生命科学と情報科学の接点に生まれてきた新しい学問分野です。すなわち、遺伝情報をはじめとする生物に含まれるデータや生体内で起こる現象を情報としてとらえ、コンピューターを使って解析しようというものです。本授業では、バイオインフォマティクスへの入門として、遺伝子情報を中心とした様々な情報とその利用法についての基礎知識を習得し、ウェブサイトやデータベースを利用して、生命科学研究に必要な情報を収集できるようになることを目的とします。 ・目的の情報が掲載された学術論文・特許の検索ができる。 ・遺伝子データベースを利用して、核酸・アミノ酸配列の検索ができる。また、BLASTを用いた相同性検索ができる。 ・CLUSTALWを用いて分子系統樹を作成できる。また、その結果から遺伝子機能と進化について考察できる。 ・核酸・アミノ酸配列をもとに、タンパク質の立体構造予測と機能予測ができる。 ・オミックス解析の意義について理解し、発現プロファイル・生合成マップの検索ができる。 ・遺伝子オントロジーに基づいて、遺伝子の機能分類ができる。
|
3. |
成績評価の方法および基準・フィードバック方法 |
|
成績は、各講義で実施する演習課題(50点)と期末総合課題(50点)の合計で評価します。 LMSを用いて課題の提出とフィードバックを行います。 2/3以上の出席をしていない場合は、成績評価の対象としません。 再試験は基本的に行ないません。
|
4. |
教科書・参考書 |
|
本科目は、実習を含む形式で行います。テキストは特に定めません。 授業は、CL教室のパソコンを使って行います。資料の掲載、課題の提出・評価は、すべてLMSを使用して行います。 必要に応じてプリントなどを配布するほか、LMS上に資料を掲載する予定です。
<参考書> 中村保一 他編、『バイオデータベースとウェブツールの手とり足とり活用法(羊土社)』 日本バイオインフォマティクス学会編、『バイオインフォマティクス入門(慶應義塾大学出版会)』
|
5. |
準備学修の内容・必要な時間 |
|
本講義で扱う内容は、“遺伝学・分子生物学”に基礎をおいています。 必要とするパソコンの知識は「情報基礎1」「情報基礎2」で学んだ内容です。
1. 予備学習として1.5時間ほど、LMSに掲載された講義資料を読み、次回の内容に関連した「基礎遺伝学」や「分子遺伝学」、「情報基礎1・2」の内容を復習し、専門用語の意味などをノートなどにまとめておいてください。 2. 復習として1.5時間ほど、講義で学んだウェブサイトやデータベースを利用してLMSに掲載された課題を行い、必要な情報を収集できるようにしてください。
|
6. |
その他履修上の注意事項 |
|
初回の講義で、LMSのコース登録と説明を行うので、履修希望者は必ず出席するようにして下さい。 また、海外のウェブサイトを使用するため、電子辞書(または英和・和英辞典)等を持参することを推奨します。
|
7. |
授業内容 |
|
【第1回】 | バイオインフォマティクスとは | 【第2回】 | 文献・特許検索(CiNii, IPDL) | 【第3回】 | 学術論文検索(PubMed) | 【第4回】 | 遺伝子データベース(NCBI,DDBJ) | 【第5回】 | 相同配列の比較・分子系統樹解析(CLUSTALW,TreeView) | 【第6回】 | ホモロジー検索とは(BLAST) | 【第7回】 | 類似塩基配列の検索(BLASTN) | 【第8回】 | 類似タンパク質の検索1(BLASTP) | 【第9回】 | 類似タンパク質の検索2(BLASTX,TBLASTN) | 【第10回】 | 類似タンパク質の高感度検出(PSI-BLAST,PHI-BLAST) | 【第11回】 | タンパク質機能予測(PSORT,SOSUI,TMHMM) | 【第12回】 | 発現プロファイル・パスウェイ解析(GO,GEO,KEGG) | 【第13回】 | 遺伝子オントロジー(Gene Ontology) | 【第14回】 | 総合データベース、研究支援ツール(Entrez、GenomeNETなど) | 【第15回】 | 総合課題 |
|